混浴で悪化


11月1日、昇降口横のレンガの壁に生徒会選挙の結果が張り出され、朝から人集りができていた。


あ、桜橋先輩と美山だ。


「おはよう」

「おはよう!」

「結果どうなった?」

「見ての通り私よ」

「おめでとうございます。すごい僅差ですけど」


そう言うと、桜橋先輩は体をビクッとさせて学園内に入っていった。


「あー、悔しい!」

「美山も頑張ってたもんな」

「でも、私生徒会に誘われた!」

「マジ⁉︎」

「会計だって!生徒会会計、美山杏奈!なんかカッコよくない?」

「いいな!でも多分、仕事量ヤバイぞ」

「でも文月くんは副会長なのに大変そうじゃなかったよ?」

「ま、まぁ、全部桜橋先輩がやってたし」


そもそも俺も生徒会入れるんだよな?大丈夫だよな?


「私今から生徒会室に行って銀の紋章貰ってくる!」

「俺も行く」

「んじゃ一緒に行こ!」


美山と生徒会室に行くと、桜橋先輩は生徒会室の窓ガラスを綺麗な雑巾で拭いて、さっそく掃除をしていた。


「銀の紋章ください!」

「そうね」

「お、俺も貰えます?」

「もちろんよ」


よかった〜!これで楽に学園生活を送れる!


「これで私も生徒会!放課後も文月くんと一緒だ!」

「さて、朝のホームルームまで20分あるわね。これが美山さん専用のノートパソコンよ」

「ありがとうございます!」

「15分でこの30枚の書類の文字をパソコンに書き込んでちょうだい」

「ふぇ?」

「会計としてしっかり仕事してもらうわ」

「できるわけないですよ!」

「私はやっていたわよ?」

「な、なら、できたら紬先輩も生徒会に入れてあげてください!」

「何故?」

「桜浜学園の生徒会に入れば、卒業後は出世コースです。紬先輩は言ってたんです、亡くなったお婆ちゃんのお墓に毎年雑草が凄くて、毎年みんなが困るって。親に言っても地面をコンクリートにしてくれないから、自分で稼いだお金で良いお墓にしてあげたいんだって!周りの人のお墓の地面も、望むなら一緒にコンクリートにしてあげたいって!」

