第9話 異変?




洞窟に帰ってきた

もう太陽が沈みかけている


かれこれ8時間近く森にいたんじゃないか?


昨日寝ていた場所に座り、荷物を下ろす

そして今回の探索について頭の中で整理してみる


今回の探索は概ね成功だったといえるだろう


歩き始め、水について忘れていたことに気づいたが

途中、泉を見つけそこでのどを潤した


また、武器がないなどの不安があったが

軽い火傷を指先にする程度で

それもすぐ治ったため

大した傷を負うこともなく

探索を終えることができた


探索法はシンプルで、

そばにある木に石で目立つように

傷をつけながら歩くだけだ

その際に昨日習得した身体強化を使うと

簡単に印を作ることができた

帰りは、その印を辿ればいいだけだ


探索の途中で、身体強化を使うと少しだけ

体力などの身体能力が向上するということに気づき

後半に関してはずっと使っていた。


成果物は

・小指くらいの大きさの薄紫色の魔石?を34個

・それより少し大きく同じ色をした魔石を2個

・ポーション?を2本


以上を上着を風呂敷のようにして背負い

持ち帰ってきた


食料については、

妙に鮮やかでぶよぶよとした果実や

いかにも毒!!という見た目のキノコしか

見つけることができず

食べられそうなものはなかった


持ち帰ってきたものは

探索中に倒した魔物がドロップしたもので

魔物は2種類しか見かける事がなかった


1種類目はスライムで、34匹と遭遇

転生直後に襲ってきた奴と同じで

見た目は無色透明

ドロップするものは小指大の魔石のみで

必ずドロップするようだ


2種類目はレッドスライム(仮称)で2匹と遭遇

1種類目のスライムを一回り大きくし

赤く染めたような見た目をしており

体表は触ると火傷するほどに熱く

強さはスライムと同じくらいだ


ドロップするものは、親指大の魔石と

鮮やかな緑色で発光した液体が入った小瓶


小瓶の中身はまだ飲んでないので分からないが

それっぽいのでポーションということにしておこう


こちらも必ずドロップするようだ

(倒した数が少ないので正しいかはわからないが)


スライムしか出ない森なので

次回から”スライムの森”と呼ぶことにしよう


次に、探索して分かったことだ


今回探索した場所は、

俺が転生してきたところの周辺の森だ


今拠点としている洞窟の前の川を

挟んだ向かい側にある森のことだ


食料となりそうなものは一切なく

魔物に関してはスライムしかいないようだ

数は奥に進めば進むほどほど少なくなっていった


あくまでも1回探索した程度なので

以上の考察が事実かは定かではないが

分かったことに関しては大体当たっているだろう


またそのことを前提として、明日は

現在拠点としている洞窟のある小山と

その周辺を探索することにしよう




最後に俺の体の異変についてだ


探索の途中に気づいたことなのだが


一つ目に、疲れない


正確には、疲れはするのだが

疲れたとしても疲労が徐々に回復して

気づくと元気になっている


昨日森を歩いたときは疲れたのだが

精神的なものだったのだろうか?


二つ目に、傷の治りが異常に速い


頭の悪い話だが、

初めてレッドスライムに遭遇した時に

どんな感触なんだろうと気になって

触ってみた


そしたら思った以上に熱く、

火傷をしてしまった。


その後、無事スライムを討伐したが

火傷した手を見ると完全に治っていた


自分の目を疑ったが

2匹目と出会ったときに同じことを試し

傷を確認したら目の前で治っていく様子を

確認できた


別の話になるが、回復するとき

火傷跡をぐちゅぐちゅと覆うように

治っていくため少しだけ気持ち悪かった


三つ目に、腹が減らない


この世界に来てから2日弱経過しているし

探索などで結構な運動をしてきたが

まったく腹が減らない


身体能力が上がっているなどの

細かいことはいろいろあるが

以上の3つが体に起きた主な異変だ


ステータスによると種族が人族【亜種】となっているし

効果の分からない変なスキルもたくさん所持しているため

それが理由なのかもしれないが


正直、原因が分からないのは気分が悪い


しかし、今の状況ではありがたいので

素直に感謝しておこう



以上が今回の成果だ


情報の整理が終わると、

水を飲むために川に行こうとするが

考えている間に結構な時間が経っていたようで

太陽が完全に見えなくなっている


暗くてよく見えないので

ポーションを持って外に出た


夜になって気づいたのだが、ポーションは

結構な光量で光っているため明かりとして

使えるだろう

効果のほどはわからないが


転ばないように足元を照らしながら

川まで来て水を飲む


「うまい」


気のせいかもしれないが

この川の水は日本の水に比べると

とてもおいしく感じる


洞窟に戻り、一息つくと


ステータスの確認をしてないことに気づく


探索の途中であの声がしょっちゅう聞こえて

鬱陶しかったため、とまれと意識すると

止めるれることが発覚


そのため、カイヤは自分のステータスが

どうなってるかわからない


すこしワクワクしながらステータスを開く



「ステータス オープン」



格好つけてイケボ(自称)で呟いた 


べつに、”オープン”と言う必要もないし

何なら口に出さなくてもいいのだが


暗い森に一人でいるせいで

頭がおかしくなったのだろうか







___________


次話のネタバレになるため

今回はステータスを載せておりません

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