第14話 受け入れがたい事実

 男は魔法使いになれない・・・だと・・・!?

 何故だっ。

 そりゃ俺のいた世界でも魔法少女だらけだったが、ここは異世界だろ。

 魔法少年がいたっていいじゃないか!

「くっ、どういうことなんだ?」

「魔法が使えるのは女だけじゃよ。その中でも魔術士になれるのは一握りの才能がある者だけじゃの」

「どうして男には魔法が使えないんだ?」


「それは謎じゃの」

 謎の一言で片付けられた!

 魔法の世界のくせにちゃんと研究してる奴はいないのかよ。

 

「魔法を使えるのは女ということは、もしかするとルディも?」

 俺が隣に座る筋肉娘を見ると彼女は何でもないようにうなずいた。

「はい、炎の魔法ならそれなりに使えます」

 マジかっ。

 アマゾネス戦士で治癒師で魔法使いとか逸材にも程があるだろ。

 メッシ・ロナウド・ネイマールの3トップぐらい圧倒的じゃないか。

 この嫁さん、絶対に手放したら駄目だわ。


「本当にルディは凄いね。惚れ直したよ」

 メイド服を破ってしまいそうな大きなお尻を撫でてみた。

「・・・いけません。まだお昼ですよ」

 でもとても嬉しそうな顔が言葉を裏切ってるけどね。

「だけど今日から夜はロビンの自宅で寝ることになるだろ。だからルディとは昼間に種付けするしかないんだよ。それとももう俺のは欲しくないの?」


「・・・欲しいです」


 おお、見た目と違ってお堅いルディが昼間でも子種欲しい宣言したぞ!

 これは今すぐに嫁の欲求を満たして夫の存在感を誇示しなくては。

 そして絶対的守護神が俺から離れられないようにするんだ。


「じゃあ、ルディの部屋へ行こうか」


「「えっ!?」」

 ルディとドクターがハモって疑問を呈した。

「まさかお前さん、これからやるつもりなのか?」

「そのつもりだが心配はいらん。1回だけにしておくから」

「しかしじゃのお・・・はぁ~、お前さんのことは心配しても無駄じゃな」

「本当に1回だけだから。それにこれはトレーニングでもあるんだ」

「そんな言葉は知らんわい」


「つまり、この脆弱ぜいじゃくな身体を鍛えるってことだよ。子種を授けるというルディとの約束を果たしながら自分の身体を強くするなんて、まさに一石二鳥だ。やらない理由が無い」

「もお好きにせい。マディ、危険じゃと思ったらお前が止めるんじゃぞ」

「夫の身体は私が守ります」

「さあ、時間が勿体ない。早く行こう、ルディ」

 俺はアマゾネス嫁の手を引いてずんずんと歩き出した。




「ルディ、もう1回出来そうなんだけど・・・」

「・・・いけません。これ以上はお身体にさわります」

「口ではそう言ってるけど、ルディの身体はもっとしたいと言ってるよ」

 その証拠を手にして女戦士の目の前へ持って行き晒して見せた。

「・・・それとこれとは話が別です」

 ふふふ、超巨娘が羞恥で身悶えする姿がどんどん可愛く見えてくる。

 これがギャップ萌えなんだなあ。


「分かったよ。だけど、俺じゃなくてルディが果てるのはいいよね?」

 アマゾネス嫁が三番目に弱い所を俺は責めた。

「あぁ・・・もう本当に休まないと・・・」

 アマゾネス嫁が二番目に弱い所を俺は責めた。

「んんっ・・・夫にこんな真似をさせるなんて・・・」

 アマゾネス嫁が一番弱い所を俺は責めた。

「ひぃ!」

 そんな感じで俺たちはサッカー1試合を終えたぐらいの時間(90分)ベッドの上で運動したおした。



「明日からも毎日してあげるからね」

 ルディのクセのある銀髪を撫でながら俺は約束した。

「・・・これを毎日・・・素敵です」

 素敵なのは目の前の君の方だと情熱的にベロチューしておいた。

 そのキスでルディは何かを思い出したようだ。


「一つ報告がありました」

「何かな?」

「リンゴに残された歯形ですが、あれは女性のものでした」

「・・・女性?」

「そうです。男性と女性では歯形の特徴が違うので判別できました」


「つまり、ロビンを殺した犯人は女性ということか・・・」

「その可能性が高くなったと言えます」

「少なくとも事件に関わってることは間違いないな」

「はい、実行犯でなくとも共犯者に違いありません」

 その通りだ。

 しかし、女とはなあ。

 一体あの無邪気で純粋なロビンがどうして女から恨みを買ったんだ?

 いや、怨恨とは限らないか。

 とにかく、殺害現場で女が事故に見せかける偽装工作をしたようだな。

 んん? そういえばロビンの遺体の第一発見者は誰なんだろう。

 

「ルディ、ロビンの遺体を最初に見つけたのは誰なんだ?」

 現場に細工がされていたんだから、今の所その人物が一番怪しい。

 それがもし女性だったら尚更なおさらだな。

 そう考えていた俺はルディからの返答を聞いて固まってしまった。


「・・・キャサリンです・・・ロビンの・・・貴方のお母上です」

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