第11話 再会②
「やぁやぁ、どうかなここの寮は」
陰陽寮に移ってから2日後、トレーニングルームでトレーニング中の3人の元に、晴彦がやって来た。
「おいクソメガネ、俺は聞いてねえぞ。」
「それはどういう事かな?」
「部屋の事だっつーの。相部屋とか聞いてねぇんだけど。て言うか俺のルームメイト、2日経ったのに、帰ってこねぇし。」
「環那くんは要注意人物だからね。さすがに1人部屋にはできないよ。それは君も同じだよ。泰成くん。」
「同じってどういうことだよ。」
「だって、玉藻前の宿主を生かすだなんて無謀なことを言うんだもの。君も十分要注意人物だよ。」
「だからってその要注意人物を僕に丸投げしないでもらっていいですかね?」
その時、上から声がした。見ると、眼鏡の青年が立っていた。青年は階段を勢いよく飛び降りる。
「お前、この間の...」
青年は眼鏡を外す。それに合わせて、晴彦は咳払いをした。
「紹介しよう!我が陰陽連期待のルーキー、大江山修斗くんだ。」
「みんな4年振りだね。」
大江山修斗 『芽吹き寮の悲劇』で環那、泰成と共に生き残った3人のうちの1人で、環那達の幼なじみだ。
「は?マジで修斗か?」
途端、3人が修斗の元に駆け寄る。
「久しぶり!修ちゃん、元気だった?」
「ああ、みんなも元気で何より。」
「今までずっと京都にいたの?」
「うん。昨日まで任務で名古屋にいたけど、ずっと京都にいたよ。」
「え?任務ってどんな...」
泰成の言葉を遮るように、晴彦が手を叩く。
「感動の再会に水を差すようで申し訳ないんだが、4人共、新学期の準備はできているのかい?」
晴彦の問いに環那、海、修斗の3人は首を縦に振ったのに対し、泰成は首を傾げた。
「ん?新学期ってなんの...?」
「星稜院の準備に決まってるでしょ。」
「来週始業式だけどまさか、してない...?」
途端、泰成の顔がひきつる。それを見た晴彦が泰成に変わって答える。
「そのまさかだね。」
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