337・閑話12
ガミガミガミガミ煩いなぁ。
よくこんなに色々喋れるなぁ。
舌、噛まないのかなぁ。
〔全く本当に、何を考えてるんだ君は!〕
「…………特に何も……考えてない、わ。強いて言うなら……夕飯の献立、かしら」
〔だろうね知ってた! そもそも少しでも思慮が働いていたなら、そんな身体で戦闘など絶対に避けるだろうよ!〕
知ってたなら聞かなきゃいいのに。
お腹空いた。
さっきの男を斬り刻み損ねてつまらない。
キョウに膝枕して欲しい。
お腹空いた。
灰銀の奴、わたしのキョウに手を出したら子宮を抉り取ってやる。
〔――兎に角! 藤堂月彦は次の受取人! 殺すどころか最優先の保護対象だ! 先日ちゃんと伝えただろう!?〕
「…………記憶に無い、わ……いつの、話」
〔一昨日の十四時! 二十八分三十三秒から三十七分五十二秒! なんなら地球が何べん回ったかも小数点以下八桁まで教えようか!?〕
細かい奴って嫌い。
〔まあオレとて、どーせキミが話なんかロクすっぽ聞いてないことくらい分かってたさ! かれこれ数十年の長い付き合いだものなぁ!〕
分かってたなら言わなきゃいいのに。
あ、枝毛。キョウが仕事で家を空けてる間、自分で髪の手入れすると、いつもこう。
〔ったく……近い内、藤堂月彦とは改めて接触を図る予定だ〕
「…………その時は……斬っても、いいの?」
〔どの時も斬っちゃダメなの〕
つまらない。
〔第一キミは連れて行かない。連れて行けば確実に殺し合いになると予知に出ている〕
「…………殺し合いには……ならない、わ。私が、一方的に……殺す、だけ……」
〔クハハハハッ……そういう問題じゃないんだよ、お馬鹿!〕
馬鹿って言われた。
どうして馬鹿なんだろう。
〔行くのは説明役でオレ、あとは制圧担当で
どうして馬鹿なんだろう。
〔顔合わせの最適なタイミングは、藤堂月彦と例の特異点が相互認識を迎えた数時間後〕
ところで刀どこに置いたっけ。
ま、いっか。ほっといても勝手に戻って来るし。
〔毎度のことだが失敗は許されんぞ。此度の一件には――〕
〔――フェリパに続く未来予知能力者の趨勢が、懸かっているのだからな〕
肉うどん食べたい。ブルーベリージャムたっぷりの。
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