第4話 思わぬ傷み
そういえばギブスの事を忘れていましたが、今回46歳にして初めての骨折でしたのでギブスをするのも初めてでした。
石膏で固めるイメージだったのですが今は違うんですね。
何か布ガーゼみたいなのを水に濡らして患部へ巻いて5分程待つだけでカッチンカッチンに固まるやつがあるのです。
痛いながらも驚き、感心しました。
医療の技術も発達してますね。
しかしこれ一つ問題がありまして、ギブスを外すには壊さなければならないらしいのです。
実際私のギブスも手術前には壊す事になったのですが。
どうやら一筋縄ではいかないらしく電気メスみたいのでカッチカチのプラスチック状に硬化したギブスを慎重に溶かし切っていくのですが…。
その前にスミマセンが熱かったら熱いと言って下さいと前置きされました。
何やら嫌な予感…。
片手に電メスもう片手にはコールドスプレー。
では、始めますね。
その作業をする場所は他の患者さんもいる四人の入院部屋。
じりじり、みしみしと何やら始まったみたいです。
2、3分するとチリっとした熱さが感じられたので私は少し落ち着いた感じで熱いですと伝えました。
先生は申し訳なそうにスミマセンと。
どうやら、最初に運ばれた病院で巻いたギブスなのでどの様に巻かれているのか把握しにくいらしく苦戦している模様。
どの様に作業していたのか体制的に自分では見ることができなかったのですが、中には熱いと発してから10秒くらい溶け落ちてくる物体が脚に掛かり続け、さすがに叫んでしまいました。
二回くらいあったとおもいます。
熱いというレベルに多少違いがあるにしてもそのペースが10分~20分に一度くらいありました。
そうなってくるとかなりの恐怖感があり、少しでも熱かったりすると脚に力が入ってしまいその力身で骨折部位も痛くなるという最悪の悪循環がありました。
このギブス外しに取り掛かったのがおよそ午後4時半頃で終了したのが午後9時前頃でした。
このおよそ四時間程の間どれだけ熱いと言って揉んどり打った事か。
私も大変でしたが先生も大変だったとおもいます。
かなり私の反応にビクビクしてた様ですから。
手術から数日が経ち、自分の脚をみたところありました。
明らかに手術で切開した傷とは違い、不自然に規則正しくできた直線で筋状の火傷の痕が。
私は心の中で誓いました。
私みたいに、こんな余計な痛さや苦しさをもうこれ以上患者さんに遇ってもらいたくないと。
だから早くこの作業を安全かつスピーディーに行えるギブスカッターを製作すると。
退院したら直ぐにとり掛かろうとおもいます。
あくまでも、自分の気持ち的にはですので…。
ひょっとしたらこの病院に無いだけで他にはあるかもしれないですしね。
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