第三回 その時から、紡がれている物語。
――そう、その時から。
手を繋いで行っちゃった、晴れ着のまま。
千佳のBFの名前は、
暫くなかったけれど、
久しぶりに、そんな思いが過った時、
「
「せ、せっちゃん?」
――驚きもビックリ、今ここにいることが不思議な子だ。六年生の……あっ、小学生の頃だけど、同じクラスの子。多分だけど、一番仲のいいお友達だったと思える。
「ど、どうして?」
「どうしてって、遊びに来たんじゃない。……でも、どうしたの? そんなにお洒落なんかしちゃって。晴れ着なんて着ちゃって。見ないうちに何か、女の子って感じだし」
ジロジロ見る、僕のこと……「へえ~へえ~」って声を発しながら。
僕が「せっちゃん」と呼ぶこの子の氏名は、
それでもって僕は、
「感じじゃなく女の子」と、先ずはふくれ面で……だけど「来て大丈夫だったの? 東の都って今、新型ウィルスで大変なんじゃ、どうやって帰るの?」と、訊くことになる。
「帰るって、バスで。……引っ越したの、私。中学生になってすぐ。学校もこの近くなんだよ。市立の
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