第3話 術中、術後
かくして、事故から3日目に手術を受けました。
13時半からの手術という予定で勿論この日も朝から何も食べていませんでした。
産まれて初めての手術に少しドキドキしつつも、この痛みからの解放と空腹が満たされるその時が確実に迫っている事への期待感とではやる気持ちもありました。
手術5分前頃、病室まで看護師さんたちが来てくれて動けない私をベッドのまま手術室までゴロゴロと押して運んでいただきました。
その途中、痛いのもこれから掛ける麻酔までですからねと、頑張ってねと、手術終わったら楽になりますからねと、何人かの手術チームの方々に励ましの声を掛けていただきました。
初めての全身麻酔です。
勿論手術前に手術の失敗やリスクの説明を受けてサインもしてあります。
手術時間は2時間半ほどらしいです。
全身麻酔を掛けられてしまえばそこからは何をされてようが、もう抗うことも何もできないのです。
全てをこのチームの方々に託した訳です。
TVなどでよく見るやつの口と鼻に被せる管の繋がったマスクを着けられ知らないうちに意識がなくなりました。
次に目を覚ますと手術は終わっていて、そこはまだ手術室の中でした。
うっすらと目を開けると同時に突如として手術した部分に激痛が走りだしました。
事故直後と同じくらいの痛みだったのを覚えています。
というか、痛過ぎてそのくらいしか覚えてないのです。
まだ麻酔がある程度効いているにも関わらず私がかなり痛がったのでスタッフの皆さんも慌てた様です。
ご迷惑かけてスミマセンでした。
しかし、本当に痛かったんです。
その時思いました。
手術から目を覚ませば楽になるって言ったのに、まったく楽じゃないじゃないですか…と。
後で調べたり聴いたりしたところやはり個人差はかなりあるということでした。
きっと私の場合は麻酔が効き易く、覚めやすかったのでしょう。
実際看護師さんから麻酔からの覚醒が凄く早かったと言われましたから。
手術を受ける前に問診票を頂いて記入するのですが、普段のお酒(アルコール)の摂取量はしっかり書いた方が良いと思います。
その後痛み止めの点滴を強くしてもらったり何やらでどうにか耐えられるぐらいの痛みになりましたが手術したその日は、まる一日耐えるのに結構大変でした。
手術したその日は朦朧としていた意識も翌日の朝には完全に戻り徐々に通常の感覚へと呼び戻されていきました。
すると股間に違和感を感じました。
尿道に管が直接差し込まれていたのです。
別に痛かった訳ではないのですが、すごく気持ち悪いんです。
まだこの時点では食事の許可が出てなかったのですが、飲み物は飲んでも良くて点滴からも水分は摂取しているわけで。
尿意が有ろうが無かろうが尿道から繋がれた管を通ってパックへ常にチョロチョロと流れているのです。
明らかな尿意があったときに膀胱へ力を入れていつもの様に気持ちよく出そうとしてもそれができないのです。
それでもチョロチョロダラダラ流れ落ちていく感じです。
この不快感に耐えられず早く外してくださいと懇願し昼前には外して貰える事になりました。
腰回りやベッド回りに繋いでいたモノを手早く看護師さんが外してくれて、いざ差し込み部へ。
大袈裟な作業は全く無くあっという間に管を引き抜かれ終了。
しかし、抜かれてるその一瞬に走ったあの感覚は痛みと快楽の間みたいな何とも言えない感じでした。
尿道に入っていたソフトなチェーンをヌルヌル抜かれた感じ?! でした。
でも何と言っていいかよくわかりませんがあらゆる意味でもう二度とゴメンです。
そして管を抜かれてから初めての尿意。
まだ立ち上がることはできませんのでベッド上で尿瓶へ。
えっ…?
ビックリです。
産まれて初めて見ました。
先から尿が出るのを見てたら尿と同時に泡がプクプクと出てきて、プスッと空気が。
その後からは尿がいつも通り出て通常に戻りましたが想像もしなかった現象に1人部屋だったこともあり、えぇーって少し大きな声をだしてしまいました。
特に痛みもなかったので面白い体験が出来て良かったと思ってます。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます