吹っ切れた寝取りプレイ♡


「あ〜」


桜橋先輩の誕生日に受けた肉体的ダメージで、次の日に目を覚ましてもまだ痛い。

そして寝起きで文句のメッセージを送ると『体が痛むたびに私を思い出せるわね♡』と、メンヘラみたいなメッセージが返ってきて、小さくため息を吐いて登校の準備をして家を出た。


今日は生徒会選挙の発表の日で、それなりに緊張して昇降口前に張り出された結果を見に行くと、みんなに囲まれて喜ぶ美山を見つけ、俺は自分の負けを確信した。


静かに影を薄くして靴を履き替え、教室に向かう途中、前から心配そうな表情をした桜橋先輩が小走りで向かって来るのが見えた。


「双葉くん、大丈夫?」

「会長になれませんでした」

「屋上に行ってて」

「屋上?」

「私もすぐに行くから」

「分かりました」


なにがなんだかよく分からないまま屋上に行き、桜橋先輩を待っていると、なにかをパンパンに詰めたビニール袋を持って桜橋先輩は屋上にやってきた。


「お待たせ!」

「なに持ってきたんですか?」

「見て!お菓子とジュースと、あとこれ!今年の誕生日、なにも渡せなかったから!」


桜橋先輩は、大量のお菓子とジュース一本、そして俺が好きなキャラクターのフィギュアを袋から取り出した。


「いいんですか⁉︎」

「もちろん!だいぶ時間経っちゃったけど、お誕生日おめでとう!」

「ありがとうございます!」

「へへ♡」


俺には分かる‥‥‥なんで渡すのが今なのか。

桜橋先輩は俺が選挙に負けることを先読みして、分かってたんだと思う。それで少しでも元気付けようとしてくれているんだ。


「桜橋先輩」

「なに?」

「好きです」


ポッと頬を赤くして笑みを浮かべた。

それがまた可愛くて、負けたことがどうでもよくなってしまう。


「私も好きよ」

「俺、会長になれませんでしたけど、でも」

「美山さんを助けたいのよね?」

「さすが、分かってますね」

「毎日、双葉くんのことしか考えてないもの」

「それは嬉しいです。俺は、これからどうしたらいいですか?」

「そうね、前代未聞の賭けに出るしかないわね」

「賭け?」

「これ以上は自分の判断や考えが必要よ。頑張って」


それから俺は、チャイムが鳴る前にプレゼントを教室に置きに行き、一人で屋上に待機して考えた。


それからしばらくしてチャイムが鳴り、体育館では、生徒会長選挙の結果発表が始まった。


「行くか」


体育館入り口に待機し、中の音声を聞いた。

投票総数などが発表され


「この度、生徒会長に選ばれたのは美山杏奈さんです。どうぞステージへ」


美山の名前が呼ばれた。

今だ‼︎


「意義あり‼︎」

「文月くん⁉︎」

「なんだ?負け惜しみか?」

「今更なにしても無理だろ」

「言いたい奴は言っておけ。ただ、今は俺が話す番だ。黙れ」


ビビらずに自分が誰よりも上の人間になったつもりで発言すると、体育館に緊張が走り、全員静かになった。

そのまま俺はステージに上がり、マイクのスイッチを入れた。


「この結果に納得がいかない。応援演説の時、俺はみんなによくない勘違いをされていた。確かに俺のせいもあるかもしれない!でも、あんな状況で行われた演説に、平等性なんてない‼︎」


ここで無謀な一手‥‥‥馬鹿だと思われてもいい。言ってやる‼︎


「生徒会長は俺だ‼︎‼‼︎︎」

「文月!ステージから降りなさい!」

「嫌です‼︎」


先生にも反抗するとか、慣れてなさすぎて脚が震える。


「今すぐ降りないと、力尽くで降ろすぞ!」

「先生?」

「は、はい」


なぜか桜橋先輩が立ち上がった。


「確かにあの日、双葉くんが言うように平等性はありませんでした。双葉くんの主張には多少無理があり、今から選挙のやり直しはいろんなことを踏まえても不可能でしょう。ただ、互いの同意があれば会長が変わることは不可能じゃありません。一度この場は解散して、二人で話し合わせてはどうでしょうか」

