王様ゲームでセッ◯◯⁉︎


あの一件以来、俺達は更に仲良くなり、夏休みだというのに生徒会全員で生徒会室に集まって、毎日遊んでいる。


今日は王様ゲームをすることになったが、男は俺一人だし、ただのハーレムゲームだろこれ。


「それじゃ一斉に引くわよ!」

「はい!」


2番か。


「王様だーれだ!」

「はい」

「桃かー」

「桃ちゃんは優しい命令しそう!」

「三番の人は四つん這いでブヒブヒ鳴いてください」

「‥‥‥」


鬼畜‼︎全然優しくない‼︎


「三番誰?」

「そんなこと言ってる杏奈ちゃんじゃないのー?」

「違いますよ!」

「‥‥‥桜橋先輩、すごい青ざめてますけど大丈夫ですか?」

「美山さん交換して!」

「会長なの⁉︎嫌ですよ!」

「伊角さん?交換しないと分かってるわよね!」

「い、嫌です!」

「王様の言うことはぜったーい」


桃って意外と容赦無いな‥‥‥


桜橋先輩は顔を真っ赤にして四つん這いになり、顔を見られないように床を見た。


「ブッ、ブヒブヒ‥‥‥もういいでしょ!」

「会長可愛いです」

「桃、お前歪んでるぞ」

「時空が歪んでる?大変ですね」

「言ってねぇよ!」

「絶対仕返しする‥‥‥」


桜橋先輩、完全に負けず嫌いの悪いところ出てる‥‥‥


「さぁ、引くわよ」

「はーい」


分かりやすぅ〜。桜橋先輩、めっちゃ喜んでるぅ〜。


「王様だーれだ!」

「私よ!岡村さん、何番か教えなさい」

「一番です」

「んじゃ一番の人は」

「待ってください会長」

「なによ」

「番号教えなさいって命令を聞いたので、会長が王様の番は終わりです」


桜橋先輩はバキッと片手で割り箸を折り、紬先輩は桜橋先輩を怒らせないように素早く新しい王様の割り箸を作った。


「さ、さぁ!次ですよ次!」


明らかにイライラしてる桜橋先輩は、ムッとした表情で割り箸を引き、表情的に王様じゃなかったみたいだ。

俺は四番か。


「王様だーれだ!」

「私です!」

「紬先輩ですか⁉︎変なのやめてくださいね⁉︎」

「どうして警戒してるんですかー?そっか、副会長と私はあまり仲良く無いですもんねー?」


嫌だ!この人怖い!


