第24話 超絶美少女の水着選び


「アリス~。どれがいいと思う?」

「知らないわよ。本人に直接聞きなさいよ」

「無理だよ、恥ずかしい」


 私はアリスと一緒に水着を選びにやってきていた。夏休みの間に蒼月君を誘うつもりのプールで着るための水着を。

 蒼月君はどんな水着が好きなんだろうか。可愛い系。それとも大人っぽいやつ。

 私は手に持っていた、白色の水着とピンク色の水着を交互に見ながらそう思った。


「アリスは買わないの?」

「う~ん。今のところ着る予定ないからね」

「そうなの? 湯山君とはプールとか行かないの?」

「行かない。私、人込みあんまり好きじゃないから」


 アリスはそういう子だ。人が多すぎるところにいると酔ってしまうらしい。せっかく、スタイルいいのに。もったいない。


「そうだ。じゃあ、四人で海に行こうよ!」

「海ね~。海なら行ってもいいかな」

「ほんと? 決まりね!」

「分かったから、あなたは早く水着を決めてきなさい」

 

 私がアリスに抱きつくと、すぐに引きはがされた。

 やった。アリスと一緒に海に行ける。嬉しい。

 そうと決まれば、二着買っちゃおうかな。水着。プール用と海用。


「試着してくるから待ってて」

「うん。私も自分の水着見とくから」

「了解~」


 私は二着の水着を持って試着室に入った。

 最初に白色の水着を試着してみた。レースのひらひらがついていて可愛かった。蒼月君はこうゆうの好きなのかな。

 鏡に映った自分の姿をジーっと見つめる。私も決してスタイルが悪い方ではない。アリスと同じくらい細身だし、なんだったら、胸は私の方が大きいと思う。

 蒼月君は私のことをどう思っているのだろうか。少なくとも家に上げてくれてるってことは嫌いではないよね。

 

 そんなことを考えながら二着目のピンク色の水着に着替えた。

 こっちはシンプルだけど、なんだか大人っぽい雰囲気を醸し出していた。どっちにしようかな。まあ、結局二着買うんだけどね。もし、蒼月君とプールに行くことになった時に決めればいっか。


「お待たせ~」

「決まったの?」

「うん」


 お互いに会計を済ませてお店から出た。

 そのあとは、二人で図書館によって、しばらく本を読んでから家に帰った。

 楽しみだな。四人で行く海も蒼月君と二人で行くプールも。プールはまだ決まってないけど。きっと、一緒に行ってくれるはず。

 私はこれから訪れるであろう未来に期待を膨らませていた。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る