第7話 ヒーロー


 自他ともに優秀なドライバーだと認めるに足る男、寅平(トラベ)は、どんなに急いでいようとも、常に、予測はしていた。


 万が一、もしかしたら、という想定を常にしながら走っていた。


 そのことが功を奏し、坂を登りきる手前で、目視できる小渋滞の車列にすぐに気が付き、急ブレーキを踏んで、大切な大切なお客様に、そこまで不快な思いをさせることなく減速した。


 後部座席の大切なお客様、美波羅妹子(ビバラノ イモコ)と眞元(サナモト)リナは少し体を前に持っていかれたが、きっちりシートベルトをしていたため、ビックリするほどではなかった。

 妹子の抱くゴージャスな毛並みの黒猫も鳴き声一つあげることなく、彼女の白くてプニプニの両手におさまっていた。


 ギュリっとアスファルトにグリップを効かせ、タイヤが完全に止まる。

 寅平は運転座席から少し背を伸ばすと、フロントガラス越しに前の様子を確認した。


 急な渋滞。すべてを計算することはできない。


 その原因は、いつもの通勤ラッシュではなく、アクシデントだった。


 信号は、進むことを許された青なのに動いていない。

 よく見れば16、7メートルほどの先、渋滞の先頭の横断歩道で何かが倒れている。


 (クソ!! なんだ? 人身事故か?? 馬鹿が!)


 不謹慎にも運転手は毒づいた。


 「あれは……車いすか??」


 実際には違った。老人用の電動カートが止まっていた。


 片側二車線の進行方向の道路のほぼ真ん中、周りに荷物らしき物も散乱して、ちょうど行く手を阻んでいる。


 故障したのか、急にうんともすんとも言わなくなった電動式で重量のあるカートを前にして、へたり込んだ老婆が申し訳そうな表情と、どうしたら良いのか分からないボケたような表情をまぜこぜに、辺りを呆然と見ていた。


 タクシーの前には7台ほどの車が、やや乱れて止まっている。

 電動カートが横断歩道を渡るのが最後だったのだろうか、そこには、すでに歩行者の姿は一人も無く、辺りの歩道にも人の姿は疎ら……。


 いまだ、誰一人も手を貸そうとはしていない。



 すると黒いバイクが、車体と車体の間を縫って、前へスルスルッと抜けていく。


 (チッ、こういう時、二輪はいいよなっ)


 後ろに付いていた、黒ずくめのライダーが乗る大型バイクだと、寅平はすぐ分かった。

 結局、ここまでの道のりを、自分のタクシーと大して変わらないスピードで走っていたのだから、奴もきっと急いでいるのだろう、このまま身動きの取れない四輪車共を尻目に走り去って行く……。


 そう思ったのだが……、違った。


 素早くバイクを歩道脇に止め、スタっと飛び降りると、途方に暮れているおばあさんに駆け寄り、肩に手を添えて何か言葉をかけた。


 その様子を見て、前の方の車からもドアを開け人々が下り始めた。

 良きことをする、そのライダーの行動の一石が波紋のように広がって、周りの皆が各々に手助けをし始めた。



 何かの苛立ちが、さらに重なって。

 寅平はガンッっと握った両掌でハンドルを叩き、吐き捨てた。


 「くそっ、ダメだ、時間が! ちくしょう…………間に合わん」


 ダッシュボードのデジタル時計が『8:56:22』を表示した。



 リナは自然とシートベルトを外し、自分にも出来ることは無いかと思い、車を降りようとした。


 「行かなくていい」


 思いのほか強い口調、逆らう事の許されないかのような命令口調で声を掛けられたので、彼女は一瞬、その言葉の発声元が妹子の口だとは思わなかった。


 「リナもあたしも、別に正義のヒーローじゃあないんだから……もぅ……ったく……座ってなよ」


 リナは見つめる、長いまつ毛に赤みがかった大きな目、幼子の様な両まなこを持った同級生を。

 その瞳からは間違いなく、純粋さ、無邪気さ、そんな彼女の天性の性格が溢れるように感じられる。


 (えっ、助けなくて……いい!?)


