ごめん

波瑠の隣りにいるのも、花夏の笑顔を隣りで見ていられるのも、いつも俺だったから

これからも、俺だけだと思ってた

でも、それは、俺の勘違いだった

だから、俺は、あのとき焦った

俺だけ、置いていかれるんじゃないか

俺でも、波瑠でもないやつが花夏の隣りに立って、花夏の笑顔を隣で見るんじゃないか

と思ったら、口が勝手に動いていた

「好きだ、俺と付き合ってくれ!」

「ごめん、無理」

即答された

今思うと、当時の俺は、子供だったし、その答えは、当たり前だよなぁ

でも、あのときの俺は、納得がいかなかった

だから、理由を聞いた

理由を聞いて、俺と波瑠は驚いた

けど、花夏が、そんな悩みを抱えていたことに気づかなかったことに、もどかしさを感じつつも、心の隅で諦めなくて良いんだ、とホッとした自分がいるのにも気づいていた

あの後、俺たちは、約束をしたっけ

でも.....俺は、あの約束を守れそうにない

今の俺に、あの約束を守る資格なんてない

「花夏、波留、ごめん」

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