第22話医療用マシンメトリィのお仕事
医療用マシンメトリィの仕事は多岐に渡る。
まず受付でスキャンを受けた人が各部屋に回されるワケだが、そこで話を聞きながら再スキャン。
2度目のこれは専門医マシンメトリィによるスキャンなので、さらに深いものとなる。
専門医にしかわからない症状をカルテファイルにまとめ、専門医マシンメトリィ同士で共有、ことによってはそれを世界に回す。
流石にこの同意書は必要になってくる。
対人間の扱いをマシンメトリィが普通に行う世の中になってから、変わったことがいくつかある。
偏見やハラスメントが少なくなったこと。
そもそもマシンメトリィは人を分けることを非効率と感じるようにできていて、特に元となった人の心の動きなどは手に取るようにわかるため、その相談などもそれとなく行っていた。
こうした働きが世界中に広がった要因であると天音博士は見ていた。
「この調子で世界中平和になってくれたらいいのになぁ」
_マジで言ってるからなこの人。
「そう思わないタケル」
やめてくれ事務室内は。
_男子はわかるがなぜに女子まで!?
最近は女子のファンも多く、隠れファンも含めるとほぼ全人類いるんじゃないかというくらいいる、らしい。
_誇らしいやら恥ずかしいやらで複雑だった。
ところで言い忘れていた。
俺とみよは姉さんの口聞きというか、創設者なんだから口聞きも何もないんだけど同じところで働いている。
政府直轄ということもあり、全国配置までは驚くほど早かった。
「忙しくなるぞ!」
いえーいと一人だけテンションの高い天音さんに焚きつけられる人間とマシンメトリィはその数をどんどん増やし全国各地の支店を任されていった。
しかしだ。
「なんで全国なんですか?」
女子社員が聞くと
「私がやりたいから!」
とか宣う。
「でもそれだと世界には「問題ない!」
姉さんが言うにはきっかけは与えた。
世界よ私をパクれ!
著作権なんぞくれてやる!
_えっとこれって著作権であってる?
_マシンメトリィの設計図の場合はそうなんじゃないかな?
_マシンメトリィの製品の関係上肖像権なんじゃ、、
そばでヒソヒソしだした社員。
天音さんの爆弾発言には皆慣れたもんだった。
_それが魅力みたいなもんだしな。
俺は取り憑かれたまま仕事に戻る。
レポートの提出がまだだった。
テーマは生命の出自。
_知るか!
重い上にワケわからん。
「どこわからんの?」
酔ってるように見えて実はいつも通り。
腹立つくらいいい匂いだし。
「アタシだってそれくらいは、、」
目を反らすみよに俺は
「知ってる」
聞こえないように言ったつもりだった。
ちゅ
「ありがと」
頬にキスをして俯くみよはいつになく彼女らしかった。
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