コンビ解散の危機?!

「うわぁああああああ!!!!」


夜中、勇者が飛び起きる。


「ふがっ!どうしたの?」


ベッドから飛び降りて、部屋の中から

駆け出そうとするのを、魔王の魔法が

柔らかく受け止める。


シャボン玉のような球体の中で

勇者はもがき暴れるが

そのうちゆっくり眠りに落ちる。


「夜中に目を覚ますと「こう」なるね・・

暗闇がモンスターに見えるのかなぁ。

かと言って部屋を明るくしたまま眠らせるのも

十分な睡眠がとれないだろうし・・・」


眠りに落ちた勇者を元通りベッドに

横たえて、その体に毛布を掛ける。

今はもう安らかな寝息を立てて眠る勇者に

「まだまだ完全回復には至らないね、気をつけて

おかないと・・」

魔王は勇者のベットの側で書いていたネタ帳に

向き直る。


「僕のツッコミに耐えられるアイテムか何か

仕込まなきゃ・・・ろくにツッコミも出来ない・・。

いや僕がボケに回ればいいのか?いやいや・・

魔王と勇者なら、ツッコミは魔王の役目だろう。

いざと言う時リード出来るのもツッコミだからね!


そうだなぁ、何がいいか・・・」


魔王は考えを巡らせながら、指先で空中に円を描く。

やがてその周りに空気の渦が出来て・・・


「ああ!そうだ、縁日で食べた綿菓子みたいな、

そしてスライムのような弾力で・・・こう・・・」


魔王は更に手を広げ空気をかき回した。


「・・・・・・・・・・・・・・」


数分後。

魔王の手には雲のような綿のようなゴミがひとつ・・


「僕には創作活動はあまり向いてないんだ。」


魔王はそれをゴミ箱に投げるが、それはふわふわと

宙を漂い・・・勇者の手に収まった。

反射でそれを握る勇者の寝顔が笑う。


「お!意外と・・そういうさわり心地が好きなのかい?

そうかそうか・・」


そして朝。


「何?これ・・・ぇ・・すごーい・・・」


もこもこの毛だまだらけになった部屋で目を覚ました

勇者は、少し戸惑ったが、覚悟を決めてその毛玉の中に

ダイブした。


「うわ!ふっかふかー、少し浮いてるー!」

「・・・・き、気に入って・・貰えたかな・・・?」


毛玉の中には魔王が埋もれていて、勇者の手を借りて

起き上がる。


「気に入ったよー!これで空が飛べたらいいなぁー、

あ、村の子供たちにも分けてあげようよ!

