第13話 女「女戦士の戦法」
女(1)
女は宝石
磨いて輝くもの
日ごろのケアも怠らない
常に最高であるべき
そして―― 「私」というブランドで勝ちぬく!
幼いころからモテていて彼女は気に入った男子とはすぐに仲良くなる。お年頃になると隣には彼氏という存在が常にいて、意中の男子は必ず落とすと噂される。そんな篠宮は肉食系女子とやらのカテゴリーに属するだろう。
恋愛に積極的で強気な篠宮は、見る人によっては嫌悪を示すかもしれない。ところが彼女はなかなか根性がある。「女は宝石」という信条をもち、絶え間ない努力をしてきている。それゆえ篠宮は今の自分に誇りをもっている。
(私がモテるのも努力の結果。
エステで体を磨き、定期的に美容室へ通って髪も美しく仕上げる。
顔はもちろん、指先から足先まで全身をケアして美を保つ。
体形を整えるためならダイエットはするし適度にジムへも行くわ。
お金と時間、そして手間をかけてこの私がいる。
これこそが「私」という宝石――)
食べたいのを我慢し、どんなに疲れていても全身のケアを怠らない篠宮の強い意思と努力にはすばらしいものがある。だが残念なことに彼女には評価を落とす「こだわり」があった。
篠宮がもつ「こだわり」とは何か。
こだわりと言えば聞こえがいいが、言い換えると彼女は性格が悪い。
篠宮の中では周りにいる人たちはアクセサリーと位置づけられ、友人や付き合う人はいかに自分にメリットがあるかを重視して選んでいる。
(私には価値があるわ。
見合ったものが返ってくるのは当然のことでしょう)
篠宮本人が言葉に出さなくとも付き合えば本性は見えてくるものだ。大学の女友達は、うわべでは仲良さげにしていても心の内では篠宮をよく思っていなかった。色恋に関しては彼女とバッティングすることを避けた。
私の
――なぜなら、私の美貌と並んで羨望の
私の彼氏は金持ちでなければならない。
――なぜなら、私が欲しがる物を買い、おいしい食事をし、みながうらやむような旅行をしないといけないから。
私の彼氏はセックスがうまくないといけない。
――なぜなら、私を満足させないといけないから。
(私にはその価値がある)
篠宮は彼氏となる者への要求度が高い。しかも当然のことととらえている。
篠宮の女友達は彼女が自己中心的で、恋愛に対して積極的であることを知っている。狙いを定めるとすぐに行動に移すので、自分が好きになっている男子が、彼女の目にとまらないかとヒヤヒヤしながら大学生活を送っている。
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