episode48 シャムの戦闘スタイルの決定
闘技場を後にした俺達は拠点に戻っていた。
「……そろそろ方針を決めるか」
俺はまだ戦闘スタイルの方針が定まっていないからな。
このまま進めるわけにもいかないので、そろそろはっきりと決めることにした。
「リッカ、俺はマテリアルクラフターをメイン武器にした戦闘スタイルにしたいと思うのだが、どう思う?」
未知の武器ではあるが、折角使えるようになった上位武器だからな。
この戦闘スタイルを開拓するのも一興なので、マテリアルクラフターを主軸にした戦闘スタイルにしようと考えている。
もちろん、このまま勝手に決めても良いのだが、リッカもいるわけだからな。
彼女にも意見を聞いてみることにする。
「……好きにして良い」
「そうか。では、このスタイルで行くか」
と言うことで、リッカの後押しも得て、マテリアルクラフターをメイン武器にした戦闘スタイルにすることに決定した。
「やはり、効力特化にするべきか?」
「……うん。効力はできるだけ上げるべき」
「とりあえず、効力基礎のステータスボードには全部振っておくか」
効力は上げられるだけ上げておいた方が良さそうだからな。
早速ステータスボードの画面を開いて、効力基礎のステータスボードにSPを振る。
「竜人基礎の効力上昇の分も取っておくか」
竜人基礎のステータスボードには効力上昇のパネルがあるので、それも忘れずに取っておく。
「……全部取ったら?」
と、その様子を見ていたリッカがそんな提案をしてきた。
「それもありか」
ステータスボード内のパネルを全部取ると、コンプリートボーナスがあるからな。
敏捷はあっても損はしないので、全部取ってしまうことにした。
「これでSPはほとんどなくなったし、このぐらいにしておくか」
SPがほとんどなくなってしまったからな。
とりあえず、ステータスボードにSPを振るのはここまでにしておくことにした。
「……もうなくなったの?」
「初期の三十ポイントを除くと、数ポイントしかないからな。これ以上は振れないぞ」
「……戦闘しなさすぎ」
「そう言われてもだな……」
どうしてもリッカの方が戦闘機会が多くなるからな。それに関しては仕方がないとしか言えない。
「とりあえず、一度ステータスを確認しないか?」
リッカはいつの間にか俺の知らないアビリティも習得していたからな。
それらの確認も含めて、ここで一度互いのステータスの確認をしてみることにした。
「……分かった」
リッカが了承したところで、互いにステータス画面を開いて確認する。
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【シャム】
HP:500
MP:351
筋力:60
靭力:30
魔力:69
理力:30
敏捷:100
器用:50
効力:135
《アビリティ》
【調合Lv7】【鍛治Lv5】【裁縫Lv1】【錬金Lv1】【マテリアルクラフターLv1】【風魔法Lv4】【隠密Lv2】
【リッカ】
HP:505
MP:246
筋力:235
靭力:33
魔力:55
理力:33
敏捷:283
器用:49
効力:66
《アビリティ》
【刀Lv8】【居合の構えLv10】【歩法Lv5】【隠密Lv4】【軽業Lv6】【絶対なる境地Lv1】【強敵狩りの心得Lv5】
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(知らないアビリティが三つもあるな)
【刀】、【居合の構え】、【歩法】は初期習得アビリティ、【隠密】は俺も持っているアビリティなので知っているが、他の三つは知らないアビリティだった。
ひとまず、【隠密】も含めて、それらの効果を確認してみる。
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【隠密】
敵に発見されにくくなる。
【軽業】
合計重量が低いほど敏捷が上昇する。
【絶対なる境地】
攻撃を見極めて打ち砕く、絶対なる見切りの力。
HPが100%以上のとき、全ステータスが上昇する。
また、『見切り』成功時に与えるダメージが増加する。
さらに、このアビリティのレベルに応じて『見切り』に追加効果を付与する。
現在の『見切り』への追加効果:なし
【強敵狩りの心得】
戦闘時、全ステータスが上昇する。
相手が自身よりも強い相手の場合、効果が上昇する。
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「何と言うか、かなり差があるな」
素のステータスはもちろんのこと、リッカは強力そうなアビリティも習得しているからな。
【筋力基礎】の上位のステータスボードである【剛力】や、【敏捷基礎】の上位のステータスボードである【疾風】を取得していることもあり、その差はかなりのものだった。
「と言うか、いつの間にこんなに習得していたんだ?」
【隠密】はドラガリア荒野で敵に発見されないように隠密行動を取っていたら、いつの間にか習得していたが、他のアビリティについては知らない。
なので、本人に聞いてみることにする。
「……普通に戦ってたら習得してた」
「そうか。……その効果から察するに、【軽業】は合計重量が一定値以下の状態で戦闘を行う、【絶対なる境地】は『見切り』を一定回数成功させる、【強敵狩りの心得】は自身よりも強い敵との戦闘を一定回数行うといったところか?」
アビリティはその名称や効果から、習得条件はある程度推測することが可能だからな。
リッカのこれまでの行動から察するに、習得条件はこんなところだと思われた。
「それにしても、敏捷をかなり上げているが、効果はあるのか?」
ベータ版のときは敏捷は上げてもあまり変わらないので、無駄だとすら言われていたからな。
実際俺の目から見ても、気持ち速くなった気がするといった程度で、大きな差は見受けられないからな。
そのあたりについて本人はどう思っているのかを聞いてみることにする。
「……かなり違う」
「そうか。まあ初めからベータ版で導き出された最適解とは異なる道を歩んでいるわけだし、今更聞くようなことでもなかったか」
そもそも、初期習得アビリティとして【刀】と構え系の二つを取らなければならず、評価があまり良くなかった刀を使っている時点で、自分の道を突き進んでいるからな。
ゲーマーの彼女が何の考えもなしにアビリティを構成しているとは思えないので、聞くようなことでもなかったか。
「さて、俺は錬金を試してみるが、リッカはどうする?」
「……狩りに行く。とりあえず、これ直して」
リッカはそう言って耐久度が減った【リザードマンの爪の刀】を渡してくる。
「分かった。少し待っていてくれ」
俺はそのまま受け取った【リザードマンの爪の刀】の耐久度を鍛冶で回復させる。
「できたぞ」
そして、作業が済んだところで、【リザードマンの爪の刀】を返却した。
「……じゃあ行ってくる」
【リザードマンの爪の刀】を受け取ったリッカはそのまま拠点を後にする。
「さて、早速試してみるか」
リッカは行ったので、早速、錬金板を設置して錬金を試してみることにした。
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