これ一個だけでも握るとふかふかで気持ちいいんだ!」

「そ。そうだね・・」


調子に乗って一晩中毛玉を生産していた魔王であった・・。


2人で村に出かける。

両手いっぱいに毛玉を持って子供たちに配る勇者を見て

魔王は昨晩、無駄に魔力を消費した事もすっかり忘れて

しまった。


「あ、魔王様ちーす」

「シキ君、ちーす」


シキと呼ばれた青年は黒髪に、耳には数え切れないくらいの

ピアスをつけ、指輪も10個以上・・とにかくアクセサリーを

つけられるだけつけて歩いているような人物だった。


「あ、シキ君だ」

「よう、勇者!ちーす!」


シキが腕を出す。勇者は首をかしげてそれを見ているだけだ。

「同じように腕を出してごらん」魔王に言われて勇者は腕を出す。

腕と腕が重なって、シキは「これ、俺の挨拶」と、にかっと笑った。


「シキ君もこれ、いる?」勇者は毛玉をシキに見せるが・・・・

「なんじゃこりゃ・・」それを手に取ると・・何度か掌で揉んで・・

「なんかクセになるなこれ」

「でしょ!耳につけたらあったかいと思うよ!」

「そらねーわ!このピアスは俺の魂だからよ」

「たましい?・・ふーん・・でもシキ君はいっぱいピアスつけて、

きっと強いんだろうね!」

「そりゃまぁ・・多分・・・?」答えをはぐらかすシキを見て

首をかしげる勇者。


「シキ君はこの世界の人間じゃないから、君の知らない事を

沢山おしえてくれるだろう。いい友達になれると思うよ?」

「え!この世界の人間じゃないの??」


自分で口にしても、意味が分からないようで、勇者は魔王を

見るしかない。


「まぁ、それは追々話すよ、この村の事をね・・」

「・・・」

「それにしてもアレ「魔王と勇者」マジでなかったわ」

「マジデナイ?!何が無いの??」

「あのお前たちのコント、ウケなかったね。と彼は言っている」

魔王の通訳が入る。

「最初はイケてたんすけどね、次はいつやるんすか?」

「うーん・・、肝心なネタ作りが滞っていてね」

「ネタ出来たら、まずは俺に見せてくださいよ!オナシャス!」

「ああ、そうだね、まずは誰かに評価や意見を貰わないとね、

その時はおなしゃす。」


シキは可笑しそうに笑いながら歩いて行く。


「お・・しゃす?」「お願いします、と言う意味さ、異界の言葉だね」

「ふわー・・・、僕の知らない事ばっかりだなぁ・・・」

「まだまだ、君の知らない事は沢山あるさ!

さぁ、風が出て来た・・城に戻ろうか」

「うん!」



「もっと勉強したい?」

「うん!僕、家の仕事ばかり手伝ってたから・・読み書きとか

計算とか出来ないんだ」

「そう・・か。」

「シキ君は僕の知らない事ばかり知ってて、魔王はもっと沢山

知ってるだろ?僕も・・」

「まぁまぁ、そう焦らないで。そう・・だな・・・じゃあ・・」


魔王が指を振ると、透明なスライムが一匹跳んできた。

勇者の顔色が変わる・・・が、すぐに元の表情に戻った。


「この子は万能お助けスライム君。僕が君の為に作った

スライムだよ」

「ばん、のう・・」

「この子が君に文字と計算を教えてあげる」

「え!スライムにそんな事できんの?」

「出来るさ、見ててごらん」


スライムは丸い体から手足を伸ばす。

咄嗟に身構える勇者に「この子はいい子だから」と

伝える。

スライムは器用にペンを持って、紙に字を書きはじめた。

そして、初歩の計算式も。


「・・ほんとだ・・、さすが魔王のスライムだね!」

言葉が震えている、そしてその体はスライムと

剣の間合いを保っている。

『可愛いスライムなら・・と思ったけど・・』

魔王はもう一度指を振って、スライムを部屋から出した。


と、同時に勇者の呼吸が荒くなる。


「ごめんごめん・・、君にはまだ早かった、ごめんよ・・」

「・・・いい子・・・なのに・・僕は・・、敵だと思って・・・」

「いいんだ、それより今日はネタ出しでもしてみない?」

「・・・ネタ・・」

「コントの」

「・・!うん!頑張る!!」



「魔王と勇者のコントって、その職業から離れてみるのも

いいかもしれないと思ってさ・・」

「職業?」

「そ、街には色んな仕事をしている人が居ただろ?

勇者は何になりたかったんだい?」

「パン屋!!」

「お!答えが早いね!理由は?」

「パンがお腹いっぱい食べられるから!」

「そうか・・そうか・・、城のパンはどう?美味しいかい?」

「美味しいよ!いつも出来立てで、色んな種類のパンが

あってー、僕はミートパイが好きかな、あとクルミのパン!