 現に自分もこの不思議な少女に、明らかに今朝は助けられたし、今も助けられてもいる。知り合ったばかりとは言え、決して冷たい心の持ち主だとは思えなかったが……。


 (妹子…ちゃん……わかんない。……あのお婆さんを助けに行かないの? 遅刻するよりそっちの方が……大事じゃ……どうせ今からじゃあ…もう間に合わないのに……わたし、わからないよ……)


 妹子の言葉を振り切って、外に出ようかと思った。


 前の様子をいま一度見る。

 前方に止まる車に乗車していた大人数人が中心になり、事故の処理にあたっていて、確かに人手は必要十分以上に足りている。


 (いまさら出て行っても……もう…何もできないか……、!! これって、この気持ちって、ただの自己満足なの?? ただの邪魔になる野次馬と変わらないの??)


 リナはベルトから手を放し、腰を下ろした。



 老婆は助けられ、擦り傷程度ですみ大きな怪我は無く。動かなくなった電動カートも二人の男性に抱えられ、散らばっていた荷物と一緒に道路脇へと運ばれて行く。


 この間、無情にも確実に時は過ぎて行くが、事態は収拾しつつある。




 寅平は考えていた。


 (いくつかの方法がある……)


 ー プランA

 交通違反覚悟で、強引にUターンして違う道、もしくは隣の反対車線! に乗り込んでこのフン詰まりを抜け出る! 逃走車両の様に交通モラルをすべて捨て去って!


 ダメだ……後ろのお嬢様に命令でもされれば、今の俺は従う事にやぶさかでは無いが……いってみれば、たかが始業式の遅刻だろ? 考えてみりゃ、それごときで、そこまで法を犯す必要もないよな?!



 ー プランB

 もう一つ強引なヤツ、クラクションを鳴らしまくり、ガンガン車体をぶつけてでもこの目の前の車列を力ずくで抜ける!


 無理だ……な、計算して準備された映画のセットじゃあるまいし、同じ程度の車重では、現実そんな上手くはいかない。さらに、なにも手伝わなかった俺が、偉そうに退けとばかりクラクションを鳴らせば、逆に前のドライバー達を怒らせ、余計なもめ事に発展するのがオチだ。



 (ああ、そうそう、今の世の中……。分かっちゃいるよ……そうだ…もっと現実を見て言えば……)


 いずれの作戦も、彼女たちが由緒正しき月詠(ツクヨミ)学園の生徒であるという一点で却下されうる!


 ほぼすべての車に搭載されているであろう、ドライブレコーダー、そこら中にいるスマホのカメラマン。どういった経緯かは分からずとも、どこかでこの状況を撮った映像が公開されたり、ましてやテレビニュースにでもなろうものなら、取り返しのつかない事態を招く。



 素直に、遅れたことを先生にでも謝る方が……何百倍も良い……そう、それが普通の、取るべき最善の行動…………だが……。



 (……だがしかし……どうしたものか……諦めきれない……)


 今回の美波羅妹子という、とんでもない奇妙なお嬢様に命ぜられた仕事を、今となっては最早ミッション、命がけで完遂しなけらばならない使命だと、錯覚さえし始めていた彼は……最後の手段、ベストでもベターでもないが、可能性のある方法を導き出した。



 ……それは。


 ー プランC


 このプラン……俺にとっちゃあ、とてつもなく損だし何のメリットもない。今朝までの俺なら口が裂けても進言しやしない……その上、彼女たち、二人を救える可能性は低い……だけど、こうなっては、その方法しかない。



