第36話 超絶美少女と海で二人きり
海で疲れるまで遊んだ四人は休憩がてら海の家で昼食を取った。
昼食後はそれぞれ別行動をすることになって、英彦はアリスとどこかに行ってしまった。
残された俺と琴美は海の側一緒に歩いていた。
「今日は四人でこれてよかった〜」
「そうだな」
「また、四人で一緒に遊びたいね!」
「これから何度だって遊べるだろ」
「そうだね。もちろん、蒼月くんと二人っきりでデートもしたいよ!」
琴美は俺の前に立って向き合うとうな形になった。琴美は少し前屈みになって髪をかき上げた。
窮屈そうな胸が水着からこぼれ落ちそうだった。
今日の琴美はいつもより可愛く見える。きっと水着姿のせいだろうな。俺はあまり直視することができず顔を逸らして言った。
「もちろん、俺も同じ意見だよ・・・・・・」
「夏休みは明日で終わっちゃうけど、これからいろんなところに一緒に行こうね!」
「そうだな」
そうか、夏休み下で終わってしまうのか。俺は少し寂しい気持ちになった。
明日が琴美が平日にご飯を作りに来てくれる最後の日になるということだ。名残惜しいな。まあ、その分学校で会えると思えばいいか。
「どうしたの?」
「いや、なんでもない」
俺は琴美に水をかけた。
「きゃ! 冷たい! やたな〜。それ!」
琴美も仕返しとばかりに水をかけてくる。その時の琴美の笑顔は海の輝きよりも美しかった。
水をかけあい疲れた俺たちは砂浜に寝転がった。
「楽しい〜! 今、私最高に幸せ〜!」
琴美が他の海水浴客を気にすることなくそう言った。
「俺も幸せだ〜!」
俺も恥ずかしかったけど、琴美を真似して大きな声を出した。
どうやら夏は心まで開放的にしてくれるらしい。
「珍しいね。蒼月くんが大きな声を出すの」
「確かに、夏のせいかな・・・・・・」
俺たちはお腹を抱えて笑い合った。最高に楽しくて、最高に幸せ。琴美が隣にいてくれるだけでこんなにも人生は楽しくなる。琴美と出会うことができて本当によかった。一生大切にする。
俺は琴美の手をそっと握った。琴美は一瞬ビックリするようにこっちを見た。琴美は少し恥ずかしそうに俺の手を握り返してくれた。
「まったく、こんな人めのあるとこでいちゃつかないでよ。友達の私たちまで恥ずかしくなるじゃない」
「俺たちもいちゃつくか?」
いつの間にか、英彦たちが俺たいのそばにやってきていた。
アリスは英彦の頭をポカっと叩いて、琴美の隣に寝転がった。頭を叩かれた英彦は俺の隣に寝転がる。
「なんか、いいなこういうの」
俺はしみじみそう呟いた。
「そうだね。いいね」
琴美がそう言って英彦とアリスは、そうだなと頷いていた。
また来年も再来年も十年後もこうやって四人で海に来れたらいいな。そんなことを思っていたら琴美が俺にだけ聞こえるように呟いた。
「また、来年も来れるかな?」
「きっと来れるさ」
俺は琴美と顔を見合わせて、もう一度、コトミの手を包み込むように握りしめた。
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