第3話 勘違い?
これが彼女との最初の出会いだ。彼女は僕に自由に生きていいと言った。それから必死になって母さんを探し、見つけて今は一緒に住んでいる。もちろんあの父とは住んでない。あの後正式に離婚し、僕と母さんの二人暮しだ。家は同じ街にあるため学校を転校することもなく、友達と離れ離れになることもなかった。僕は地元の高校に合格し、何か部活に入れとうるさい教師が担任になったため、仕方なく文芸部に入った。中学の頃はバレーボール部に入っていたが2度の怪我と遅れによる劣等感、そして設備破壊事件の濡れ衣を着せられると言った散々だったため運動部にはトラウマしかなくいいことなんて全くない。だから僕は文芸部を選んだ。まぁ戸籍上名前を書かせてもらって幽霊部員なるつもりだったんだけどな。如月先輩が運命的にも同じ部活だったので担任には感謝しかない。もちろんちゃんと部活はいってるからそこんところは勘違いしないで欲しい。
現在大型ショッピングモールの一角にあるゲーセンの機種に隠れて二人の様子を見る。
「どういう関係なんだ?」しばらく2人の様子を伺う。なにか楽しいそうに話している。まぁさすがに会話までは聞こえてこないが
「今日はどこ行こっか」
「小夜華はどこ行きたい?」そういうリア充特有の会話をしてるのだろう。爆発すればいいのに。
まぁここで見てるだけってのもなんだからな。
「よっ、奇遇だな陸斗、それに如月先輩」声をかける。やはり遠目から見るより直接関係を聞いた方が
手っ取り早い。
「あなたは確か···」如月先輩の会話を遮るように
「1年の春雨夜空です」なんて軽い自己紹介をする。
「知ってるよ〜同じ部活だよね。でも意外だな陸斗と知り合いなんて。陸斗あまり人と好んで話さないからさ」
「ああ、なんか分かります。いつも本ばかり読んでるんすよね。」
「おい、お前ら」少しドスの効いた声でこちらを睨んでくるもんだから少し後ずさってします。やめて防御力下がっちゃう。
「まあまあ、事実なんですし」なんて如月先輩がなだめてるつもりなんだろうがそれ火に油注いでますよ。
「2人はどうしてここにいるんですか。もしかしてデートだったり」茶化すようにそういうと
「バカ空。んなわけねーだろ」とデコピンしてくる。クソ痛いんだが。ちなみに陸斗とは中3でたまたまクラスの友達が5人で修学旅行の班は3人までだったのであと一人と陸斗を誘って修学旅行を通して仲良くなったって感じだ。共通のゲームをしてるということやラノベの話の好きな物が似ていたため話題が尽きなかった。
「じゃ何してたん」
「それは」
「ねー?」なんて2人ともお互いの顔を見合っている。
「やっぱりデートだったじゃねーか。陸斗酷いぞ。何をするにも一緒と約束したじゃねーか。たとえ彼女いない歴=年齢という肩書きを卒業するにしても」なんて叫ぶ。周りの視線がとても痛いな〜。
「そんな約束した覚えないし、それに俺は紗夜華と付き合ってない」
「そうだよ夜空君」
「まぁ如月先輩が言うなら」
「おい、俺の事は信じれないというのか」とこめかみをグリグリしてくる。
「いたい、いたいから。わるかったよ」でも、ほんとにお似合いだと思うのにな。
「まぁいいや。空はなんでここに?」
「いや新イベのキャラ回収と少しメダルをやりに」
「相変わらずだな」
「ねぇ夜空くんが暇なら3人でまわらない」如月先輩のそんな提案に
「ではお邪魔します」と素直に受け入れる。如月先輩と一緒にいられる程嬉しいものはないからね
「邪魔するなら帰れ」
「はいよー」なんて冗談に冗談で返す。
「待って待って。2人とも仲良くね」なんて真に受けてる如月先輩を見て可愛いなって思った。
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