 寅平はサイドブレーキを引き、シートベルトを緩めると、ゆっくりと後ろを振り向く、ぐぎっぎ…こわばった背骨か肋骨の、きしむ音がした。


 体を回す途中、助手席の三百万円の札束が、視界をよぎり、口惜しい…まったく。



 「お嬢さん……タクシーは此処までだな……悪いが」


 彼は一流のドライバーとして、本当に心から申し訳ないと思ったし、ここまで付き合った以上、彼女たちには始業式に間に合ってほしかった。


 「だけど、一つ……まだ、方法はある」


 ごくりとつばを飲み込んで、最後の可能性を口にした。


 「バイクだ……。前に、黒いバイクが…居るだろ? あの人に……その……そこのお金をもって、えぇっと、そのだな……」


 寅平は吹っ切れた。


 「ふぅ~、ああ、白タクってヤツは当然、俺は嫌いだし、ダメなんだがな……」


 若いお客様の、反応がないのを受けて…しゃべり続ける。


 「? 白タクってのは、営業許可を持ってないのに、客を乗せてお金を取る白ナンバー…一般車の事…聞いたことないか? まあそこまで心配しなさんな、現実、乗ってもあんたらが捕まるこたぁ無い。だから、事情を話し、今すぐ学校まで乗せってってもらえ! アイツも3百万見せられたら、2つ返事だろうよ、1発だ」


 (300なら…あのバイクそのものを買えちゃうかもな、ヤマハのスポーツタイプか? 違うか……そこまで詳しくないからなぁ……)


 「……まあ……残った問題は後ろに乗れるのが…ひとりだけってことだ。どちらか片方は行ける」


 黒猫が珍しく反応して

 「ニャォ…」

 っと一声鳴いた。


 (そりゃ法律無視で行けば、物理的にはあんたらなら3人乗れるかもしんねぇが……とんだ見世物になっちまうし、なにより事故って死んじまっちゃあ何にもならねぇからな……)


 運転手の話を、後部座席の二人は黙って聞いていた。


 「もしかして、そっちのお嬢ちゃん、まさか? バイク、大型バイクの免許持ってないよな? まあ18には見えねぇけど、ハハハ……奇跡があるならってな」


 リナは首を振った。


 「……」

 寅平は妹子を見て、静かに目を閉じ、何も言わなかった。

 年齢もさることながら、足が……絶対に届きそうになかった。



 残り3分ほど……リナは重い気分で考える。


 (……ここでタクシーを降りて、走って行く? もしも……トラック競技並みのハイスピードで走ったとして……1キロメートルの距離を!? 一流アスリート、陸上の選手でもなければ時間内に走り切るのは難しい)


 唇を軽く巻き込むように閉じて目を瞑ると、眉間にしわが寄る。


 (実際の距離はどうだろう? そこまで無いとしても……、一般の道を人を避けて走らなきゃだめ、そ、それに今は一人じゃない……妹子ちゃんと一緒だ……)


 妹子の、1メートル30センチにも満たない小学生のような体を思わず考える。


 (無理無理……到底無理。……なら、運転手さんの言うように、妹子ちゃんがバイクで、自分だけ走れば? いや…やっぱり無理だ……今のわたしにそんな力はもう無い…………妹子ちゃんだけ先に行ってもらって、わたしは諦めるしか……)




 図らずとも、二人の思考が、彼女の幼児体形について困惑させられていた、その時。


 「ガハハっ! どうしたベイベー? まだ終わりのベルは鳴ってないぜぃ」


 やにわに妹子が胸を張って豪快に笑うと、前を真っ直ぐ見据えて言った。


 「野郎ども! 位置に付きな」


 そのちっちゃなキャプテンの号令で、何故かごく自然と体が反応しフロントシートに座り直しベルトを締めた寅平。

 前方を見ると、止まっていた複数の車のドライバー達も、それぞれがゆっくりとではあるが、車に乗り込み始めている。



 彼は、もちろん先ほどの想像予測通り、クラクションを「プッープッ」と鳴らして彼らを急かしたりはしない、余計なトラブルを招くだけ……ぐっと我慢してスタート態勢を整えるとハンドルを握り、動き始めるのを静かに待つ。


