第2話

窓から日が射し込み、おっさん派遣社員の大河は目を覚まし大きく欠伸をしながら伸びをして身体をほぐす。


肩を回しながら畑からきゅうりを一本とり外に出て井戸のポンプを作動させて水で顔を洗いきゅうりにかぶりつく。


うん美味い!朝露のしたたる朝イチきゅうり最高の贅沢だ。ボリボリと食べ、朝の鍛錬を始めようと敷地の広い場所に出ると茂みから角の生えた軽トラ位の猪?っぽい物が目の前に躍り出てきた。


「なんだ?この動物は…」


頬をポリポリかきながらその猪っぽい物を見ていると後ろ足を踏みしめて突っこんできた。


一気に距離がつまるが大河は軽く右足を後ろに引き右拳で猪?の横面をやや下から斜め上に向け振り抜いた。


声にならない悲鳴をあげながら猪?は2メートル程浮き上り地面に落下。そのまま絶命した。


「何だこの動物は…角のある猪なんて聞いたことないが…しかしデカイな」


「まぁせっかくの肉だ。川に持ってって血抜きするか。」


大河はヒョイと肩に担ぎ川を目指して歩き始めた。


少し歩いて大河は違和感を覚えた。いつもならもう川に着いているはずが何処にも川がない。


「おかしいな…」


 山を購入した時から歩き回りこの山の地理は把握しているハズが…ていうか周りの植物も見た事がない…


「此処は俺の山じゃなくないか?いや…しかし畑も井戸もログハウスも俺の作ったものだ…」


顎に手を当て歩いていると人の声が聞こえてくる。此処は俺の買った私有地だから人は居ないはずだが、若者がキャンプでもしているのだろうか…


大河は声のする方へ近づいていく。


すると、今担いでいる猪?と同種のけものを4人の男女が囲んでいた。


4人は鎧をまとい剣や弓、大きな盾、短剣で武装している。まるで中世の話に出てくる様な…


「何だ?彼らの服装は…大分若そうだがあぁゆうので狩りをするのが流行ってんのか?」


頭がハテナで埋まりそうになっていると


「うわあぁ!」


大きな盾を持った男が猪?に吹っ飛ばされた。盾は宙を舞い男は転がり岩に叩きつけられた。

大盾持ちの影に剣を持った少女が座り込んでいる。


「ヤバい!」


俺は猪?を放り投げ4人と対峙している猪?に向かい走り出した。


「そこの剣持ち!ふせろ!」


大河は石を拾い猪?と少女の間に全力で投げた。すると石は地面をえぐり噴水の様に土砂を巻き上げ轟音が響き渡る。


どごぉおおん!


巻き上げられ降り注ぐ土砂に視界を無くした猪?は後退り大河の拳は眉間に突き刺さり猪?は絶命した。







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