第45話 超絶美少女と祝杯

 放課後になって、俺は琴美と一緒に近くのスーパーに買い物をするために来ていた。

 すっかりと、琴美と一緒に買い物をすることが馴染んでいた。まさに、妻と夫。夫婦みたいな感じだった。


「今日は何にしようかー? 蒼月君何がいい?」

「そういう、琴美は何が食べたい? いつも俺の要望を聞いてもらってるから、たまには琴美の食べたいものにしよう」

「えー。私の食べたいものかー。私は蒼月君と一緒にご飯を食べれたらなんでもいいんだよねー」


 清々しいほどそう言い切る琴美。

 俺も同じ気持ちだった。琴美と一緒にご飯を食べれればなんでもいい。


「じゃあ、お互いに相手に食べてもらいたいものを作るっていうのは?」

「・・・・・・俺が、琴美に、料理を、作る?」

「そう! 私、蒼月の手作り料理が食べたいな〜」


 俺が琴美に料理を作る・・・・・・。琴美の手伝い程度(野菜を切るくらい)しかできない俺が。

 もちろん、作れるなら作ってあげたい。でも、変なもの食べさせるわけにもいかないし。


「ダメかな?」

「そりゃあ、作れるなら作ってあげたいけど・・・・・・」

「じゃあ、決まりね!」

「まって、変なもの作るかもしれないよ?」

「大丈夫! 蒼月君の作ったものなら美味しいから!」


 なんだその変な理屈!

 まあ、俺も琴美が作ったものならなんでも美味しいって言って食べるけど!


「・・・・・・わかった。作るよ。その代わり変なものでもちゃんと食べてくれよ」

「もちろん!」


 そこまで屈託のない笑顔で言われたら、頑張るしかないだろ。

 ということで、俺たちは別々に買い物をすることになった。


「さて、何を作ろうか」


 俺はスーパーの中を歩きながら考えた。

 オムライス。ハンバーグ。焼きそば。これまでに琴美が作ってくれた料理たちが頭の中に浮かんできた。

 どれも作れる気がしないけど……。

 やっぱりこれだよな。


「調べるか……」


 俺はスマホを取り出してレシピを検索し、必要な材料を買いそろえた。

 それと、琴美へのお祝いのケーキも買っておいた。

 先に買い物を終えた俺は琴美に連絡を入れて、スーパーの入り口で待つことした。


「お待たせ~」

「じゃあ、帰るか」

「うん」


 琴美がパンパンに膨らんだ袋を両手に持っていた。


「一つ持つよ」

「ありがと」


 二人で一緒に俺の家に帰った。そろそろ、日も落ちるいい時間だったので、早速、料理を開始することにした。まずは俺から作ることにした。


「何を作るのかな~。楽しみだな~」

「そんなに期待しないでくれ」

「どんなものでも食べるから安心して」

「頑張ります……」


 まずは野菜を細かくきざむ。次にご飯と一緒に炒める。炒め終わったご飯にケチャップをドバっと入れて、チキンライスを作る。最後に、その上に卵を乗せる。最後にケチャップで「いつもありがとう」と書いて完成。


「はい。完成」

「うわ~。美味しそうなオムライス」

「味は保証しないけど」

 

 俺はソファーに座って本を読んでいた琴美の前にオムライスを置いた。


「こちらこそ。いつもありがね」


 ケチャップ文字を見た琴美は俺の方を見てニコッと笑った。そして、何度も写真を撮っていた。

 まあ、思っていたよりうまくできたんじゃないだろうか。自分では満足していた。

 

「じゃあ、次は私が作ってくるね。ちょっと待っててね」

 

 琴美はキッチンに向かって手際よく調理を開始した。 


 

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