episode76 良質化合成
ハンターバードを狩って【ハンターバードの羽】を集めた俺は拠点に戻っていた。
リッカはいつものように武器の耐久度を回復させてから狩りに向かっている。
「さて、【コッコの羽】と【コッコの
確認してみると、交換者が現れたのか、【コッコの羽】と【コッコの
「早速、『良質化合成』で作製を試してみたいところだが……【MP回復ポーション】は十分あるな」
以前『良質化合成』を試したときには品質が50前後の物で試したが、一回の合成でMPを150近くも消費したからな。
MPを大量に消費するので、【基本MP回復ポーション】の在庫を確認するが、問題はなさそうなのでこのまま続けることにした。
「まずは羽からやってみるか」
どちらからでも良いが、とりあえず、【コッコの羽】からやってみることにした。
俺は品質が80の【コッコの羽】二個を錬金板に乗せて、『良質化合成』を使用する。
「……できたな」
すると、二個の【コッコの羽】が一つになって、品質が85に上昇していた。
「MP消費は240か……やはり、基本の消費MPはベースとしたアイテムの品質の三倍か?」
以前にいくつかのアイテムで試してはみたが、『良質化合成』における基本の消費MPはベースとしたアイテムの品質の三倍だと思われた。
ここで何故「基本の消費MP」と言ったのかというと、上位の素材であるほど消費MPが増加すると思われるからだ。
その補正値までは詳しく調べていないので分からないが、その消費MPの傾向から見て、上位の素材であるほど消費MPが増加することはほぼ確実だった。
(それにしても、相変わらず消費MPが多いな……)
俺のMPの最大値は400もないぐらいだからな。この消費MPは非常に重いコストだと言える。
「まあそこは今追及すべき点ではないし、作業を続けるか」
今消費するMPの法則性を見付けたところで、あまり意味はないからな。
【基本MP回復ポーション】でMPを回復しながら、作業を続けることにした。
そして、品質が85の【コッコの羽】をベースにして、品質が80前後の物を合成していくと、品質が90、94、98、100と上がっていって、無事に目的のアイテムが完成した。
「
【コッコの御守り】の作製には【コッコの
俺はそのまま【コッコの
「……できたな」
そして、品質が100の【コッコの
「ふぅ……やるか」
今回は失敗するわけにはいかないからな。
低品質な物で何個か作って練習はしたので大丈夫だとは思うが、いつもよりも慎重に作業を進めることにした。
(まずは【コッコの
まずは【コッコの
(……できたな。後は羽を内部に組み込むようにして、縫い合わせるだけだな)
そして、【コッコの羽】を内部に組み込むようにして縫い合わせて、適当な紐を付けて御守りを完成させた。
「確認してみるか」
完成したところで、効果も含めて詳細を確認してみる。
━━━━━━━━━━
【コッコの御守り】
魔防:1
耐久:20
空S:0
重量:0
品質:100
効果:浮かび上がるようなふわふわ、駆ける力
付与:なし
Cost:3/3
説明:コッコ素材で作られた御守り。コッコの加護が得られる。
【浮かび上がるようなふわふわ】
重量が2下がる。付与効果化可能。
【駆ける力】
飛べない鳥は地を駆ける。ダッシュ時のスタミナ消費量を軽減する。
━━━━━━━━━━
確認すると、目的の効果である『浮かび上がるようなふわふわ』が発現していることが確認できた。
「何とかなったな……」
簡単な作業だったとは言え、失敗できないからな。
普段よりも慎重に作業を進めたこともあって、無事に目的の物を完成させることができた。
「……ところで、この項目は何なんだ?」
それはそうと、パラメーターの項目に「Cost」という見たことない項目が追加されていた。
ひとまず、その項目をタップして、詳細を確認してみる。
「……なるほどな。これが付与コストか」
確認してみると、この数字は付与コストを示したもののようだった。
この場合だと上限コストが3で、残りコストが3ということを示している。
(前回の生産でちょうど必要レベルに達したようだな)
今までは見ることができない項目だったからな。
どうやら、前回の生産のときにちょうど付与コストが見られるようになるレベルに達していたらしい。
「それと、これは何だ?」
また、メニュー画面の文字は通常は白い文字で表示されるのだが、重量の「0」の数字だけが何故か青文字で表示されていた。
(こちらも確認してみるか)
確認してみないことには分からないからな。ひとまず、こちらも確認してみることにした。
「……なるほどな。数値が変化していることが分かりやすくなっているのか」
確認してみると、青文字での表記は何かしらの効果によって数値に有利な補正が掛かっていることを示しているようだった。
今回の場合だと、重量は元々1だったところが、『浮かび上がるようなふわふわ』の効果によって0になっているので、それで青文字での表記になっていたらしい。
「……そう言えば、付与コストは大丈夫か?」
『浮かび上がるようなふわふわ』の発現に成功したは良いが、付与コスト不足で付与できなければ意味がないからな。
【デヴェスト金属糸】で作った手袋の上限コストと、付与効果の付与コストを確認してみる。
「『浮かび上がるようなふわふわ』の付与コストは10、手袋の上限コストは15か。これなら問題ないな」
確認してみると、目的の付与効果は上限コスト以内なので、付与コストの方は問題なさそうだった。
ちなみに、興味本位に『
(まああれだけの効果があるし、高コストなのは当然だが、流石にコストが高すぎないか?)
【デヴェスト金属糸】で作った手袋の上限コストの七倍近い付与コストだからな。
これだけ付与コストが高いと、付与できるのがいつになるか想像もつかない。
(これだけ高コストだと、エンドコンテンツの可能性すらあるな)
もはや桁が違うからな。エンドコンテンツクラスの扱いになっている可能性は十分に考えられた。
「……まあその話は良い。さっさと解体するか」
俺の目的は【コッコの御守り】ではなく、それを解体することで得られる付与効果だからな。
このまま解体して、目的の付与効果を【コッコの羽】に付与することにした。
(【コッコの羽】か【コッコの
糸素材にするとなると、【コッコの
「……できたな」
そして、【コッコの御守り】を解体して、【コッコの羽】に『浮かび上がるようなふわふわ』を付与した。
「……最低でも後これを四回か」
装飾品を除いたとしても、防具の五部位分は必要だからな。最低でもこれを後四回は繰り返す必要があった。
「まあ素材はもうないし、付与する付与効果でも考えておくか」
素材が不足している以上はどうしようもないからな。
アイテムの作製は一旦ここまでにして、適当に街をぶらつきながらリッカ用の防具に付与する付与効果を考えることにした。
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