第11話 特訓
さて、今日から特訓をしないとね。
いきなり神々とバトルなんて、死ぬ未来しか見えない。伊達ではないが、神代戦争の記憶がある。倒すべき神は全て、ラノベでは物語が進んで最後にでてくるラスボスクラスだ。天が割れ、地が裂ける戦いは比喩ではない。
たぶん、ひとつひとつの動きは音速を超え、天地の雷鳴は最上級の攻撃殲滅魔法に匹敵する。
短期間で、そのレベルまで身体と霊力を上げて、梵字変換(神語モード)を使いこなせるようにならなければならない。
とりあえず、今どの程度の動きができるか、やってみないことには始まらない。
セーラ服(アーマーモード)のジャンヌと陰陽師モードの俺とで、半復横跳び、1500m走、重量挙げ(車上げ)、垂直飛びをやってみた。
大体、普通の男性のジェンヌで20~30倍、俺が大体10~20倍ぐらいの感じです。
ジェンヌが飛んだり跳ねたりするだけで、大地が抉れて、大変なことになっている。
ジェンヌには、この後。身体能力を上げるスキルとして身体強化、限界突破があるらしい。
俺も梵字変換(神語モード)でそのスキルは使う予定だし、さらに、その上もイメージだけは出来ている。
二人で戦闘訓練をすると、教団施設が崩壊する。どうしようかなぁって。
実は、ちょっと考えていることがある。今の能力を引き上げていくと、ちょっと走るだけで、周りを巻き込んで災害を引き起こすことは、十分予測できていたんだ、
だから、人のいない場所を探していたんだが、短期間(5日間)で戦闘力が10倍以上(スカウター比)になって、なおかつ覚醒した人がいたことを思い出した。そうです。あの国民的ヒーローの重力室での特訓です。
深海に行けば周りに迷惑が掛からない。それに水圧が加わる。100m潜れば、10気圧、 1000mなら100気圧。軽くドラム缶がベコベコになる水圧だ。この水圧に、梵字変換で重力操作を使って加重すれば、どれほどの特訓効果が生まれるか。
「オラ、ワクワクして来たぞ」
さっそく、ジェンヌに深海にいくことを提案する。
「水着に着替えて海に行くぞ」
「どうして、海にいくのですか。また、デートですか? イベントですね」
「そうじゃないよ。もっと強くなれるよう特訓するんだ。」
ジェンヌに特訓の仕方をレクチャーした。
まず呼吸についてなんだが、これは、「物質転移」を使って、大気中の空気を肺に転移し、肺から、二酸化炭素を転移する。これを一定の時間で交互に行うように呪符に込める。特訓だから圧縮ボンベは使わない。特訓の意味がないからね。
食事も同様に一日3回胃の中に、流動食を「物質転移」して、体内から老廃物を「転移」する。ずっと発動していても、この程度の霊力消費だと、空間収納と同じで特に問題はない。
これらの「物質転移」は、すでに梵字変換で発動している。
5日間ずっと深海で過ごすつもりだからね。
ジェンヌにその他の心構えを伝え、俺とジェンヌは水着に着替えた。
昨日買った水着は、紺色のダイビングスーツ型の競泳用水着だったのだ。
スタイルの良さは抜群だが、露出部分が少なく、特に描写は必要と感じていない。
まずは、人としての記録300mの深海に重力10Gから行ってみるか。
ジェンヌと手を繋ごうとして、腕を組まれた。別の意味でワクワクしましたが、梵字変換を起動する。
「 転移!!」「 重力操作!! 」
対象は俺とジェンヌです。
目的の場所につきました。
「グァアアーーーーッ!!」
いきなりです。肺といい、心臓といい、全内蔵が押しつぶされ口から息が漏れた。
さらに10Gにより体重は十倍になり、支える筋肉や骨格が悲鳴をあげています。
ジェンヌも悲鳴をあげていました。
ただし、これらのダメージは想定内だ。
全身の細胞を意識して、死滅した細胞を他の細胞が分裂・再生してカバーするのを頭の中でイメージする。するとハッキリと細胞の死滅と分裂・再生がお互いしのぎあっているが、圧倒的に死滅する細胞が多いいのがわかるようになる。
どんどん分裂・再生が優勢になっていく様子をイメージし、全身の細胞に「打ち勝つ」指令をだす。
イメージの中でやっと均衡させることができた。するとからだが少し楽になった。
ジェンヌには、出発する前、人間の体には約60兆の細胞があり、常に死滅し、分裂・再生していて、これが自然治癒能力や筋肉の超回復の正体であることを教えていた。
いままで、なかった知識だと思うが、身体能力から言って、意識さえできれば、細胞の生死さえ自分でコントロールできると教えておいた。
腕をとっている手に俺の手を重ね、「思い出せ」と念じてみた。真っ暗なため、アイコンタクトはできなかったが、十分に伝わったようで、気配は落ち着いてきています。
この負荷の中で、腹筋、腕立て、スクワット、そして、突きや蹴り、組手をした。
最初は、まともにできるわけがありません。しかし、少しずつ体が動かせるようになり、ジェンヌの動きも気配がつかめるようになっていきました。
からだが慣れたてきたので、さらに、深海を目指すことにした。
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