第15話 友達

目が覚めた


むくりと布団から起き上がり、大きく背伸びをする


横のベッドを見ると綺麗に畳まれた布団が置いてあった

イリアは先に起きてどこかに行ったようだ


どうせイリアが来るまで暇なので魔力トレーニングを

しながら昨日の夜のことを思い出す


久しぶりに人とあんなに会話した

日本にいたころは、友達はいたが放課後まで遊んだり

共通の趣味について熱く語り合うなんてした事がなかった


楽しかったな


そんな風に感慨にふけっていると、扉が開いて

鼻歌を歌って上機嫌なイリアが入ってきた


「おはよう」


「あ、おはようカイヤ君、起きてたの?朝ごはん持ってきたよ」


どうやら、朝食を持ってきてくれたらしい


「ありがとう」


「うん、どういたしまして、じゃあたべよっか」


そう言ってニコッと笑った


昨日と比べると今日はえらく上機嫌だ、


「いいことでもあった?」


「そう見える?」


「うん」


「そっか」


その回答に満足したのか、俺の質問には

答えてくれなかった


まあ機嫌がいいに越したことはない

気にしないでおこう


そういえば、神様の料理についての疑問だったが

味噌汁、ご飯、玉子焼き等の普通の日本食だった

気になってイリアに聞いてみると意外なことが分かった


イリア曰く、いま神々の間で日本の文化が流行っているらしい

しかもきっかけが、俺が殺された件で地球に派遣された

神様が持ち帰ってきたお土産がなんだとか


ちなみにイリアは今の流行りの以前から日本文化というか

ゲームのファンだったらしい、流石だ


そんな感じで和やかに朝食を終えた



さあ、そろそろエリアスに帰るか


持ってきた物もないのでイリアに送ってもらうだけだ

異世界に初めてできた友達だし正直さみしいけど

イリアにもイリアの生活があるだろう

別に今生の別れじゃあるまいし


「イリア」


「なに?」


「一晩泊めてくれてありがとう」


「少しだけだけどイリアと遊べて楽しかったよ」


「それで、食後すぐで悪いんだけど

エリアスにお「カイヤ君」」


言葉の途中で遮られた


「うん?」


すると、何も言わずテレビの近くにある

機械を起動するとゲームのコントローラーを

投げ渡してきた


「マリカーしよう?」


お別れを言おうとした矢先にゲームに誘われた

まあ、たださよならじゃ味気ないか

少しだけ付き合うとしよう


「ちょっとだけだよ」


「うんっ、ありがとう」


ゲームの準備をしながら嬉しそうに返事をする


ゲームに付き合うだけなのにそんなに

嬉しそうにされたら帰りづらくなるよ








・・・


そんなこんなで、一週間が過ぎた


えっ、と思うだろうがこっちだって困惑してる


一日目はまだよかった、ゲームに誘われただけだ


だが、それから日を追うごとにあからさまに俺を

引き留めるようになった

今では、エリアスの事を話すだけで話題を変えようとしてくる


イリアとゴロゴロゲームをしてまったり過ごすのも

嫌というわけではない、むしろ好きだ

だが、せっかく異世界に来たんだし冒険とかしてみたい

それに、だらだらとした休日は働いてこそ

楽しく感じると思うのだ


そして何より毎日ただ飯は心苦しい


その旨をイリアに伝えたらポロポロと

泣き出してしまった


「ごめん、な、さい」


流石に引き止められることがあっても泣くまでは想定してなかった

とりあえず、背中をさすって落ち着かせる


泣き止んだ後に、つっかえながらも事情を話してくれた



イリアにはここ数百年間、名前で呼んでくれる友人も家族も

いなかったらしい


若くして魔神という最高の神の一角になった彼女は

家族からも親しかった友人からも魔神様と呼ばれるようになり

数百年間ひとりぼっちで過ごしていたらしい


そんなある日、自分を腫物として扱わず友人として接してくれる人

つまり俺が現れたのでどうしても離れたくなかったそうだ


うーん、悪いこと話してないのに罪悪感がわいてくる


でも、


「俺は、イリアの事友達だと思ってるし

ほら、怖がったりしてないでしょ」


赤くなった目でこちらを見ながら


「ほんとに?」


「うん、本当に」


「そっか・・・よかった」


安堵して体の力が抜けたのかこちらに倒れてきたので

とっさに受け止めた


「大丈夫か」


泣き疲れたのか、顔を見ると気持ちよさそうに寝ている


まったく、俺より年上なのに子供みたいだな








第15話の最終ステータス


_________________________

       

 【名前】カイヤ

 【年齢】18

 【種族】人族【亜種】

 【Lv】   62

 【HP】 640 / 640

 【MP】 970 / 970

  ー【能力値】

    【筋力】 840+6000

    【魔力】 980+6000

    【知力】 1010+6000

   【幸運】  1000+1000

    【防御力】 800+6000

    【精密性】 780+6000

    【敏捷性】 920+6000

  ー【スキル】

       中級蹴術Lv5

       初級蹴技Lv6

       初級基礎能力強化Lv6

        身体強化Lv5

       探索Lv5

       精神統一Lv10(max) 

       明鏡止水Lv10(max) 

    ー【ユニーク】

       魔人Lv2

   幸運

       解放

       異常進化

       融合

       分解

       早熟Lv3

       慧眼Lv1

       大器

       調教

       掌握

       教祖Lv1

       作成Lv1

       魔力覚醒 

       魔力支配 

       魔力回帰 


       エリアス創造神の加護

       運命神の寵愛

       地球創造神の加護


 【称号】亜種 進化の系譜 転移者 魔王 教祖 運命の覇者

 【言語】神位魔法言語

 【能力開放】 魔術 魔法

 【職業】修練者 初級万魔導師

 _________________________


・・豆知識・・



神の子供は必ずしも神というわけではない

ただ、親である神に知識を直接教えてもらえるため

神になりやすいだけだ


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