第五回 待ち人と、スタンプラリー物語。
――今日この日、令和三年一月九日。三連休の初日をこの場所から。
僕は待つ……待ち人訪れるのを。
ここはお家ではない。現地集合……現地で待ち合わせ。行く所は五か所らしい。いずれもウメチカにある『ドバシカメラ』系列のお店。だからと言って電車を乗り継ぎ、各町を旅するわけではない。……待ち人は、本当は僕と一緒に、そうしたかったらしいけど、今の社会情勢はそれを許さずに、ままならない始末だ。新型ウイルスの猛威により、緊急事態宣言も辞さず……明日か明日からと、右往左往するニュース番組の類。
――だから各々の町、
町内の範囲だけでの『スタンプラリー』となる。僕らは千里の町の範囲内。お店は五か所で……早い者勝ちなのだ。いずれも模型屋。五か所のスタンプが集まった暁には、バンプラ四十周年を記念して特製の……アニバーサリーな『MS81・マンダム』が、先着三十名様に、お年玉プレゼントとして勝ち取ることができるはず……なのだけど、
来ないの。約束のお時間なのに。
それに過ぎゆくの、とめどなくお時間が……
「もう!」をかける四。
「待ち人」イコール「言い出しっぺ」……あれほど僕に釘を刺しといて。その先着三十名の限定版を、あんなに欲しがってたのに。何で僕の方が早く来て待ってるの?
待ち人なだけに、待ち合わせ場所も……多分だけど入念に、わかりやすく説明したはずと思っているのだけど、それも一番目はわかりやすくも、近くに警察署のある場所で。
……って、あっ、あれれ?
「
と、待ち人イコールせっちゃんは、ついに現れる。ファッションセンスは……きっと抜群。一目でわかる派手派手スタイル……でも、何で警官も一緒なの? ということだ。
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