第13話、小豆あらい3

「なあ、平治よ、どうするよ」

「河童!何も考えずにあんなこと言ったんかよ、どうやって里人が赤子を流さない様にするずらよ!」

「ようはよ、里人が赤子を流さない様に脅せばええんやろ」



川が狂ったように荒れている

濁流が周りの全てを飲み込む

隣村の若い男は牛と蜘蛛みたいな妖怪を見たらしい。その男は年老いた男が化物に川に引きずり込まれてる所を見た

我が村の次郎は大雨の日に全身濡れている女に出会った、その女の色香に誘われてふらふらと近づくと鬼のようなツノを生やした蜘蛛の化物が川から出てきたので危険を察知して急いで命からがら逃げてきた。毎日のようにシャリシャリシャリと音がして、その音に混じって赤子の泣き声が聞こえてくる。


「殿、最近村の民どもから直訴が相次いでいます。なんでもあの山に怒りを収める為に祠を建てるので年貢の取り立てを待って欲しいとの事です」

「山の怒りを鎮める為の祠?」

強欲でも頭は悪くない殿様

最近の村で起きてる怪奇は山の神様の怒りという事か

「指示は後程伝える、待機しておれ」


ようやく村人は悟った

これは明らかに川に捨て命を奪った赤子の祟りだということを、


太郎丸も平治も解っていた

これだけでは問題は解決しないことを、

年貢の取り立てと戦に巻き込まれないようにすることで解決する

それは為政者に妖怪の恐ろしさを思い知らせる方法が最も手っ取り早いと考えたまずは里人達に祟りの存在を知らしめる方法をとった

二人は仲間の水妖怪に事情を説明して協力してもらったのだ。

効果はあった

里人達は赤子の祟りを信じて

躊躇しだしたが年貢を取り立てる為政者は噂は聞いていたが実際に自分に害が及ばない限り実感がわかないらしい。


「そろそろワイの出番やな」

「太郎丸、おめえは何するのら?」

「この村から年貢を取り立ててる殿様に怖い思いしてもらんじゃよ、この太郎丸様の妖怪力によってな」

要は本当に殿様に妖怪がいることを知らしめて村人を苦しめることを止めさせる。

川に人減らの為に赤子を流すと

妖怪に祟られて村全部がなくなることを教える作戦


「太郎丸よ、おめえに妖怪力なんてもんあったか?いつもおでと遊んでる姿しか見たことないずらよ」

「ワイは普段暇やからおめえと遊んでるがワイの本気を見たってや」

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