13 白拍子
「いい夜だな、小式部内侍。」
白拍子の女が近づいてくる。
鬼を倒したのは、この女らしい。
不意に、間合いが詰められ、懐に女の手が伸びた。
小式部が後ろに飛ぶ。
「あなたは、誰?」
「紫だ。お初だな。」
その手には朱衛殿の集音機。
向かって二言三言呟くと、紫は電源を切り、投げ捨てた。
「要求は?」
「朱衛殿に伝言と警告。」
「──だけなはずがない。」
「その通り。」
刹那、紫は小式部の後ろに回り、拘束した。
小式部の首筋に冷たい感触。
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