「‥‥‥15分よ」

「やります!」

「そっ。急ぎなさい」


なんだよその理由‥‥‥


「美山、俺も手伝うよ」

「ダメよ」

「でも、美山はこんな仕事したことないんですよ?」

「誰かを助けたい強い気持ちがあるなら、自分でなんとかして見せなさい。でも、我慢できなくなったら手を貸してあげなさい」

「分かりました。美山、急げ!」

「うん!」


どう考えても間に合わない。多分、俺が手伝ってもだ。


それからどんどん時間が過ぎていき、美山も指を伸ばしたりして限界そうだ。


「残り5分」

「美山、代われ」

「いい」

「間に合わないぞ?」

「私一人でやる」

「そうか‥‥‥」


そしてタイムリミットがきてしまった。


「時間よ」

「あぁ‥‥‥ダメだった」

「伊角さんを呼んできなさい」

「え?」

「美山さんは双葉くんの助けを断って、最後まで諦めなかった。中途半端な優しさで私にお願いしたんじゃないということがよく分かったわ」

「んじゃ‥‥‥」

「後五分でチャイムが鳴るわよ?今呼んでこれなかったらこの話は無し」

「い、行ってきます!」


美山が生徒会室を飛び出して行くと、桜橋先輩は優しい笑みを浮かべた。


「美山がお願いした時から、答えは決まってたんですよね」

「どうかしらね」

「やっぱり優しいですね」

「‥‥‥さて、今日の放課後はフィギュアを買いに行きましょう!」

「マジ⁉︎」

「約束だもの!その帰りに一緒に私の家に行って混浴ね!」

「昨日、推しのキャラが主人公と結婚したので今日は帰ります」

「理由が意味わからないわよ!一緒に入らないならフィギュア買ってあげないもん!」

「えぇー‼︎」

「せっかく泡風呂にする粉注文したのに‥‥‥」

「ほ、放課後まで考えさせてください!」

「分かったわ!‥‥‥分かったわ」


二人きりの時の明るい桜橋先輩は、美山と紬先輩が生徒会室に入ってきた瞬間真顔になり、すぐに冷たい声で『分かったわ』を言い直した。


「連れてきました!」

「伊角さん」

「な、なんですか?」

「新品は発注しないと無いからお古だけど、この銀の紋章を付けなさい」

「え?」

「朝と放課後の掃除。私の身の回りの手伝い。雑用として伊角さんを生徒会に迎え入れるわ」

「‥‥‥よろしくお願いします!会長!」


なんか喧嘩してたけど、会長になった桜橋先輩には敬語なのか。やっぱり会長に逆らうリスクは同い年でも関係ないんだな。


「まず、双葉くんに謝りなさい」

「そうですよ!文月くんに謝ってください!」

「えぇ⁉︎杏奈ちゃんまで⁉︎」

「そうですよ。土下座してください」

「副会長⁉︎」


おぉー!先輩に副会長って呼ばれるの気持ちいい〜‼︎


「ご、ごめんなさい」

「土下座しないでください!俺が悪者みたいになりますから!」

「土下座しろって言ったじゃないですか!」

「敬語もキモいんでやめてください」

「えぇ‥‥‥」

「伊角さん、部活は?」

「美術部です」

「毎日は生徒会に顔出せなそうね」

「でもできるだけ顔出します!」

「分かったわ。三人ともこれにサインしなさい。正式に生徒会のメンバーになるための書類よ」


三人で横並びになってサインを書き、朝のホームルームに遅れないように各自教室へ向かった。


美山と紬先輩が生徒会に入ったってことは、可愛いモードの桜橋先輩があまり見れなくなるのかな?冷たい目してる時より好きなんだけどな。


それから授業を適当に受けて放課後になると、生徒会室では美山と紬先輩が楽しそうにアロワナに餌をあげていて、数分後に桜橋先輩がやってきた。


「お疲れ様です会長!」

「お疲れ様。レモンティーを入れてくれるかしら」

「はい!」

「美山さんは朝の続きをしてちょうだい」

「分かりましたー」

「俺はなにしたらいいですか?」

「ゆっくりしてていわよ」

「は、はーい」


俺だけ何もしないの、逆に気まずいよ。


「紬先輩、私もレモンティー飲みたいです」

「会長の次に作るね!」

「はーい!」

「副会長はどうします?」

「冷たいものあります?」

「自販機でいいなら、なにか買ってきますよ?」

「んじゃ、炭酸水お願いします」

「分かりました!」


