「睡蓮の軌道」

午前三時浅い睡眠の谷間で観た景色は

楽園のような蓮池の午後だよ

貴婦人が橋を渡り想いに耽るスナップショット


彼女に駆け寄り白い手を握ると

その顔はほころんでそれで僕も笑った

でも面識はひとつも無かった


睡眠は感情の深淵の反射

要求する進路には進行しない不満



午前四時深い睡眠の頂上で観た景色は

宇宙のような闇夜の午前だよ

衛星が軌道を描いて降り注ぐアニメーション


惑星ごと消えてなくなりそうな混乱

感情も乱さず黙って空を扇いだよ

そのうち僕ら大きな波に乗った


睡眠は感情の深淵の反射

要求する進路には進行しない不満

存在は現在の状況の描写

理想とする地点から乖離した方角



流れ星降って僕は目を覚ましたんだ

池の水抜けて彼女ここから去ったのさ


流れ星降って僕ら目を覚ましたんだ

池の水抜けて彼女僕から去ったのさ

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る