19
いや乱世乱世。人間万事塞翁が馬。
確かにギフトボックスは何でも出て来るという触れ込みの宝箱。
が、まさか爆発そのものが飛び出すとは。
「『鉄血』が間に合わなかったら今頃、黒焦げになってたな」
「『
硬化と併せて咄嗟に伏せたが、見事に服はボロボロ。
まあ原形残ってるだけ大したもんか。きっと攻防力付与オイルのお陰だ。
「最早笑うしかねぇな。はっはっは」
「笑えないから。爆発オチなんてサイテー」
突発的アトラクションにツボった俺とは対照的、おかんむりなリゼ。
お前の『
第一、先の爆発の影響は悪いことばかりでもない。
階層の一部が吹っ飛んで歩きやすくなったし、ついでに魔石もドロップ品も掴み取り自由のゲリライベント開催中だ。
未開封ギフトボックスの補填分くらいにはなるだろ、きっと。
「……あー無理。体力切れで『
それ言ったら俺も頭クラクラする。
レバー食べたい。血の滴るようなやつ。
現在時刻は日付が変わる五分前。
二度目のダンジョンアタック、無事終了。
更衣室で着替えに袖を通し、受付にて帰還申告。
アタック開始の際に伝えた予定滞在期間はなるべく守るべし。救出隊派遣されるのは流石にもう勘弁。
「はー肩こった。変なアクシデントは気疲れするわね」
「その分キッチリ儲かって良かったじゃねぇか」
今回の上がりは、俺の取り分が一階層から十二階層までの進撃中に倒したクリーチャーの魔石……なのだが、あの爆発で全部オシャカ。よってゼロ。
「……総取りは気が引けるんだけど」
「極めて順当な配分だ。よって異議申し立ては却下させて貰う」
何せ十三階層の持ってけ泥棒キャンペーンは元を正せばリゼが手に入れたギフトボックスによるものなので、当然戦利品は全て彼女に所有権がある。
かなり多くドロップ品が出たため、総額は六十万ちょっと。甲府迷宮に於けるメインの稼ぎ場であるところの二十番台階層は十番台階層と比べて構造が急激に複雑化するらしいため、本来なら日帰りでこの額を弾き出すのは相当難しいとか。
「アンタって変なとこで真面目ね」
「
ダンジョンでは常に気分良く過ごしたいからな。
念願のスロットを手に入れた今、ぶっちゃけ金に関心湧かないし。寧ろ要らん。
あ。けど装備欲しいわ装備。
やっぱオーダーメイドだよな理想は。頭金だけで幾らかかるんだろ。
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