第18話 アメリカ大統領の怒り
「クソっ! クソっ! ふざけおって!」
アメリカ合衆国大統領ロナルド・トリンクは会議室の机を、破壊せんばかりの勢いでなんども殴りつけた。
会議室のホワイトボードには『対サモンドロ共和島国 緊急会議室』と書かれている。
「閣下……落ち着いてください」
「今度はかりは落ち着いてなどおられぬ! 奴らのミサイルはどこに落ちたと思っている!」
サモンドロ共和島国が放ったミサイルが落下したのはアメリカ東海岸のボストン沖であった。
被害こそなかったものの、これはその気になれば彼らがアメリカ中のどこにでもミサイルを落下させることが可能であるということを意味する。
秘書がそっと葉巻と灰皿をさしだす。大統領は葉巻に火をつけて大きく息をついた。
「やはり。あの計画に頼るしかないのか」
「例のサイキック計画ですか? 確かにあちらは順調に進んでいると聞いております。確か予選の方は通過されたんですよね?」
「ああ。頼めるものがあんな小さな娘だけとは情けないかぎりだが」
彼はロケットに入った愛娘の写真を見つめた。
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