第4話 高丘蒼志

○小学校の帰り道(回想)


男子「おい!ビーム出してみろよ!」


   帰り道で、一華(7)と詩歌(7)が同級生の男子達に囲まれている。


詩歌「ちょっと!止めなさいよアンタ達!」

一華「(怖い)」


   しつこく絡まれていると、そこに高丘蒼志たかおか そうし(8)がやって来る。


蒼志「何やってんだ!お前ら!」

男子「ヤベ!蒼志だ!逃げろ!」


   慌てて退散していく同級生の男子達。


蒼志「ったくアイツら(一華を見て)大丈夫か?」

一華「うん!」


   頼もしそうに蒼志を見ている一華。


一華M「そーしは一つ上の幼馴染で、頼れるお兄ちゃん。そんな感じ」


○小学校・教室(回想)


   一人で席に座っている一華。

   周りの子はよそよそしい感じで一華を避けている。

   そんな一華を廊下から蒼志が心配そうに見ている。


○公園(夕方)(回想)


   ブランコに座っている一華と蒼志。

   一華はしょんぼりとしていて元気がない。


蒼志「お前がやってる事はすっげえんだぞ」

一華「……」

蒼志「もっと胸張れ!遠慮すんな!」


   まだしょんぼりの一華。

   そんな一華を蒼志が気にしている。


蒼志「……」


   蒼志の顔付きが変わり、キリっとした目つきになる。


蒼志「いいか一華、よく聞け!」

一華「?」

蒼志「何たってお前は…」


   そう言うと、ブランコからぴょんと飛び降りる。


蒼志「この町を守るスーパーヒーロー!(振り返って)一華ちゃんなのだ!」


   手を突き出して決めポーズ。


蒼志「くぅーカッコいい!」


   蒼志的にはたまらない様子。

   思わず、ぷっと吹き出す一華。

   蒼志の表情も緩む。


蒼志「行くぞ(手を差し出す)」

一華「あ」


   一華の手を握る蒼志。


蒼志「あち!(飛び跳ねる)」

一華「……」


   申し訳なさそうに蒼志を見る一華。

   その頬が少し赤い。


一華M「ちなみにそーしとは、手を繋ぐ事は出来なかった」


○八幡坂(回想戻り)


   自転車でやって来る一華(18)

   すると蒼志(19)と詩歌(18)に出くわす。


蒼志「おー、一華」

詩歌「おはよー」

一華「おっはよー」


   嬉しそうに手を振りながら近づいていく一華。


一華M「ビームがでるようになってからも、2人だけは変わらず友達でいてくれた」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る