第七回 翔べよ! その凸凹コンビ?


 ――意味不明。それも『翔べよ!』だなんて。それに凸凹コンビって誰?


 でも……

 そうしたいのは山々……



 天使のようにウイングがあるのなら、羽搏はばたきたい宇宙そらへ。……あっ、思えばそんなマンダムもいた。いつだったか、僕にしては珍しくネオン公国ものではない連邦政府もののバンプラを制作したことがあった。確かそれ……って、


 フェイス……いや顔を見ると、君の……


「そんなこともあったね。天使のように綺麗なカスタムバージョン。

 梨花りかが一緒だったから、できたんだね。できた時の梨花の顔、最高だったし」


 と、再現の意味を含むのか……

 恍惚とした……そんな顔していたのかな? と思えるような表情。


 せっちゃんがすると、何だか艶っぽくて……何故か接吻へと誘われそうになる。けど抑える。抑圧に抑えるの。そして弄るピンクのポーチの中。……すると、するとね、


 焦りへと、誘われる。


「梨花、どうしたの、泣きそうな顔して?」


「……ないの」


「あんたまさか……」


「多分そのまさか」


 スタンプラリーなだけに、スタンプを貰おうとしたその瞬間のことだ。このイベントに参加する際の必須アイテム。つまりはスタンプを押すための専用の小型ノートを……


 多分、多分だけど、

 ――忘れちゃった。


「ホント間抜けね、どうするの、どうするの?」と、せっちゃんが煽るものだから、


「うるさい、あんたに言われたくない」と、手にするスマホ。かける電話を早々と。



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