副会長って最高だな‼︎


「会長、レモンティーです!」

「ありがとう」


桜橋先輩はレモンティーを受け取り、紬先輩に千円を渡した。


「双葉くんの炭酸水を買いに行く時、伊角さんの飲み物も買いなさい」 

「いいんですか?」

「もちろん」

「ありがとうございます!」


ただこき使うだけじゃないところ、優しさ出ちゃってるなー。


美山にもレモンティーを作り、紬先輩は飲み物を買いに向かった。


「レモンティーを飲み終わったら、私と双葉くんは行く場所があるから、美山さんも仕事が終わったら帰りなさい」

「え、私も行きます!」

「仕事はちゃんとやりなさい」

「二人でどこか行くとか許せないんですけど」


美山は立ち上がって優雅にレモンティーを飲む桜橋先輩の目の前に立つと、桜橋先輩は静かにティーカップを置き、威圧するように目を見開いた。


「し、仕事します」


一緒に暮らしてても怖い部分は怖いのか。桜橋先輩って社長とかになったらパワハラだって訴えられそう。


「にしても美山さん」

「はい?」

「タイピングが早いわよね」

「そうですか?」

「美山さんが生徒会に入ってくれてよかったわ」

「嬉しいです!」

「桜橋先輩、厳しくして急に優しくなるとかDV男みたいですね」

「私は女よ?」

「んじゃDV女」

「飴と鞭って言葉を知らないの?このアホ」

「は?」

「アホ」

「お前だけには言われたくないわ‼︎」

「文月くんに向かってアホとかどういうつもり?」

「美山さんは手を動かしなさい」

「は、はい」


桜橋先輩が反抗することを覚えてしまった!うぜー‼︎美山は使えないし!


「でも会長、洗顔フォームと間違えて歯磨き粉で顔洗って、スースーしすぎて泣いてましたよね」

「え、マジ?」


桜橋先輩は真っ赤な顔で美山に近づき、勢いよく美山をソファーに押し倒した。


「言わない約束だったわよね?」

「ごめんなさーい」


美山もビビってるくせにやりやがる!


「謝って済む問題じゃないわ!」

「しーかーもー」

「次は何を言う気よ!」

「人の家のトイレが怖くて、夜中にわざわざ私を起こしましたよねー」

「美山さん。貴方だって夜中にモゾモゾして」

「言わないでー‼︎‼︎‼︎」

「なによ‼︎仕返しよ‼︎」

「モゾモゾしてなに⁉︎」

「文月くんも聞こうとしないで‼︎ん〜‼︎」

「ん〜‼︎」


二人は取っ組み合いになり、そのタイミングで紬先輩が戻ってきてしまった。


「副会長⁉︎これはどういう状況ですか⁉︎」

「喧嘩するほど仲がいいってやつです。ほっときましょう」

「は、はぁ。炭酸水買ってきました」

「ありがとうございます」


二人はしばらくプロレスみたいに暴れ回り、ついに疲れて、引き分けで喧嘩は終わった。


「双葉くん、行くわよ」

「はーい」

「二人とも、帰る時は鍵をしめてね」

「は、はい」


桜橋先輩の綺麗な黒髪はボサボサになってしまい、廊下を歩きながらクシで髪を整え始めた。


「欲しいフィギュアとかあるの?」

「千円ぐらいしちゃいますけど」

「100個でいいかしら」

「一個でいいです」

「そっ」


金持ちボケにもすっかり慣れた。


それからリサイクルショップに向かう途中、美山がこっそり付いて来ているのに気づいた。仕事を放棄した美山を連れ戻そうと慌てている紬先輩もいる。

桜橋先輩は気付いてないみたいだけど。


「久しぶりにリサイクルショップに来たわ」

「普段、絶対来なそうですもんね」

「そうね。美山さんと伊角さんにもなにか買ってあげようかしら」

「へー、そんなことする人でしたっけ」

「新しい仲間だもの」

「きっと喜びますよ」

「そうだわ!日曜日、生徒会のみんなで遊びに行きましょうよ!」

「どこ行くんですか?」

「水族館に行ってみたいわ!」

「いいっすね!生徒会の活動費で!」

「それくらい私が出すわよ」

「ありがとうございます!」

「プレゼントも水族館で買うわ。とにかく欲しいフィギュア買って、早くお風呂入りましょ?」

「え」

「フィギュアを買うってことはそういうことよね?さぁ、早く選んで!」


腹括るしかない!最悪下着つけて入ればいいし!


