第11話 お祭り【後編】
○お祭りの会場・沿道
ビーム大会を終えた後。
詩歌と蒼志と一緒に祭りの会場を回っている一華。
詩歌が怪訝な顔をして蒼志を見ている。
詩歌「それさ、いつまで付けてんの?」
蒼志「ああ」
促されて『キング・オブ・ビーム』の襷を取る蒼志。
詩歌「てかさ、蒼志の時だけみんな点数辛めでさ、最後一華が100点出して優勝って件。あれ、いつまでやんの?」
一華・蒼志「……」
詩歌「ま、面白いからいいんだけど」
最早恒例となった出来レースで、寧ろ観客もそれを求めている。
それが『一華ちゃんビームでちゃうようになった記念』の正体である。
蒼志「それにしても凄え人だな」
詩歌「ね」
沿道を歩く大勢の人。
カップルの姿も多く、みんな仲良さそうに手を繋いでいる。
一華「……」
そんな光景が少し気になる一華。
蒼志を見て、少し意識する。
そんな一華を見ている詩歌。
何となく察すると、今日は楽しもうよって感じで一華の手を引く。
詩歌「ねぇ一華、あっちの方行ってみようよ」
一華「うん」
詩歌に手を引かれ人混みの中を進む一華。
と、怪獣サイレンが鳴り響く。
蒼志「一華!」
一華「うん!」
走り出していく一華と蒼志。
詩歌「気をつけてね!」
走っていく2人の背中に向かって詩歌が叫ぶ。
と、サイレンの鳴る中、会場にアナウンス。
アナウンス「それじゃあ、そろそろ行っちゃいましょう!盛り上がって行くよー!」
音楽「函館名物いか踊り~♪」
陽気な音楽が鳴り始め、町の人が踊り始める。
詩歌「……」
周りの様子を見て、呆然としている詩歌。
先を走っていた蒼志も周りの様子を見て思わず立ち止まる。
蒼志「……」
立ち止まる事なく走っていく一華。
そんな一華を見て、蒼志もまた走り出す。
× × ×
祭に来ている茜達。
と、走っていくサイドカーに気づく。
美優「あれ?光じゃん?サイレン鳴ったっけ?」
茜「さあ」
亜美「あ、見て」
遠くに怪獣が見える。
美優「ちょっと待って、ちょっと待って」
そう言うとスマホを取り出す美優。
亜美「ほら、茜ぇー」
手を引っ張られて強引にフレームイン。
カシャ。
美優「ヤバ。怪獣超ウケんだけど(笑)」
怪獣バックの自撮り写真。
茜「……」
どこか気乗りしない様子の茜。
周りを見ると、同じようにして写真を撮っている。
何事もなかったように進行する祭。
○町の遠景
遠くに聞こえる怪獣の雄叫び。やがて聞こえなくなる。
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