第6話

 「はぁ〜生き返る〜」


 水をかぶり体の火照りを覚ます一同。そこに麦茶を持ったアルカが来て皆にくばる


「飲み物…持ってきた」


「えっ…氷?」


「…嘘だろ?」


「冷たぁい、気持ちいぃ、ゴクゴク!うんまぁ〜!お代わり!!」


ルガー、ルッツは氷に驚き、いち早く飲み干したクリスはお代わりを希望している。


ゴクゴク「美味しい、ほら二人とも早く飲む、美味しいから」ゴクゴク


 順応するのはや過ぎだろとルガーとルッツは顔を合わせ受け取ったグラスに口をつける。


 ……ゴクリ……!!!


「!うまっ!!」


 2人は一気にグラスを飲み干す

ゴクゴクゴクゴク


「ぷはぁ〜〜…う、美味すぎる」


 ルガーは氷もガリガリと噛み砕いている。「ふぅぅぅ」と皆が空になったグラスを無言で見つめていると


「お代わりもらってこよ〜」


 アルカがログハウスにむかい歩きはじめると、カッと目が見開き全員がアルカを追い抜きログハウスに駆ける。


「おー」


 追い抜かれたアルカは声をあげて後を追った。


 ガチャ!!


「すまん!お、おかわりをもらえないか!…うっ、この匂いは…」


 ルガーは一声の後、部屋の中に立ち込める匂いに一同は固まる。

 少し遅れてアルカも入室すると表情の少なめの彼女も立ちこめる香りにうっすらと笑顔になる。


 奥のキッチンから顔を見せるタイガ


 「おぅ、手洗ってきたか?ちっと待ってろ」


 固まる一同を尻目に冷蔵庫を開ける。すると作り置きの麦茶が満杯になっている。


 「んっ?さっき注いだハズだが…?」


 不思議に思いグラスを持って固まっている一同に麦茶を注いでいく。


「ほれ、お代わりどうぞ、適当に座って待っててくれ」


 俺の声に反応して席につく四人


ルッツ「この匂い」


アルカ「ゴクリ」


クリス「うぅ〜腹が」


ルガー「なんだこの食欲を刺激する香りは」


 ぐきゅるるる


 全員の腹が室内に一斉に鳴り響く。




 俺は麦茶の容器を見ながら首をかしげていた。確かに最初4人に注いだハズだが…そう思い冷蔵庫を開け麦茶を戻し扉を閉める。


 まさか、俺はもう一度冷蔵庫の扉を開けてみると、麦茶が満タンになっている。


「あれ?……そうか要はそういう事か…」


 そう言うと冷蔵庫を閉める。そしてスクっと立ち上がり


「さっ、そろそろホットサンド焼くか」


 取り敢えず逃避を決め込むことにしたタイガは調理を再開する。その時リビングから盛大な腹の音が鳴り続けているのが聞こえてきた。


「最初に肉とスープ出すか」


 俺はホットサンドメーカーにパンを仕込み火にかけてスープの入った鍋をリビングのテーブルに運ぶ。

 リビングにある食器棚からスープ皿とスプーンを出して各人の前に置き、  


「他の料理持ってくるから勝手にスープよそって食っててくれ。」


と、ガーリックステーキ用の皿を取りキッチンへ戻る。


 立ちこめるコンソメスープの香りにつばを飲む4人。ルガーが鍋の蓋を開けるとその香りに4人の自我は崩壊し秒で鍋は空となった。



 


  


 






 








 




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