「まぁ、大丈夫ですよ!一番の人は四番の人と1分間ハグ!」

「お、俺四番‥‥‥」

「やった!私一番!」


美山とハグ!キタコレ!とは思えなかった。

ハグする前から桜橋先輩の貧乏揺すりが激しすぎる。


「ぎゅー!」

「あはは‥‥‥」

「す、すみません会長!次こそは!」

「伊角さんには期待してないわ」

「そんな!」


こんなに1分が長く感じることはそう無い。

慌てる紬先輩、怒る桜橋先輩、無言の圧力の桃‥‥‥王様ゲームってもっと楽しものじゃないのかよ‼︎


「もう1分経ったわよ!」

「えー、もう?」

「もうよ!」

「はいはい」

「つ、次で最後にしません?」

「望むところよ」


ラストゲーム、俺は最後まで王様になれずに一番を引いた。


「王様だーれだ!」

「わ、私です!」

「伊角さん、分かってるわよね?」

「は、はい!三番‥‥‥」


紬先輩が三番と言うと、桜橋先輩は自分が三番だと言わんばかりに嬉しそうに頷いた。


「三番と‥‥‥一番が!」


あ、俺と桜橋先輩だ。


「セックス‼︎」

「おい‼︎馬鹿なのか⁉︎」

「私、三番よ!一番は?」

「桃です」 

「‥‥‥」

「そうです。私が一番です」


助かった‼︎桃なら乗ってくれると思ったぜ‼︎


「はーい、セーックス、セーックス」

「会長、失礼します」

「な、なによ!近づかないで!いやぁ〜!」

「俺達はジュースでも買いにいきましょー」

「そうですね」

「行こ行こ〜」


桃と桜橋先輩を残して三人で生徒会室を出た。


「紬先輩、後で桜橋先輩に怒られますね」

「覚悟してます‥‥‥」

「まぁ、俺が一番だったんですけど」 

「はいー⁉︎酷いですよ副会長!」

「あんな命令する紬先輩の方が酷いです。な?美山」

「そうですよ。うんこです」

「う、うん‥‥‥こ‥‥‥」

「あと、先輩なんですから俺と美山にジュース奢ってくださいね」

「分かりましたよ」

「てかさー、夏休みだよー?ずっと学校で遊んでるのもったいなくない?」

「夏祭りは終わっちゃったしなー」

「海行きたーい」

「戻ったら桜橋先輩に言ってみるか」

「そうしよ!」


それから三人同じ炭酸飲料を買って生徒会室に戻ると、ソファーには桜橋先輩の制服と下着が置かれていて、桜橋先輩はソファーの後ろにしゃがんでるのか、頭だけが見えている。


「桃、楽しめたか?」 

「はい」

「楽しく無いわよ!この体は双葉くんだけのものなのに!」

「でも会長、可愛い声出してました」

「美山さん、下着と制服を取って」

「は、はい」


桜橋先輩はソファーの後ろで制服を着て立ち上がると、ジワジワと桃に詰め寄り、桃は青ざめながらゆっくり後ろに下がっていく。


「はっ‥‥‥」

「行き止まりね」

「ぐぁ!うっ‼︎」


桜橋先輩は桃を床に押し倒し、体を固めながら腕で首を絞め始めた。


「うっ!うっ!」

「反省しなさい」

「うっ‥‥‥」

「会長!し、死んじゃう死んじゃう!」

「死になさい」

「ダメだろ‼︎」

「双葉くんが言うなら仕方ないわね。よかったわね、学園二位の美少女さん」

「は‥‥‥い‥‥‥」


桜橋先輩、まだ根に持ってたんだ‥‥‥


「桃、いったいなにしたんだよ」

「揉んで脚開いて丸見ウッ」

「だ、黙りなさい?ねぇ?ダメよ?」

「うっ‥‥‥」


丸見え‥‥‥ね。


「桜橋先輩」

「なに?」

「さっき三人で話してたんですけど、夏休み中に海とか行きません?」

「いいわね!みんなで行きましょう!」

「うっうっ‥‥‥」

「ありがとうございます!あと桃が白目向いちゃってます」

「あら、ごめんなさいね?」

「‥‥‥許さない‥‥‥」

「はい?」

「も、桃?」

「会長は下もピンクで、しかもウッ‥‥‥」

「ダメだからねー?」

「これ、何回繰り返すんだよ。しかもの続きなんだよ、気になるよ」

「き、気にしなくていいわよ!」

「はいはい。んで、いつ行きます?」

「さっそく明日はどう?」

「私はいいよ!」

「私も!」

「俺も大丈夫です」

「岡村さんは?」

「うっ‥‥‥ぬっ‥‥‥」

「大丈夫だって」

「全然大丈夫そうに見えないんですけど‥‥‥」

「せっかくだから泊まりでどう?」

「泊まりたーい!」

「わ、私も会長と一夜を!」

「俺も別に大丈夫です。あと、桃が死にました」

「あら、本当ね」


息はしてるけど、白目を向いてピクリともしなくなってしまった。


「桃〜?」

「‥‥‥」

「幽霊出たぞ〜」

「どこ!」

「あ、起きた」

「幽霊はどこですか?」

「もう消えた」

「残念です」

「明日の話だけれど、交通費も全て生徒会から出すわ」

「さっすが!」 

「で、でも」

「美山さんも遠慮しないで?実はこの桜浜学園の生徒会には、好きに使っていいお金というのがあるの。私は今回で三回も会長をしているけれど、紅茶やアロワナの餌代ぐらいにしか使ってなかったし、一回ぐらい旅行でもしなきゃね」


生徒会が好きに使っていいお金‥‥‥額が気になる‥‥‥


「それなら甘えます!」

「よろしい!」


にしても桜橋先輩、生徒会メンバーの前では素を出すようになったな。よくニコニコするようになった。


「明日はお泊まりに必要な着替えと水着を持って、朝6時30分に駅集合よ!」

「分かりました!」


無料で海‼︎五人で泊まり‼︎なにも起きないわけがない‥‥‥よな。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る