episode53 リザードマン素材を使っての防具の新調

 素材集めを終えて、夕食後にログインした俺は拠点でアイテムの作製に取り掛かっていた。


「さて、まずは自分の防具を作るか」


 素材集めで【リザードマンの皮】が集まったからな。

 とりあえず、自分の防具を作ってみることにした。


「まずは皮を必要な大きさに加工するか」


 防具に合わせて皮の大きさを調整する必要があるからな。

 【裁縫】だと時間が掛かりそうなので、まずは【錬金】で皮を加工することにした。


「上着は……このぐらいか?」


 まずは七枚の【リザードマンの皮】を合成して、必要な大きさに整える。

 そして、大きさを整えたところで、【裁縫】を使って加工を始めた。


「硬いな……」


 だが、【リザードマンの皮】は非常に硬く、中々加工が進まなかった。


(ギリギリ加工できるといったところか)


 時間は掛かるが、加工はできそうだからな。このまま加工を続けることにした。

 俺は少しずつ加工を進めて行って、着実に形を整えていく。


「……できたな」


 少々時間は掛かったが、何とか完成させることができた。

 ひとまず、装備強化も済ませたので、付与されている効果も含めて、完成品を確認してみる。



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【リザードマンの皮のコート】

物防:38

魔防:38

耐久:250

重量:6

空S:0

品質:30

効果:蜥蜴とかげの耐性

付与:乾いた守り

説明:リザードマンの皮で作られたコート。それなりに丈夫で、防御力にも耐久性にも優れている。



蜥蜴とかげの耐性】

 火耐性が4%上昇する。


【乾いた守り】

 全属性耐性が1%上昇する。


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 付与効果の『乾いた守り』は他の素材にも付いていたからな。

 レアな付与効果ではないようなので、とりあえず、付けておいた。


「腕当て以外は作ってしまうか」


 腕当ては金属も必要になるだろうからな。

 腕当ては後回しにして、他の装備品を先に作ってしまうことにした。


「……こんなところか」


 そして、そのまましばらく作業を続けて、無事に目的の装備品が完成した。

 強化も済んだので、完成品を確認してみる。



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【リザードマンの皮のフード】

物防:30

魔防:30

耐久:200

重量:4

空S:0

品質:35

効果:蜥蜴とかげの耐性

付与:斬撃耐性(小)

説明:リザードマンの皮で作られたフード。それなりに丈夫で、頭全体を覆うことが可能でなので、中々優秀。



【リザードマンの皮のロングパンツ】

物防:32

魔防:32

耐久:200

重量:4

空S:0

品質:30

効果:蜥蜴とかげの耐性

付与:万全防御(小)

説明:リザードマンの皮で作られた丈夫なロングパンツ。



【リザードマンの皮のブーツ】

物防:28

魔防:28

耐久:200

重量:3

空S:0

品質:35

効果:蜥蜴とかげの耐性

付与:斬撃耐性(小)

説明:リザードマンの皮で作られた丈夫なブーツ。



【斬撃耐性(小)】

 受ける斬撃ダメージが2%減少する。


【万全防御(小)】

 HPが100%以上のとき、受けるダメージが減少する。


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「次は新しい素材の開発を試してみるか」


 かなり素材が集まったからな。次は新しい素材の開発をしてみることにした。


「まずは鉱石を製錬するか」


 入手した鉱石をまだインゴットにしていないからな。まずは鉱石の精錬をすることにした。


「【コーラルア鉱石】、【デヴェスト鉱石】、【クロライト鉱石】の三つがあるが……【コーラルア鉱石】から製錬してみるか」


 鉱石はコスタル平野で入手した【コーラルア鉱石】、スピリア荒原で入手した【デヴェスト鉱石】、ドラガリア荒野で入手した【クロライト鉱石】の三つがあるが、とりあえず、【コーラルア鉱石】から製錬してみることにした。

 俺は【コーラルア鉱石】五個を炉に入れて製錬を始める。


 そして、製錬が済んだところで取り出してみると、赤いインゴットが完成していた。

 ひとまず、その状態を確認してみる。



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【コーラルアインゴット】

品質:30

効果:不純物(超)、銑鉱(超)

付与:なし

説明:コーラルア鉱石を製錬することでできたインゴット。珊瑚さんごのような鮮やかな赤色が特徴的で、厄を祓う力がある。


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 確認してみると、相変わらずマイナス効果が付与されていた。