「んじゃこれで」

「お会計してくるわね!」

「ありがとうございます」


結局、千円払わせるのが申し訳なくなって箱無しの500円フィギュアを選んだ。

美山はまだ遠くから見張ってるし、紬先輩はまだ慌ててるし‥‥‥


会計を済ませた桜橋先輩にフィギュアを受け取ってリサイクルショップを出てもまだ付いてくる。

そして桜橋先輩の家に着いてしまった。


「すぐにお風呂沸かすわね!」

「は、はーい‥‥‥」


桜橋先輩の家に入った瞬間から、美山からの電話が鳴り止まず、めんどくさいことになりそうで無視していると、桜橋先輩の携帯にも美山から着信がきたが、桜橋先輩も電話を無視した。


「あ、あれですよね、泡風呂なら体見えませんし、問題ないですよね」

「そもそも私はタオル巻くわよ?」

「そうなの⁉︎」

「だ、だって恥ずかしいじゃない!」

「俺もタオル巻いていいですよね?」

「まぁ、今回だけは‥‥‥」


次もあるってことですか⁉︎


「あ、泡風呂にしてくるわね」

「はい」


ドキドキしているうちにお風呂が沸き、脱衣所に移動した。


「タオル巻くから、少し後ろ向いててくれるかしら」

「は、はい!」


制服を脱ぐ音だけで俺には刺激が強すぎる‼︎


「私が先に湯船に浸かっていいかしら」

「ど、どうぞ!」


桜橋先輩が湯船に浸かる音が聞こえる‥‥‥


「双葉くんもタオルを巻いたら入ってきて」

「はぁい!」


緊張しすぎて声が裏返ってしまったが、桜橋先輩も緊張してるのか、特に声が裏返ったことには触れてこない。


服を脱いでタオルを巻き、お風呂の扉を開くと、タオルを巻いたせいで谷間が強調された桜橋先輩が泡風呂に浸かり、微かに頬を赤くして俯いていた。


「は、早く入りましょ?」

「本当にただ入るだけですからね?」


無言で頷くのを確認して湯船に浸かると、お湯が溢れて泡が全て流れてしまった。


「あ、あはははは‥‥‥」

「丸見えになっちゃったわね」

「タオル巻いてるので大丈夫ですよ」

「どう?私と一緒に入って、愛を感じる?」

「緊張でよく分かりません」

「私は感じるわ。さっきから心臓がドクドク動いてるのが分かるもの」

「そ、そうですか」

「やっぱり、タオル外したほうがいいのかしら」

「なんで⁉︎」

「双葉くんが喜ぶことを沢山したいの‥‥‥フィギュア買ってあげる時の嬉しそうな顔を見るとドキドキして、私も嬉しくなるのよ」

「でも、脱ぐのはダメです!」


その瞬間、桜橋先輩は俺に抱きつく勢いでタオルが取れ、そのまま俺と密着した。


「ちょちょちょっ!ちょっと⁉︎」

「どうしてこんなに胸が締め付けられるの?」

「なにがです⁉︎」

「はぁ、はぁ」


桜橋先輩の吐息がエロすぎてどうにかなっちまいそうなんだけど⁉︎⁉︎⁉︎⁉︎


「このまま‥‥‥愛を教えて‥‥‥」

「えっ‥‥‥」

「双葉くんになら全部見せるから、愛を教えて」

「‥‥‥どうしたらいいか分からないです」

「二人で恥ずかしいところを触り合いっこするの。そして繋がるのよ」

「それは付き合わないとダメですって」

「どうしてまだ返事をくれないの?それとも、美山さんには返事をしたの?」

「してないですよ⁉︎ちゃんと考えてるだけです」

「双葉くんに選ばれたい。誰にも渡したくないわ」

「‥‥‥」

「双葉くんは、好きって感情と、人と話したり遊ぶのは楽しいってことを教えてくれた。私は双葉くんになにを教えられるかしら」

「胸の柔らかさとか」

「ずっと当たってるけど、柔らかい?」

「か、かなり」

「双葉くんならいつでも触っていいのよ?」

「‥‥‥」

「すごいわ。密着してると、唾液を飲む音も聞こえる」


こうしていると、このまま付き合っちゃおうかなとか思うけど、興奮状態の勢いみたいな気がして一歩を踏み出せない。


「桜橋先輩」

「なに?」

