第14話 同志


 イリアさんの提案に同意し一晩止めてもらうことになった。夕食までご馳走してくれるというのだからありがたい。異世界に来てから食べ物を食べなくても支障がないことに調子に乗って、ここ最近は全く食事をしていない。それに神様が何を食べるのか純粋に興味がある。


 色々必要なこと話決めた後、夕食までまだ時間があるということでイリアさんの部屋でもう少しお話をすることになった。


 「えっと、趣味は何ですか?」


 「ほ、本を読むことです」


 しかし全く話が盛り上がらない。俺は話ができる方ではあるけれど、会話が下手な人と話せるほどコミュ力があるわけではない。イリアさんは話していると明るい性格で話しやすそうな印象を受けたが、それは最初だけだったみたいでホントは人見知りだったらしい。自分からは全然喋らないし、返答も適当で全く会話する気がない。


 なにより俺も初対面の、しかも全くしゃべらない女性相手に何を聞いたらいいかわからない。非常に気まずい雰囲気が漂ってる。しかし、だからといってここから逃げ出すわけにはいかない。


 何か話題がないかと部屋の中を眺めていると大量の本が置いてある本棚が目に付いた。趣味が読書というだけあって6段ほどある本棚がいくつもありその中にはぎっしりと本が詰まっている。すごい量だなと眺めていると一本だけ本以外の物が収納されている本棚を見つけた。そこには俺が見慣れたものが置いてあった。


 これしか助かる道はないと思い話題に出してみる。


 「イリアさん、ドラクエ好きなんですか?」


 そう、言わずと知れた大人気RPGゲーム”ドラクエ”その最新までの全シリーズが棚に並べられていた。丁寧に掃除されて、見やすいように並べられている。相当好きなんだろう。もちろんを俺もすべて履修済みだ。異世界で同志に出会えるとは。


 「えっ、なんでわかったの?」


 「あそこの本棚を見ました、気を悪くしたらすみません。でもまさかここにあるとは思いませんでした」


 得心がいったような顔をしたあと、口を開いた。


 「カイヤ君は、ドラクエ好きなの?」


 「はい、大好きです全作品5周はするくらい大好きです」


 「そうなんだ、何作目が一番好き?」


 机から身を乗り出すほどの勢いで聞いてきた。俺はその様子に苦笑しながらも答える。


「そうですねどの作品も甲乙つけがたいぐらい作りこまれていますが、しいて言うなら五作目ですかね。あの吸い込まれるような重厚なストーリーには最初にプレイした時衝撃を受けました」


 イリアは目をキラキラさせながら聞いていた。


 「イリアさんはどのストーリーが好きですか」


 その言葉を皮切りに白熱したドラクエ談義が始まった。





 イリアさんから”さん”がとれ、敬語で話すのをやめるくらい仲良くなったころ。


「それでね、やっぱr」


 扉をノックする音で話が遮られた。そして一拍おいて女性の声が聞こえる。


「魔神様、お食事の用意ができました。自室でお召し上がりになりますか」


 どうやら、イリアの部下の人?が来たようだ。


 この部屋に来るときには全く人と会わなかったので、てっきりいないもんだと思っていたがよくよく考えれば、一人でこの屋敷を維持できるわけないか。


 そんなことを思っているとイリアが静かなことに気づいた。気になってそちらのほうを見るとさっきまで明るい顔で会話をしていたはずなのに、今は沈んだような暗い顔をしている。なんとなく心配になった俺はイリアに声を掛けた。


 「イリア、大丈夫?」


 「あっ、うん大丈夫ちょっと話してくるね」


 イリアは席を立って外に出て行った。全然大丈夫そうじゃないが下手に首を突っ込んで面倒くさいことになるのは避けたい。


 少し待っているとイリアが二人分の食事を盆にのせて帰ってきた。自分と俺の前に一つずつ置くと自分の席に着き。


 「じゃあ、たべよっか」


 無理やり作ったような笑顔で俺にそう言った。




 その後は、問題なく食事が進んだ。最初は若干ぎこちなかったものの途中からは先ほどのように元気に話すようになった。ちなみにドラクエはモンスターズまですべて履修済みとのことだ。


 食事が終わったあとも漫画やアニメについて和やかに話していると、イリアが変なことを言いだした。


 「今日、どこで寝るの?」


 「俺が朝いた部屋じゃないのか?」


 「それもいいんだけどさ」


 すこし目をさまよわせた後、「ここでねない?」と言った。


 「別に俺は、かまわないけどなんで?」


 「寝る直前まで話してたいから。カイヤ君とはなすのたのしい」


 「そっか」


 「うん」


 髪の隙間から見える耳が少し赤くなっている。先ほどの暗い感じの気まずい雰囲気と違った気恥ずかしいような空気が流れる。


 そんな空気を誤魔化すようにイリアはもう一つベッドを用意したりと寝る準備を始めてしまった。


 俺は何もする事がない。何もない空間からベッドを出したりするイリアを眺めながら、すげー今度教えてもらえないかな、などとくだらないことを考えながら時間をつぶした。



 その後、二人ベッドを並べて夜中まで仲良く話した。





_______________


あれ?ジャンル、ラブコメだっけ?





第14話の最終ステータス


第13話の最終ステータス

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 【名前】カイヤ

 【年齢】18

 【種族】人族【亜種】

 【Lv】62

 【HP】640(640)

 【MP】970(970)

ー【能力値】

 【筋力】840+6000

 【魔力】980+6000

 【知力】1010+6000

 【幸運】1000+1000

 【防御力】800+6000

 【精密性】780+6000

 【敏捷性】920+6000

ー【スキル】

  中級蹴術Lv5

  初級蹴技Lv6

  初級基礎能力強化Lv6

  身体強化Lv5

  探索Lv5

  精神統一Lv10(MAX)

  明鏡止水Lv10(MAX)


  炎魔法Lv1

  氷魔法Lv1

  嵐魔法Lv1

  金魔法Lv1

  聖魔法Lv1

  闇魔法Lv1

ー【ユニークスキル】

  魔人Lv2

  幸運

  解放

  異常進化

  融合

  分解

  早熟Lv3

  慧眼Lv1

  大器

  調教

  掌握

  教祖Lv1     

  作成Lv1

  魔力覚醒

  魔力支配

  魔力回帰

ー【加護】

  運命神の寵愛

  エリアス創造神の加護

  地球創造神の加護

ー【称号】

  亜種

  進化の系譜

  転移者

  魔王

  教祖

  運命の覇者

ー【言語】

  神位魔法言語

ー【能力開放】

  魔術

  魔法

ー【職業】

  修練者

  初級万魔導士

_______________


・・豆知識・・


神様も人間のような社会的な暮らしをしています。


ちなみに、今の流行りは日本のアニメやゲームです。



(2021.1.24 改稿)





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