第54話 超絶美少女のドキドキ5

 いよいよこの日がやってきてしまった。 

 私は今日から蒼月君と同棲が始まる。

 やばい。考えただけで、胸が張り裂けそうだ。もちろん、嬉しすぎて!

 私、死なないだろうか……。

 お母さんの行動はいつも予期せぬものばかりで、迷惑だなって思ってた時もあるけど、今回に関してはありがとうと言いたいくらいだ。


「琴美。一緒に暮らせるようになるからってハメを外しちゃダメだからね」

「分かってるよ。お母さん。ちゃんと迷惑かけないようにするから」

「まあ、蒼月君となら、私は大歓迎よ」

「もう! お母さん!」

 

 私は恥ずかしくなって大きな声をあげた。

 でも、蒼月君とそういうことを考えないわけじゃない。いつかは、したいと思うし。子供だって、欲しい。まだまだ先の話になるだろうけど。


「でも、よかったわね。蒼月君が受け入れてくれて」

「そうだよ。まったく、お母さんいつも勝手なんだから!」

「それは、悪いと思ってるわ。でも、今回は感謝してほしいんだけど?」

「そうだね。今回だけはありがとう。それで、いつ戻ってくるの?」

「う~ん。一年くらいかな。新しい会社が軌道に乗ったらすぐに帰ってくるわよ」

「そっか。わかった。頑張ってね」

「ありがと。琴美」


 お母さんは私の頭をなでてくれた。

 この強くて優しい手に頭をなでられるのが私は子供のころから好きだった。どんなに苦しいことがあっても、どんなに悲しいことがあっても、どんなに辛いことがあっても、この手で頭をなでられるとすべて忘れることができる。


「今日からよろしくね」

「こちらこそよろしく」


 私は蒼月君と一緒に家の中に入っていった。

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