「愛がなんなのか、俺もよく分かってないことの方が多いです。でも、ちゃんと教えますから」

「できるだけ、痛みのないようにして?」

「いや、変なことしないんで」

「今から入れてくれるんでしょ?」

「はい⁉︎」

「私、頑張る」

「違う違う‼︎」

「さぁ!入れて!」

「待って‼︎」

「そうだわ!私が上に座ってすれば!」

「助けて〜‼︎‼︎‼︎」


その瞬間、ドンッ!と大きな音がして、美山がお風呂の扉を開けた。


「離れて」

「待て!今離れたら見えちゃうから!」

「文月くん、目を閉じて」

「はい!」


バシャバシャとお湯が揺れ、桜橋先輩が俺から離れると、パンッ!と鈍い音がして思わず目を開けた。


湯船から出てタオル巻いている桜橋先輩は俯いていて、美山も無言だ。


「ど、どうした?」

「今日から私の家には来ないで」

「分かったわ。今日までありがとう」

「双葉くんも服着てこの家を出て」

「は、はい」


一体何が起きたんだ?


お風呂に桜橋先輩を残して美山と一緒に桜橋先輩の家を出ると、美山は辛そうに俺を見つめた。


「すぐ助けられなくてごめんね?」

「い、いや」


すると美山は俺の胸に抱きつき、涙を流した。


「取られたくないよ‥‥‥」

「‥‥‥」


俺が返事を先延ばしにしているせいで、状況が悪化してしまった。


それから紬先輩も駆けつけ、泣いてる美山を励まして、今日は解散となった。


その日の夜、桜橋先輩が心配になって家へ行ってみると、玄関は開きっぱなしで桜橋先輩の靴が無くなっていた。


「電話してみるか」


電話をかけるとすぐに出てくれた。


「はい」

「今どこにいますか?」

「駅よ」

「こんな時間にどこか行くんですか?」

「あの男が家に入ってきたのよ。私は逃げるわ」

「今すぐ行くので、そこを動かないでください」


電話を切り、自転車で駅に急いだ。

桜橋先輩は駅の外のベンチに座って空を眺めていた。


「桜橋先輩!」

「どうして来てくれたの?」

「心配だからですよ!」

「来なくてよかったのに」

「はい⁉︎」

「やっぱり私は間違ってたわ。美山さんにぶたれた時、やっぱり自分がしてること、望んだものは愛じゃないんだって実感しちゃったのよ」


あの時、ビンタされてたのか。


「これから私は遠くに逃げる。生徒会をよろしくね」

「んじゃ俺も行きます」

「お金出さないわよ」

「三千円あります!」

「なら、四千円使わないといけない場所へ行くわ」

「どうして避けるんですか?」

「‥‥‥これ以上迷惑かけたくないからよ!好きな人に嫌われたくない!間違いを重ねたくないの!私は追われているし、離れるならいいタイミングなのよ!」


桜橋先輩が立ち上がり、大きな声を出すと


「居た!」

「やばっ!」


スーツ姿の男に見つかり、自転車を乗り捨てて桜橋先輩の腕を引っ張り、タイミングよくやってきた電車に乗り込んだ。


「なにをしているの⁉︎」

「一緒に逃げましょう」

「切符買ってないわよ?」

「降りた時にちゃんと払いましょう」

「双葉くんを巻き込みたくなかったのに」

「よく聞いてくださいね」

「う、うん」

「誰かを守りたい、こういうのが愛っていうんです」

「‥‥‥」

「俺はきっと桜橋先輩のこと、えっと、あれなんです。でも美山のこともです。だから今すぐは選べません。どっちと居ても楽しいですから。だから、いつかしっかり仲直りしてくださいね」

「‥‥‥分かったわ」

「今は遠くに逃げましょう。それでまた戻ったら、ちゃんと三人で話し合いましょう。その時は俺も逃げませんから」

「‥‥‥」


それから俺達は、11月の肌も冷える中、来たことのない駅で降り、初めて来た公園で一夜を共にした。

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