第2話 夢と現実瓜二つ
男の前には、黒い外車が止まった。
クルマからはやや長髪の男が目尻を垂らして小走りに降りてきた。
男「ありがっと。。この子なんだけど・・ハチさん」
ハチさん「いやいや全然・・そ、れにしても若いいなー。いや待てよいびきかいてもおてるやん」
男「そ・・・なんだわ」
はちさん「置いて帰るか」
男「おいおいおいおいおい」
ハチ「うそですって。じゃー近くの救急病院か、はい乗ってください」
男「ありがとほんとに」
男はまこをだきかかえてはちと車に入った。
後部座席で男は横たわるまこの顔をじっと見つめた。運転席からはハチがミラー越しにその様子を見ていた。
何かを思い出したようにハチ言った。
「そういえば・・・無かったですよね・・」
「何が」
「身分証・・」
「あっほんとだ」
「これまっずいことなりません・・ややこしい感じの・・」
「ややこしいこと」
「どこの子かわからない子連れてたらあやしいやん」
「ああ・・・ハチの家にとめるとか・・」
「いやうちにはねえ・・」
「だよね・・」
「あっ着きました」
個室には、肩をぽきぽきならせてパイプ椅子に座るハチの姿と看護師、気持ちよさそうに寝ているまこがいた。
そこに男は缶コーヒーをもってきて入ってきた。
男「はい」
はち「おおありがとうです」
看護師「あの・・親族の方で・・」
男「・・・彼氏です」
はちは眠そうだった目を見開いて男を見た。
「マジですか」小声で男に言う。
看護師「安心してください。・ただの貧血です。」
はちと男はキョトンとした火をで看護師を見つめる。
男「よかったよかったはは・・・」
病院はその日のうちに出ることになった。
看護師「ここまで麻酔が効くとは・・」
男はまこをおんぶして看護師にお礼を言った。
はち「寝過ぎやろこの女」
男「まあまあ・・・いやねすぎでしょ」男はまこのいびきをきいて笑った。
男「明日はオフだしまーいいけど」
まこは夢の中で石嶋たくの歌を歌っていた。
はち「これたっくんのうたやん」
男「ほんとだ」
男「・・・」
あらあら聞こえてます。夢の中ダダ漏れですよ。まこさん。
3人は疲れ果てた様子で男の家に向かった。
何も知らないまこはまだ夢の中だ。
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