20 待機・万月視点

夜。

例によって正体不明の私達の上司から、命が下った。

焼け落ちた殿舎址を更地にせよとの事。


伝令の別当曰く。

殿舎の復元も可能であると言上した所、素気無く却下されたそうな。

殿舎が一晩で復元すれば、それは一般人にとって余りに不自然であると。

公的異能鎮護組織、朱衛殿。

この存在は伏せねばならぬのだと、衛士一同改めて実感した。




さて、私は非番だった。

出動命令が下っていたのは三人だけだったのだ。

さららさん、実朝さん、そして小式部ちゃん。

私に待機命令が下されたのは新人故か、異能の性質故か。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る