第9話 超絶美少女のドキドキ2

 家に帰って着替えをすることなく、私はベッドにダイブした。

 やばい。やばい。

 蒼月君が私の頭を……。


「撫でてくれるなんて」


 実はこれが初めてということではなかった。

 蒼月君は気づいてないと思うけど、あの日、私は目を覚ましていたのだ。

 あの時は恥ずかしくて寝たふりをしていた。

 でも、今回は違う。みんなの前で、みんなが見てる前で、頭を撫でられた。たとえ、無意識だとしても、意識してしまうじゃん。

 もしかしてって……。


「そりゃあ、そうであってくれたら嬉しいけど……」


 私は枕に顔を埋もれさせた。そして、足をバタバタさせる。

 蒼月君は私のことどう思ってるのだろうか。


「いっそ、私から告白しちゃおうかな」


 私は蒼月君のことが好きだ。 

 あの時から、ずっと好きだった。

 この気持ちはずっと変わらないと思う。

 

「たぶん、蒼月君に私の気持ちはバレてる。と、思う……」


 私は昔から顔に出やすいタイプだと言われてきた。

 恥ずかしかったらすぐに赤くなるし、悲しくなったらすぐに涙を流すし、困っていれば眉毛をへの字に曲げるし、嬉しくなったらへにゃっと笑う。

 蒼月君に頭を撫でられたとき、私は自分の顔が熱くなっているのが分かった。だから、きっと赤くなっていた。

 まあ、蒼月君がよほど鈍感じゃなければだけどね。


「私と再会した時も、私だって気が付いてなかったし……」

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