 それはレーサーがスタートシグナルが灯るのを待つような緊張感で、ペダルに足を載せる。今まで経験したことがない、心臓のドクドクとうなる鼓動が寅平を熱くする。


 (よし! こうなったら…やるかっ、やるしかねぇ)


 誰もが思い悩む内にも、時は留まることを知らず流れて行く……。

 あれからさらに進み、現時刻は『8:57:55』


 十分わかっている。間に合わない。

 月詠学園の正門まで1キロ弱、平均時速50キロで進めたとしても厳しい。

 

 彼の頭の中に浮かび上がる最悪の映像、学校の前にタクシーを停車する…まさにその時、9時の鐘が厳かに鳴り響き、己の目の前で轟音と共に門が閉まる!


 ぽつぽつと額に汗が浮かぶ。


 悔しさが、にじみ出て、独りごちる。

 「くそ! ダメだ……そんなのは」


 何とかして、間に合わせたい、客を時間内に届けたい。

 お金の事も、もちろんある、しかし嘘偽りなく彼の中で多くを占めるのは、プライドと使命感の問題だった。



 緊張感に包まれる寅平とリナと違って、達観しているのか、もしかすると実は時間内には着けないと分かっていて、とっくに諦め気分なのか? また窓の外を見ていた妹子が、少し退屈そうにして、大きなあくびをした。


 ずっと何かを考えていたリナ、突然、顔をあげる。


 心の奥底にあった、錆び付き始めていたギアが、今また、ゆっくりと回転し始める。

 彼女の瞳に、紛れもない闘志がゆらりと燃え上がっている。


 

 リナは、閃いた!



 「運転手さん、そこの少し先、あの道、左に曲がって!」


 「!」


 急に席から身を乗り出すようにした、ずっと大人しかった女生徒から、ハッキリとした声で指示され、初めは何事かと思ったが……彼は瞬時に意図を理解した。


 「了解!」



 「正門ではなく裏門へ!」


 

 入り口は一つではない。

 学園には、教室などのあるメイン校舎に近く、顔ともいえる正門とは別に、よくあるように運動場に直接つながる通用門、さらに体育館横にある関係車両用の駐車スペースへと続く裏門があった。


 彼女たちが乗っているタクシーの今の位置からだと、その裏門の方が近く、なおかつ、目と鼻の先の体育館の講堂が、なんと都合の良いことに始業式が開かれる場所ではないか。


 あらかじめ、許可を取っていない車両で敷地内に侵入し、その門をくぐることはルール違反で出来ないが、手前の一方通行の公道、門へと続くスロープの直前までならば、誰に何も咎められるいわれはない。



 『8:58:03』


 パーン!


 再び青信号に変わる! 車は走り出した!


 『8:58:06』


 徐々に加速して前進すると、バックミラーに映る、まだ道路脇にいたライダーが見えた。こちらを見つめる顔は……予想外に男性ではなく女性だった。


 (ん? ちょいと悔しげに見えたのは気のせいか? フフっ、結局最後、婆さんの面倒を押し付けられたからか…………よもや、とんでもねぇ儲け話をふいにした…からじゃあ~あるまい……ハハハッ)


 『8:58:14』


 この程度の速度では、風の力を利用するスリップストリームとはいかないが、前を行く車体に出来る限りピッタリ付いて、左折場所までコンマ一秒たりとも無駄にはしない。


 『8:58:23』


 神聖なる学校の領域を表す、高いコンクリートと鉄格子の塀が見えた!