魔王は?」

「ガーゴイルの目玉入りパン」

「・・それって美味しいの?」

「ネタだよ!ネタ!あとガーゴイルの目玉蒸しパン・・・って

それってもうパンじゃなくてもいいよね・・・と」

話の流れをネタ帳に書き込みながら

「あとはチーズのパンが好き」

「じゃあ僕はチーズだけ頂きます」

「そんなのパン関係ないじゃん!」

「ほら!完成した!!」


魔王はネタ帳を勇者に見せる。

「ちょっと練習してみようか!」「うん!」



3時間後、2人は絨毯の上に並んで立ってみる。


『はいどうもー!「魔王と勇者」です』

「はい、僕が魔王やらさしてもらってます。これでももう

800年くらい生きてるんですよー」

「そんなに?めっちゃ若く見えるよ?!」

「え?!ほなどんくらい若く見える??」

「789歳くらい??」

「そない違わんな・・うん、もう100超えたらナンボでも

同じや、それで君も自己紹介せな」

「はい!僕が勇者やらさしてもらってます!そんでな、魔王」

「って年齢は言わへんのんかーい!」

「もう歳はええて、誰も笑ろてないしな?そんでな魔王、僕ら

職業も魔王と勇者やろ?たまには違う職業やってみたい」

「ほぅ、勇者は何になりたかってん」

「僕はパン屋さんやな!焼きたてのパンめっちゃ食えるし」

「いや売りもんや!売りなや!君が食べてどないすんの」

「好きなパンとかある?僕はねクルミパンとかね、ミートパイ、

あとはガーゴイルの目玉入りパン」

「ちょ、待って、最後おかしいの入った」

「あとはガーゴイルの目玉蒸し」

「ああ、もうパンでもないしな、うん、美食家みたいになってもたな

この辺のガーゴイルははよ逃げたった方がええでー」

「あとチーズがかかったパンとかも好きやん」

「おお!ええやん!チースとパン相性抜群やん」

「僕はチーズを食べるから、君はパンをどうぞ」

「って、パン関係ないやんけー、もうええわ」

『ありがとうございましたー!』



「あはははは!!!」自ら作ったネタで笑い転げる勇者。

「安直すぎるかな・・・」悩む魔王・・。


「勇者は文字は読めないって言っていたけど、言葉を覚えるのは

早いね、それはとてもいい特技だ」

「言われた事忘れるとぶたれるから!」


何でもない事を言いながら、笑いながら言う勇者。

『家の手伝いか・・・厳しかったんだろうな・・、お腹もすかしていたのだろう。』


「あーもう、笑いすぎておなかいたいよ!

これでネタがふたつ出来たね!凄いね僕たち!!」

「うんうん、この調子で5つくらいは作りたいね」

「そんなに??笑い死んじゃうよ!!」

「ネタ見せ用とか本番とか・・ほらもし決勝までいけたら新しいネタで挑みたいし!」

「けっ・・しょう?何の事??魔王どこか行くの?」

「いやいや・・お恥ずかしい・・魔王としたことが・・夢みたいな事を考えて

しまった・・・・」

「ゆめ?どんな事?」


『元気になった君とお笑いの大会に出てみたい』


「言わないよそんなの・・・」

「えー教えてよ」

「それよりさっきのネタ、もう一回練習して、明日シキ君に

見てもらおうよ!」

「うん!!!」


また明日。


「うわぁあああああ!!!あっ!わぁああ!!!

来るな!!来るなぁあああ!!!


死ぬ!し・・・・死ぬ!!!痛いのは嫌だ!

死ぬのは嫌だ!!もう死にたくない!!!!!

嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ死ぬのは嫌だ・・・っ・・・!

