第8話 外出 最大の目的編1


 気を取り直して2人で校門から職員室にむかう。


 担任の先生を呼んでもらい、休学の旨を伝え許可をもらう。ちなみに理由は、豪華客船、世界一周の旅が当たったので、3か月休学するというものだ。


 先生は、「いろいろ学んで、グローバルな人間になって帰ってこい。休学は許可す」といってくれた。


 次に購買に向かう。

 ジェンヌのセーラ服を買うためだ。


 これこそが今回の最大の任務だ。俺の学校の女子の制服はせーラ服でとてもかわいい。

たぶん、県下の高校生全員にアンケートをとっても、男女ともぶっちぎりでかわいい女子制服部門で1位になると言われている。


それに、俺が生まれた時から、美少女が戦う姿はセーラ服と確定しているのだ。


サイズ確認のため、セーラ服を試着してもらう。試着室から恥ずかしそうに出てきたジェンヌを見て、あまりにかわいすぎて笑うしかない。理想です。俺の理想です。


購買員には平凡に見えているだろうからかわいそうである。目の前にミロのビーナスがセーラ服着て、降臨しているのに。


「スカートが短いです」

「問題ない。」

「おへそが動くと見え隠れします」

「問題ない。ノープロブレム。すごくかわいい」

ジェンヌの顔がパァー赤くなり、もじもじしている。


予備に数着購入して学校をでた。もちろん今着ているセーラ服のままだ。次は下宿先のアパートだ。


ところで種明かし、ジェンヌが意識操作の魔法をかけていたため、疑われず、休学が認められ、制服が買えたのだ。ただし意識操作の魔法は「怪しまれない」程度で、洗脳したり、意のままにあやつったりはできないらしい。


最寄の駅まで歩いていき、プラットホームのベンチに腰掛ける。

もちろん、人目のあるところではいちゃいちゃさせない。


となりのベンチでは過去の俺がスマホをいじくっている。

幻覚に「やめろ」と声を掛けたい。だって、俺の記憶には邪神や魔神に蹂躙され、バラバラに引き裂かれ血まみれで死んでいく姿が鮮明に蘇るのだ。戦争で死んだ人たちが転生するとき、過去の記憶をもって生まれ変わっていたら、絶対に戦争をしようとは思わないだろう。それほど、殺された恨みより、恐怖のほうが大きいから。


顔色が悪かったのだろう。隣に座ったジェンヌが手をにぎってくれた。そうだよ。この少女は死にかけた記憶をもちながら、ともに戦うといってくれたんだよ。宿命だといって。


俺がこうやってふざけていられるのもジェンヌのおかげだよな。ずーと一緒にいられるといいなって、これはフラグだよ。未来にためにへし折っとかないと。削除、削除。


「さてと、電車が来たことだし行きますか」

「うん」

手をつないで、電車に向かって歩き出だした。


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