第11話 要塞国家サモンドロ その二

「閣下! 本当に実行してよろしいのですか!?」

 アメリカ合衆国対策庁の長官ガミイが、冷静沈着な彼女には非常に珍しいことに、声を荒げてラタム・サモンドロに進言した。

「なぜそんなことを聞く?」

 ラタムは『お怒り美女部隊』に囲まれながら逆に質問を返した。

「こ、これを行ってしまえば! いよいよアメリカとの全面対立は避けられません!」

「大丈夫。奴らは手を出せやせんさ。こちらの軍事力を恐れてな」

「ですが……。奴らは日本と組んでなにかを企んでいるという情報も」

「しつこいぞ。もう決定したことだ。貴様はいつからこの俺に刃向かうほどエラくなった?」

 ラタムはそう言って鋭く目を細めた。

「そうだぞコラアアアアアアアア!」

「このクソメガネええええええ!」

「ナニコラ! タココラ!」

 お怒り美女部隊はラタムに続いてそのように罵倒の言葉を投げかけた。

 ちなみに。彼女たちは本当に怒っているというよりは、いつもこういう感じなのだ。

「で? どうする? 実行するのか? しないのか?」

「わかりました。実行致します」

 ガミイは俯いて拳を握りしめながらそのように宣言した。

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