第39話永遠に不滅のあなたへ
そんな、、俺達のやってきたことは間違っていたのか。
いや、何が間違いなのかなんて考え始めたらキリがない。
住凪社長。
タケルはそれで騙せても私はダメですよ。
生き物は生まれたら死ぬもんです。
たとえ、覆せたとしてもやっちゃダメなんですよ。
生き物の魂がどこいってるか知ってます?
精霊となって私達の暮らしを支えてくれているんです。
霊界なんてものは実はなくて、私達の体から抜けた魂は精霊となり空気中に潜んで皆の吸う酸素をキレイにしてくれてるんです。
水も火も風もね。
社長はこのこと、植物系のマシンメトリィ制作してるんだから知ってますよね?
これはずっと昔からの伝説として世界に残ってるんですよ。
それでも怖いですよね?
それと怖いのは別なんですから。
確認の取れた話でもありませんし。
「それならお姉さんは私は生まれてこなくて良かったっていうの?」
初音さんが初めて喋った。
あなたは生まれてこれなかったんじゃない。生まれて来なかったんだよ。
自分で選んだんだよね?
みよは初音さんを置いて続けた。
加えて永遠に不滅のものになってしまうことの恐ろしさ。
永遠に不滅だから苦しむこともまた増える。
死ぬことは決して間違いじゃない。
少なくとも私とタケルはこう考えています。
「でも、ごめんネ」
もうできちゃった。
姉さんはそう言って初めて椅子を立ち、振り向いた。
「ホントはこんなことしない方がいいと思うんだ」
けど、私どうしても
「初音お姉ちゃんに会いたかったから」
「姉さん。初音さんはもう精霊になることが決まってたんだよ。だから生まれて来なかったんだ。来れなかったんじゃなくて」
幽霊と精霊は違う。
幽霊は未練を残して亡くなった生き物。
精霊は役目を終えて亡くなった生き物なんだ。
世界中の文献を紐解いて知った内容の中にそういった記述が残されていた。
だが、それは生者の視点。
だからその初音さんはたぶん違う。
姉さんの作ったプログラム、、もしくは初音さんの欠片なのか?
とにかく
「神様はまだ姉さんを見捨ててなんかないよ」
「タケルのクセに言うじゃん」
ニカッと笑った姉さんは魅力的で、
ッ
「こら、彼女の前でシッポ振るな」
みよに目覚ましのキスを貰った。
「ちょっと目を離すとすぐこうなんだから」
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