「それでもいいが」


よし、今すぐこの場で会長になるのは無理だったけど、桜橋先輩が助け舟を出してくれた。


そして、川崎先生と美山の担任、男性教師の村上先生同席の元、生徒会室で話し合いが行われた。


「文月くん?どういうこと?」

「まぁまぁ、とにかく現時点での気持ちを聞きましょう?美山ちゃんは会長を譲る気はあるの?」

「ありません!」

「それが普通だ。今回みたいなことは前代未聞で、あんなことをした文月が会長になるとかありえません!」

「文月くんを悪く言わないでください」

「み、美山はどっちの味方なんだ」

「とにかく先生達は口を挟まないでください」

「分かったわ」

「分かった」

「文月くん?私は生徒会長になるよ」

「ダメだ!俺達の約束はどうなるんだよ!てか、そもそもなんで会長に立候補したんだ!」

「助けられてばっかりは嫌なの!」

「俺は助けたいんだよ!」

「実際なにする気だったの?」

「生徒会が使っていいお金で、困ってる生徒用の寮を作るつもりだった。学費もタダだ!」

「そんなの‥‥‥無理に決まってるよ」

「生徒会長ならできなくないわね!」

「ですよね!」

「それに反対のクレームは来るかもしれないけど、それをなんとかできる人だから生徒会長なのよ」

「美山、クレームも俺がなんとかする。だから会長を譲ってくれ!」

「私は生徒会長になる!それで、今文月くんが言ってくれたことを実行する!」

「ふぁ?」

「文月くんが考えてくれた救いを受け入れる。でも、その手続きとかは自分でやらせて?」

「本当にやるか?」

「約束する」

「‥‥‥なら、俺が会長じゃなくていいや!」

「え」

「おぉ‥‥‥」


先生は呆れた表情で俺を見るが、目的が達成できるなら問題ない。


「でも、タダはダメ」

「なんでだよ」

「半額にして、その制度は今後何年も続ける!お金持ち学園終了!」

「いいねー!」


先生は青ざめているが、否定はしてこない。


「それじゃ、双葉くんが副会長で、桃ちゃんが会計!鈴穂ちゃんが雑用にしよう!」

「よし!」

「‥‥‥今回の新生徒会はヤバそうね。村上先生、お互い頑張りましょうね」

「クレームの電話に追われることだけは避けたいですね」


思い通りではなかったけど、美山が助かるならそれでいいんだ。


「んじゃ、先生は教室に戻ってください!文月くんは一花先輩呼んで!」

「メッセージ飛ばしてみるわ」

「うん!」


先生達は苦笑いで生徒会室を出て行き、桜橋先輩にメッセージを送ると、急に美山は俺の背後から抱きついてきた。


「ちょ⁉︎」

「離れちゃだーめ♡」

「桜橋先輩来ちゃうって!」 

「いいの♡」

「良くないわ‼︎」


そして、美山に抱きつかれた状況のまま、生徒会室の扉が開いてしまった。


「解決したかしっ‥‥‥浮気者」

「違うんだ‼︎冤罪だ‼︎」

「双葉くんから離れなさい」

「やーだねー!私会長だしー!」

「み、美山!桜橋先輩めっちゃキレてるから!」

「離れちゃだめ!会長命令!今日から毎日、30分はぎゅーする!」

「はぁー⁉︎」

「いい度胸ね。美山さんがなにをしたって私には勝てないわよ。私はすでに、双葉くんとエッチしたことがあるもの」

「嘘‥‥‥でしょ‥‥‥」

「本当よ」

「嘘だわ‼︎‼︎」

「嘘つかないでください!」

「本当だって言ってるじゃない」

「嘘つき先輩はその場でスカート捲ってください!」

「なに言ってんの⁉︎」

「会長の力の使い道、間違ってるわよ?」

「文月くんが見たいって言ってたので!」

「え♡ん、んじゃ仕方ないわね♡」


え?まじ?美山しかいないから見れるなら見たいけど?


桜橋先輩はモジモジしながらスカートをめくり、黒タイツ越しの白パンティーが露わになった。


「双葉くん♡ちゃんと見て♡」

「み、見えますけど!」

「あぁ!文月くん、私に抱きつかれながら前屈みになった!」

「余計なこと言うな!離せ!」


すると美山は「ねぇねぇ♡彼女以外に抱きつかれながらってどんな気持ち♡?」と、寝取りプレイを楽しむよに耳元で囁いた。


「罪悪感の塊だわ‼︎」

「双葉くん?どうしたの?お腹痛い?」

「違います!」

「文月くんは私に抱きつかれて興奮してるんです!」

「ダメよ!私でして!ほら、もっと近くで見て♡」


美山に無理矢理床に座らせられ、桜橋先輩のが目の前にきてしまった。


「ほらほら!目の前でタイツ脱いでください!」

「そうね!」

「美山!吹っ切れたからってマニアックなプレイ楽しむな‼︎」

「楽しい〜♡」

「おーいー‼︎‼︎‼︎」


その日、桜橋先輩の知識の無さを利用した美山は、最終的に桜橋先輩にバレ、真っ赤になるまで両頬を引っ張られた。

そして、桜橋先輩が卒業するまでは、桜橋先輩が生徒会活動に口出しをしてよく、次同じことをしたら、頭からパンツを被って朝会の挨拶をするという鬼畜な契約書を書かされ、俺も、浮気したら大事なところを病院で取ってもらうという、鬼のような契約書を書かされてしまった。

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