 月詠学園は、刑務所ほどではないが、多くの個所を様々な塀で囲まれている……残念ながら誰もが入り放題の開放的なキャンパスとは言えない。


 (ふぅ、ナイスだぜ、背の高いお嬢ちゃん。あんたの気づき、その通りだ……正門までなら、まだまだ時間がかかっちまうところだったが……)


 『8:58:32』


 滑らかに、尚且つスピードを加速させながら左に曲がった。


 『8:58:35』


 (よし……前に車はいねぇ、間に合う!)


 その通りには、違法駐車されたものも含め車両は一台も見当たらず、スッキリした道路で、30メートルほど先に、学校の敷地内へ続くコンクリート舗装のスロープ入り口が見える。


 『8:58:38』


 少し前までタクシーは速度を維持し、ブゥーンっと風を切って突っ走る。


 『8:58:39』


 ギギッ、的確にブレーキをかけると車体を若干スライドさせ、ピタッと停車させた。


 『8:58:40』


 (!! やった! やったぜ! やったぜっ!! 残り1分以上あるぅ!!)

 ガチャ。


 心の中では飛び上がらんばかりの歓声を上げながら、寅平は止めるとほぼ同時にドアを開ける。



 妹子はすでにシートベルトを外し、ツバメが宙に跳ねるように外へ飛び出した。その後を黒猫が飛ぶ影のように続く。


 リナは鞄を抱え、妹子に続くと、車の外に半身を出しながら、運転手に話しかける。


 寅平はその台詞に、心底ドキッとした!


 自失のドライバーが、しばし……ぼぅーっと見つめる中、彼女も妹子の後を追いかける。


 女生徒の最後の最後に言った言葉が、彼の耳に心地よく残る。


 「運転手さん! どうもありがとう!」




 彼女たちは、なだらかな坂を駆けあがって行く。


 寅平は時計を確かめた。

 十分間に合う、1分あれば彼女たちなら余裕でたどり着けるだろう。


 (フフッ、ああ、間に合うよ、十分だ。俺みたいな中年オヤジが、急に思いついたように走るんじゃあねえんだから……足がもつれるなんて、そんなことは無いさ。カモシカの様にゴールを突っ切るさ!)


 彼は最初、このまま彼女たちが無事に門をくぐるところを、車から見届けようと思った……が、思いとどまった。


 「まっ、がんばれよ。お嬢さん方」


 小さくそう呟くと、シフトレバーに手を添え、シートに深く上半身を預ける。


 「ふぅ~……。さて、今日はもうあがるか……久しぶりに紙たばこを一服してぇ……」


 ドアロックを確認して、タクシーを静かに発進させた。


 学園の塀や生垣を横目に、道路を法定速度手前で進む。

 妹子とリナが向かう門への道はバックミラーでも、もう見えない。

 やがて四つ辻に着くと、ハンドルを切り、大通りへ向かう。



 彼はハッとする!


 自分が、とんでもない間違いをしていたことに気づく。


 「そうか! そうだ! そうだよ……あの子は……華山(ハナヤマ)カオルじゃあねぇ」


 『華山カオル』とは、先述した『グラップラー・バキ』という、寅平の愛読書の格闘小説に出てくる架空のキャラクターで、凄みのある恐ろしい外見をし、それに見合った恐ろしいほど喧嘩の強い超大人びた少年の事、主人公のライバルでもある。


 「違う! 違う!」


 ウンウンとひとり頷き、笑顔になる。


 「ハハハッ……あの子は『バキ』だ……そう! そうそう! そうだよ! 主人公さ、当たり前……あの子は、ヒーローだ! アハハハ……」


 そう気が付いた瞬間、なぜ彼女たちを見届けることなく車を発進させたのかも、彼は理解した。


 ヒーローという存在は、何かの結末を求める対象なんかじゃあない。

 永遠に輝き続け…、いつまでも走り続ける姿を…、心に思うもの……。



 「そうさ……」


 (?!)


 フロントガラスが少しにじむ。


 「……」


 寅平は自分が涙を流していたことに気が付いた。


 車は、学園からどんどん遠ざかる。


 決して近づくことは無い。

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