「少しやり方を変えてみるか」


 なので、今度は少しやり方を変えてみることにした。


「とりあえず、これを使ってみるか」


 俺が取り出したのはコスタル平野で拾った【貝殻】だった。

 何故【貝殻】を使おうと思ったのかと言うと、石灰石の代用品として使えないかと思ったからだ。


 【アイアン鉱石】の製錬には石灰石を使うが、貝殻も主成分は同じ炭酸カルシウムだからな。

 試してみる価値はありそうなので、早速試してみることにした。


 まあそもそも今回製錬するのは【アイアン鉱石】ではないのだが、このままこれを使って製錬してみることにする。


「砕いて一緒に入れるか」


 このまま入れるわけにはいかないだろうからな。

 ここは鍛冶用のハンマーを使って砕いてから一緒に入れることにする。


「これで良いな。よっと……」


 そして、【貝殻】を砕いたところで、五個の【コーラルア鉱石】と一緒に炉に入れて製錬を始めた。


「これでどうだ?」


 製錬が終わったところで、取り出して状態を確認する。



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【コーラルアインゴット】

品質:30

効果:不純物(中)、銑鉱(中)

付与:なし

説明:コーラルア鉱石を製錬することでできたインゴット。珊瑚さんごのような鮮やかな赤色が特徴的で、厄を祓う力がある。


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 確認すると、二つのマイナス効果の効果が弱められていた。

 どうやら、砕いた【貝殻】を混ぜたのは成功だったらしい。


「とりあえず、他の鉱石も製錬するか」


 まだ【デヴェスト鉱石】と【クロライト鉱石】も残っているからな。そちらも製錬することにした。


「……ふぅ……こんなところか」


 そして、先程と同じようにして【デヴェスト鉱石】と【クロライト鉱石】も製錬して、インゴットを作製した。


「ふむ……クロライトは見た目も良さそうだな」


 【クロライトインゴット】は黒い金属なのだが、完全に真っ黒なわけではなく、少しだけ透き通っていた。

 その見た目は水晶を思わせて、見た目も良い装備品になりそうだった。


 ちなみに、もう一方の【デヴェストインゴット】は茶色い金属で、銅に近い見た目をしている。


「とりあえず、詳細を確認してみるか」


 と、このまま見ていても仕方がないので、ひとまず、完成品の状態を確認してみる。



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【デヴェストインゴット】

品質:35

効果:不純物(中)、銑鉱(中)

付与:なし

説明:デヴェスト鉱石を製錬することでできたインゴット。鈍い黄土色をしていて、そこはかとなく廃退的な輝きを放っている。


【クロライトインゴット】

品質:35

効果:不純物(中)、銑鉱(中)

付与:なし

説明:ドラガリア地方で採れるクロライト鉱石を製錬することでできたインゴット。透き通ったような黒色をしていて、その美しい見た目からインテリア用としても人気がある。


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 確認してみると、【コーラルアインゴット】と同様に二つのマイナス効果の効果が弱められていた。


「できれば、ここからさらに精錬したいが……問題は方法だな」


 現実では金属によって精錬のやり方は違うからな。最適な精錬方法に見当が付けられなかった。


「とりあえず、これと一緒に焼いてみるか」


 俺が取り出したのは【コウル石】という黒い塊だった。

 見たところ、これは石と言うより石炭に近い物のようだからな。

 これであれば精錬ができそうなので、早速試してみることにした。


 俺は【コーラルアインゴット】と【コウル石】を炉に入れて、精錬を始める。


(明らかに火力が強いな)


 【コウル石】を入れたからなのか、普段よりも炉の火力が上がっているようだった。


(もしや、前の炉でもこうすれば【クロライト鉱石】を製錬できたのか?)


 以前の炉では火力不足で製錬できなかったが、こうすれば火力が上がって製錬できた可能性があった。


(まあ考えるだけ無駄か)


 今更考えても意味はないからな。今は精錬に集中することにした。


「……そろそろか」


 精錬が終わったところで、取り出して状態を確認する。



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【コーラルアインゴット】

品質:30

効果:不純物(小)、銑鉱(小)

付与:なし

説明:コーラルア鉱石を製錬することでできたインゴット。珊瑚さんごのような鮮やかな赤色が特徴的で、厄を祓う力がある。精錬工程を経て、不純物はだいぶ取り除かれている。


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 確認すると、二つのマイナス効果の効果がさらに弱められていた。


「他の二つも同じように精錬しておくか」


 【コウル石】はまだまだあるからな。

 【デヴェストインゴット】と【クロライトインゴット】も同じようにして精錬しておくことにした。


「……こちらも問題ないな」


 精錬が終わったところで確認してみると、こちらも精錬がうまく行っていた。


「とりあえず、インゴットを量産してから色々と試すか」


 その都度インゴットを作るのは面倒だからな。

 ここは先にインゴットを量産してから色々と試すことにした。


「……やるか」


 それなりに量があるが、やらないことには終わらないからな。さっさと作業に取り掛かることにした。


 そして、その後は同じ手順で各種インゴットを量産したのだった。

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