418・Rize
弾丸より何倍も速く飛んで来る無数の瓦礫。
身を屈めて躱すのも面倒だったし、欠伸混じりに『
「クッ……あの狂人め! 使う時は予め伝えろと、あれほど……!!」
咄嗟に伏せて爆風と衝撃を凌いだ『餓鬼道』が悪態を吐く。
馬鹿ね。月彦は気が向いた時しか人の言うことなんて聞かないわよ。
…………。
てか。
「やっぱり無傷」
粉塵とも水蒸気ともつかない灰煙の奥。
塞がれたも同然な視覚の代わりに、霊覚と空間識覚で、未だ健在を保ってる薄気味悪い赤子を捕捉。
「そりゃそうよね。当たってないんだから」
「みてーだな」
かつん、と甲高い音色。
赤く熱された籠手の中身を殆ど炭化させた月彦が、私の隣まで退いた足音。
「……それ、動かせるの?」
「ああ。溜めの時に『鉄血』を発動しなかったもんで神経も腱も焼け千切れたが、どっちもアラクネの糸で代用出来てる。問題ねぇ」
大有りよバカ。
なんで『鉄血』使わないのよ激バカ。
さっさと治しなさいよ超絶バカ。
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