いだい!!!いだいよぉおおおお!!!!」


魔王の魔法の中・・

次第に落ち着きを取り戻し眠る勇者。


「・・・何か・・君を刺激するような事を言ってしまった

だろうか・・・」


ベットで眠る勇者の頬にはいくつも涙の筋が走っている。


「・・・あまり僕が側に居ない方が・・、しかし・・・

村に置くのはまだ早いし・・・」


ついさっきまで笑っていたのに。

そんな笑顔が嘘のように苦悶の表情に変わる時。

魔王もまた自分の力の無さを実感する。


こうして魔法で眠らせるのは麻薬のようなもので

あまり使いたくないが、精神を安定させる薬草や薬は

全て試してこの結果だ・・・


「僕が憎いかい?殺したいかい?・・・そうだよね・・

君はその為だけに自分を殺して来た、死の淵を歩いて

来たのだから・・・」


「・・・・う・・・」


勇者が呻いて、手にした毛玉を握りしめる。


「ごめんよ・・、ごめんよ・・・、幼い君・・・。

でも僕は僕が出来る事は全部・・諦めないつもりだ。」


シーツからはみ出た勇者の手をそっと戻して。

魔王はネタ帳に向き合った。




「魔王様今大丈夫っすか」側近のミノタウロスから連絡

が入り、魔王は「やれやれ、今夜は忙しいねぇ」と文句を

言いながらも、勇者を気にしつつも部屋に鍵をかけて

「外」に出る。


外は夜で、魔王城は暗く。

秘密の扉の入り口の外にはミノタウロス族のウゾと

サイクロプスの親子が不安そうに魔王を待っていた。


「どうした?」魔王はすぐにサイクロプスの体の傷を

見つけて治療する。


「えぇ、こいつらオクノモリから逃げて来たそうで・・・」

「オクノモリ・・随分遠いね。いや君たちの足ならそうは

かからないかな、理由は?」

「人間が森の伐採に来たそうで・・国に討伐の要請を。

ダンナの方は助からなったみたいですが、こいつらは

ダンナに城に行くよう言われて逃げて来たみたいっす」

「・・そう、よくここまで人間に見つからずに来られたね」

「夜に移動を繰り返したそうですよ」

「傷はもう大丈夫だから・・いつもの森へ誘導してあげて」

「はい、すんません、夜中に」

「構わないよ、これも「魔王」の仕事さ」


サイクロプスは大きなからだをゆっくり起こすと

2人の子供を腕に抱いて、ゆっくりと歩き出した。

足音をたてる事もなく歩く事が出来るのは

それだけ人間から追われていた証拠だろう。


「オクノモリか・・大型モンスターが居ても領地拡大を

止めないとは・・・。勇者が僕を倒したと手紙を書いて

まだ一か月だぞ・・、少しはおとなしくしていてくれれば

いいのに・・。人間はすぐに数を増やすから厄介だよ。

それに強欲だ・・。」


勇者が魔王を討伐した事が公表されるやいなや

魔王の財宝目当てだろう盗賊が群れを成して

魔王城を荒しに来る。


本物の魔王城のまわりに、偽の魔王城の幻影を作り

財宝も何もかも、他のものが荒し持ち去ったような

小道具も用意しておくと盗賊はぶつくさと文句を言いながらも

そこから立ち去ってくれる。

中には城を拠点にしようと言うものまで現れるので

その団体には幻術をかけて、遠くの街や森に移動させている。

人間にとっては100年に一度あるかないかの魔王討伐だが、

魔王はもう飽きる程この行動を繰り返してきた。

「まず、魔王城には財宝なんて無い!それだけは理解して欲しい」

財政難にあえぐほどではないが、資金が底をつけば魔王が

街にアイテムや薬を売りに行く。

それで十分な金額が得られるのだから、魔王には人間の欲が

理解しがたい所だ。


温かいパンを食べたいだけの子供も居れば

金にしか興味のない大人も居る。


「不条理極まりない。本当に半数ほど間引きしてやろうか」


なんて・・、出来もしない事を考える魔王であった。


部屋に戻ると・・・・


「勇者?勇者!」


ベッドの中にいたはずの勇者が居ない。

すぐに探知の魔法をかけようとした時、胸の下に何かが

