第32話 奪おうとするもの


いつの間にか、楓と一緒に寝ることに抵抗が無くなってしまった。


横を見れば、俺の耳たぶを触ってくる少女がいるのだ。小さい時からの変わらないこいつのいつもの行動にまた安堵した。


この心境がどういうことを意味しているのかという、自問自答はやめておこう。


カタッ。


唐突に、外から物音が聞こえた。


車が通りかかる音なら、すぐわかる。


近所に住んでる羽田さんは犬の散歩をするが、この時間は遅すぎる。


今、夜の11時前なんだが。


カタッ。カタッ。ガコ、カツカツ。


明らかに、うちの敷地内の地面に埋めてある煉瓦を踏む音がした。


不審だ。不審者だ。


確認するために網戸を開けるか迷う。少しでも音を立てれば、気付かれてしまう。


一度、階段を降りて様子を見に行くか?


『楓ちゃんから目を離すなよ』


ふと、平塚に言われたことが頭をよぎる。


楓を起こすか迷う。だが、今は窓を開けている状態だ。楓を起こしたら、たぶん寝ぼけて普通にしゃべっちゃうだろうから、声で気付かれて逃げられてしまうかもしれない。


できれば、今、ここで捕まえたい。ただでさえ、再婚相手のことで気が滅入っているのに・・・。


ってそうか。きっと、


このタイミングで来るとしたら、奴しかいないんだ。


ザッザッザッ。


庭を横切って、完全に家の裏手に回ろうとしている音が聞こえる。


ふむ、そこまで行ったら、逃げ道無くなるんだけど大丈夫か?


日向(南側だからそう呼んでる)の部屋に、俺は音を立てないようにして移動した。


窓から下を見る。誰もいない。


隣の二瓶さんちの間まで行ったのか?


俺は日向の部屋を出てからすぐ左のトイレに入って窓を開けた。


ガチャッ。


トイレ部屋の窓下から見上げている何者かと目が合った。黒いフードを被ったやつが片目だけでこっちを睨んで走り出した。


玄関!!!


ダッダッダッダッ!


階段を下りる俺とあいつ、どっちが速い?間に合えっ!!


ガチャッ!


俺は玄関を開けた。



玄関が何者かに引っ張られた。



ーーーーーー


作者より。


コメント再開しましたので、短いですがここで区切ってみます。


コメント停止してて申し訳ありませんでした。


作者は過去のコメントが図星すぎて固まっただけなので、読者の方は悪くありません。


この作品は警察沙汰とブロットポイントばかりでしたので、何か変なところがありましたら、遠慮なくコメントしてください。


今後もよろしくお願い致します。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る