第11話 超絶美少女の服選び

「ねぇ、ねぇ、アリス。どんな服を着ていったらいいと思う?」


 私とアリスは放課後にファーストフード店にやってきていた。

 今日は私の相談に乗ってもらう日。

 アリスとは高校に入ってからすぐに仲良くなった。同じ委員会をやっているっていうのもあるけど、本の趣味が同じだったことが多い。たまたま、アリスと同じ本を同じ時期に読んでいて、そこから私たちは意気投合した。今では、なんでも打ち明けることのできる親友だ。


「それ、私に聞く?」

「だって~。蒼月君がどんな服が好きか知らないし」

「私も知らないよ。それに、私より琴美の方がオシャレじゃん」

「そうだけど……」


 アリスは私が蒼月君のことを好きだってことは言ってある。だから、こうして時々、アリスには相談に乗ってもらっている。


「でも、アリスは彼氏いるじゃん。だから、参考にしたいの」

「参考ね~。ていっても、英彦君は私のファッションとかあんまり気にしないタイプだからね~。私もデートの時は気合入れて服選んでないし」

「それは、二人の付き合いが長いからでしょ」

「まあ、そうね」


 アリスと英彦は中学生の時から付き合ってるらしい。今年で付き合って二年って言ってた。


「でしょ。私は今回が、初めてなの!」

「何が?」

「蒼月君に私服を見せるの」

「そうなんだ。じゃあ、普段の琴美とは違う一面を見せたら?」

「普段と違う一面……」


 蒼月君は私のことをどんな風に見ているのだろうか。


「私ってどんな風に思われてるのかな?」

「知らないわよそんなの」

「そんな~」

「私より、琴美の方が知ってるでしょ」


 それが、知らないんだよ。だから、困ってるのに。どうしよう。

 私はポテトを一本つまんで食べた。


「まあ、琴美がしたいようにすればいんじゃない」

「そうだよね」


 私がしたいように。

 そうだ。ドキドキさせよう。

 思いっきり色っぽい服を着て、蒼月君のことをドキドキさせちゃおう。


「決まったみたいだね」

「うん、とりあえずは」


 私は次の休日が待ち遠しくなった。

 蒼月君はどんな反応をしてくれるだろうか。

 楽しみだな~。






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