ぶつかってきた。


「勇者・・・、どうしたんだい・・・」

「今サイクロプスの足音がした」

「どこにも居ないよ、居たらすぐにわか」

「サイクロプスだ・・・・・、どうして・・魔王からモンスターの

匂いがする・・・」

「え?匂う?」

「そうだよ、これはモンスターの匂いだ・・・・近い・・・・

敵が来る・・・、武器を・・武器・・・は・・・」


魔王の胸に深々と刺さる剣。


「参ったな・・どこでこんなものを?」


勇者は無表情のまま魔王から剣を抜き取る。


「まずは殺せるやつからやらないと・・・」

「ねぇ勇者」

「殺さないと・・」

「僕たちいいコンビだと思うんだ」

「・・・」

「こんな風に解散したくないな、まだデビューも

してないのにさ」

「・・・・・」

「あいたたた・・・、ちと・・魔力・・使い・・・すぎ・・」


魔王が膝をつく。


外は夜。

綺麗な月が出ていて、部屋の中を明るく照らしていた。


絨毯に魔王の血がボタボタと音を立てて落ちてゆく。


「・・まお・・う?」

「うん・・・、僕だよ」


勇者は剣を離そうとして・・その剣はなかなか手から離れず

自分で自分の指を無理やり開いて、やっと離れた剣は

カラン・・と乾いた音を立てた。


「魔王は・・いい魔王なのに・・僕が・・?」

「・・・っ・・・、いやいや・・僕の不注意・・と言うか・・、うん・・

ほら、あの毛玉・・作るのに・・結構魔力つか・・・」

「魔王・・魔王?!痛いの??」

「いた・・み・・か。久しい・・な・・・、あててて・・・・っ・・。

それより勇者・・解散は無しだよ・・ね」

「解散なんかしないよ!今日だってあんなに練習したじゃないか!

明日・・シキ君に見せるんでしょ?」

「・・・うん、それを聞いて安心した。」


魔王はローブの袖口から小さビンを取り出すと、中身を飲み干す。


「賞味期限大丈夫かな・・・・・、うん・・・効力は・・大丈夫そう・・・」


魔王の傷口は光と共に消えて。

魔王は何事もなかったかのように立ち上がった。


「はーよかった、これで安・・」

「だめだよ!ここに寝て!!少し安静にしないと!!」


魔王は勇者に手を引かれるまま、ベッドに横になった。


「いや、僕は・・だいじょう・・」

「僕が看病するから!元気になって、沢山僕の知らない事教えてよ!」

「・・うん・・、まぁ・・たまには・・こういうのもいいかも」

「朝までちゃんと見ててあげるから!」

「見てるだけなの?」

「だって僕・・魔法使えないし・・、他に何も出来ない・・・、どうしよう僕・・・

魔王にこんな事して・・ずっと・・、僕の事、気にして、守ってくれてた魔王に・・・

あ!僕の血とか要る?!!」

「要らないよ!僕は血を見ると貧血を起こすんだ」

「・・・・そうなんだ・・」

「あ、なんかこれもネタにならない?」

「ならないよ~!!本当に大丈夫なの?魔王・・」

「薬を飲んで魔力を上げたから平気さ、あとはこうやって寝てれば魔力は自然と

(と言うか、もうMAXまで回復してるけど・・)回復するから・・」

「・・・そっか・・なら良かった・・僕・・」

「解散は無し、それ以上は僕は何も求めないから。ほんと解散だけはやめてね!」

「しないってば・・・!!」


魔王の看病をする!と言ってきかなかった勇者は安心したのか

そのまま気を失うように眠ってしまった。


勇者が眠っている時も緊張し続けていた事に、魔王は初めて気付いた。

『あの足音を感じる程、神経を尖らせていたんだね・・・

夜は特に・・。時間が解決してくれればいいけど・・・』


「魔王と勇者」のコンビ解散は免れた。

そして


『僕の夢・・君がかなえてくれるといいなと、僕は案外本気で願っているんだよ?』


魔王は天井を見上げる。

睡眠の必要ない魔王には珍しい眺めだった。

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