第一章 ①
「うっ・・・」
目が覚めると暗闇に俺はいた。
「ここは、どこだ。俺は裏切られて死んだはずじゃ。」
「その通りです。」
俺の後ろから声がした。
「誰だ貴様。」
俺は問いかけた。
「私はあなたたちの言う女神。あなたを再転生させ、人生をもう一度やってもらうためにここへ魂を呼びました。」
再転生だと、なるほど。辻褄はあっているな。しかし、
「なぜ俺なんだ?」
女神は少ししてから口を開いた。
「・・・これは私にとって最重要事項だったのです。」
ほう。この俺になにかさせたい事でもあるのか。
「最重要事項の内容はなんだ。」
「・・・えっとですね、あの・・・」
女神すら悩む問題なのか。少し楽しみになってきたな。
俺のこの考えは全くもって違うことを次の言葉で思い知った。
「あなたが私の1番の推しだからです!」
・・・はぁ?
「ちょっとまて、そんな理由で?推し?なにを言ってるんだ貴様!」
女神は恥ずかしがりながら
「私たち神はそりゃあもう、すんごく暇なのです。だから地上の人間の中から推しを作ったりして、その推しに力を与えたりなどをしている訳です。」
力を与えるか、俺が6歳の頃急激に身体能力が向上したな。これも女神か?
「おい、貴様はいつから俺を?」
「6歳です。」
やはりか。神の力は予想以上の力だな。
「俺のどこがいんだか。」
独り言をつぶやくと、
「あなたは小さい頃は天使!青年時はイケメン!クール!そして紳士になっていきました!私にドンピシャだったのです!」
キャー!言っちゃったー!などと口にしている女神に俺は心底呆れた。
「ふん、まぁいい。理由は分かった。いや、分かりきれないがな。次だ、俺に転生させて何をしたい。」
女神は怒りながら
「推しがあんな風に裏切られて死ぬなど言語道断!ですので、神達を押し切って再転生させ、もう一度あなたを推し続けるのです!」
まさにそれが絶対と言わんばかりの覇気があった。
とはいえ、この場所も用はない。
「よし、俺はいく。転生させろ。」
女神は思いついたように言った。
「その前に、お伝えすることがあります。1つは記憶や能力、技術がそのまま反映されます。」
なに、この俺のままだと?
「貴様は俺が誰かわかっているのか?」
「はいっ!イケメンクールで、史上最強の暗殺者です!」
「そうだ、この力のまま転生したら俺は無敵と言っても過言ではない。いいのか?」
そう、俺は強すぎるのだ。
「そのお話はお伝えする2つ目の事項に関係します。それはあなたに学校に行ってもらいます。」
はぁ?意味がわからん、強すぎるから学校?
「学校に行けば、あなたは強いので教えをこわれます。そーすれば他にも強い人ができます!力のバランスをなんとか保てると考えました。」
ふざけてる、疲れる、なんだこいつは。アホなのか。
「もういい、疲れた。俺はもう行く。」
「そうですか。寂しいですが、わかりました。」
そんな落ち込むなよー。
「では、行ってらっしゃいませ!私はいつも見守っています!」
女神が手を向けると俺は光だし、意識を落とした。
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