第二章 森で一人

第5話 初戦闘


サワサワサワ


頬に葉が当たるような感触をくすぐったく感じ目を覚ますと

森の中にいた



・・・え、なんで町の近くじゃないの?


重要問題だがいつまでも座ってられないと思い

とりあえず立ち上がり、体についた土を払った


自分のいた場所を見てみると

鬱蒼と草木が生い茂る森の中、木に寄りかかっていたようだ


何も情報がないのはまずいのでステータスを見ようと

口に出そうとしたその時、何者かの奇声とともに

無防備な腹部に衝撃を受けた。


「ピギイイイイィィィ」



大した衝撃ではなかったので、あまり慌てることなく

相手を観察した。


半透明なプルンとしたゼリーのような見た目のそれは

まるでRPGのスライムのようだ


てゆうか、スライムだ



そんな悠長なことを考えているうちにスライムは

体を震わせ、力をためるような動作に入った。


攻撃の合図だと直感で感じ、

とっさにスライムを蹴飛ばした


思ったよりも軽く、遠くまで飛んでいき

木にぶつかって止まった。


倒せたのかどうか確かめるべく近寄っていく途中

唐突に光に包まれ、消えてしまった。


何が起こったのかと駆け寄ると、薄紫色の

水晶のようなものが落ちていた。


魔石なんだろうな・・・と思い観察していると


『スライムLv3 を 1 体 討伐


レベル が 2 上昇しました


スキル 初級蹴術Lv1 を 習得しました』


あの声が聞こえた


スライムであっていたのか


そんな能天気なことを思いながらも脳内に表示された

ログを見た(見るって表現が当たってるかはわからないが)


あの声がいうにはレベルが2つあがり

”初級蹴術”というスキルを獲得したらしい


蹴術というくらいだからスライムを蹴ったことで

手に入れたのだろう


まあ、詳細に関してはステータスを見て確認しよう


では早速ステータスを見たいところだが

ここではまた襲われる危険がある

町につければいいのだが・・・

方向もわからん、もういいか


そう考えながら適当に歩き出した






のども乾き足も痛くなってきたころ

透き通った水の川にたどり着いた

向こう岸には洞窟がある


水に飢えていたせいか安全なのかも確認もせず

思うがままに川の水を飲んだ


のどが潤い気持ちが落ち着いたようで、

冷静な思考ができるようになった


向こう岸の洞窟を見ながら、ひとまずあの洞窟を

拠点にしようと目標を決め行動に移す


幸い川は浅いようで、苦労もせずに洞窟についた


あ、ライトないじゃん


今更気づいた自分の浅慮さにあきれながらも

ひとまず、太陽の光が届く入り口付近で

休憩、ステータス確認をしようと決めた


洞窟に入ってみると

少しひんやりとした温度で

歩き疲れ火照った体には心地よかった


壁際の地面に積もった土を払い

壁面にもたれかかって座り込んだ


一息ついた後、

忘れかけていたステータスのことを思い出し

確認することにした


「ステータス」



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