第53話 超絶美少女と同棲(翌朝)

 琴美との同棲が始まった翌日の朝、俺はスマホのアラーム音で目を覚ました。


「琴美が、いるんだよな」


 俺はベッドから起き上がって自室を出るとリビングに向かった。

 琴美は起きているだろうか?

 リビングに入るとすぐにいい匂いが漂っていた。

 琴美はすでに起きていて、キッチンで朝食を作っていた。


「蒼月君、おはよう!」

「おはよう。早起きだな」

「そうかな? なんだか寝れなくて」

 

 そう言った琴美の目の下にはくまがうっすらとできていた。



「大丈夫か?」

「うん。いつもとちがう環境だから寝れなかったみたい。慣れたら寝れるようになるからだ丈夫だよ。いつも引っ越して何週間かはこんな感じだし」

「大変だな」


  琴美の母親は社長で、新しい会社を立ち上げるたびに研修のために社長自ら会社い赴くために、何年かに一度は引っ越しを繰り返している。それに、付き合わされる琴美は苦労してるんだろうなと思った。


「でも、今回はいつもより眠れてるよ。蒼月君の家だからかな」

「そうか」


 俺は何だか恥ずかしくなって、琴美と目を合わせることなくリビングのソファーに座わった。

 なんとか、早く慣れてもらえたらいいな。俺はそんなことを考えながら琴美の料理している姿を眺めていた。


「朝ごはんできたよ~」

「朝から、健康的だな」

「これから、毎日食べれますよ。あ、な、た」

「朝からそれはやめてくれ……」


 琴美は朝から俺をからかうと隣に座った。

 テーブルには健康的な朝食(ごはん、お味噌汁、卵焼き、焼き鮭)が並んでいた。


「朝からこんなに美味しいご飯を食べれて幸せだ」

「ありがと! じゃあ、食べよっか」

「そうだな」


 二人でいただきますをして、朝食を食べ始めた。

 ご飯を食べ終えると、学校に行く準備をするためにお互いの部屋にいったん戻った。

 そういえば、琴美と一緒に学校に行くのは初めてだな。一緒に登校して大丈夫なんだろうか。ふと、そんな不安が頭をよぎった。最近は、琴美と一緒にいることがあまりにも当たり前になりすぎていて、琴美が学校一の超絶美少女だ好きだってを忘れてしまっている。

 まあ、考えてもしょうがないか。琴美は俺を好きだって言ってくれてんだ。おれが琴美に似合う男になるしかないよな。

 俺は胸のポケットのところに桜のエンブレムが付いている制服を着て、琴美の部屋に向かった。


「準備終わったか~?」

「あと少し~」

「了解」


 しばらく、部屋の外で待っていると琴美が出てきた。


「お待たせ~」

「……」

「どうしたの?」

「いや、可愛いなと思って……」


 琴美は髪の毛を後ろで一つにまとめてポニーテールにしていた。

 

「そうかな?」

「うん。よく似合ってる」

「ありがと」


 琴美は少し照れくさそうにして、玄関に向かった。


「ほら、早く行こうよ」

「あ、ああ」


 俺は琴美の後を追うように玄関に向かう。

 そして、二人で一緒に家を出て学校に向かった。

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