第17話 ドラマで見てみたい明治前半の伊藤博文 3選

 もうすぐ津田梅子さんのドラマに伊藤博文が出そうということで、勝手に明治前半の伊藤博文で見てみたい史実ネタを考えてみました。


1.『日の丸演説』をする伊藤博文


 日の丸演説とは伊藤博文が岩倉使節団でアメリカを訪れた際にサンフランシスコで行った演説の通称です。


 演説の最初はサンフランシスコ市民の丁重なもてなしに感謝し、自分たち使節のこと、日本の話になり、最後に日の丸の話が出ます。


「我国旗の中央に点ぜる赤き丸形は、最早帝国を封ぜし封蝋の如く見ゆることなく、将来は事実上その本来の意匠たる、昇る朝日の尊き徽章となり、世界に於ける文明諸国の間に伍して前方に且つ上方に動かんとす」


 伊藤は日の丸の赤い丸を封筒の封蝋に例えています。


 そして、将来は本来の意味通り、朝日のように世界の文明諸国に並んで前に上に進む国となるだろうと高らかに言っています。


 他国での演説にしてはちょっと気負い過ぎな面もありますが、30代前半の若き伊藤博文の熱意が見える演説です。


2.仮装舞踏会での伊藤博文


 明治20年、仮装舞踏会ファンシーポールが日本で行われます。


 この当時は海外に並ぶための欧化政策として、こういった西洋風の舞踏会がよく行わていました。


 仮装舞踏会はその一つで、みんなが仮装して踊るのです。


 伊藤博文はこの席でイタリア貴族の衣装を着ていました。

 明治の高官たちが仮装をしてダンスをするシーンは華やかで見ものだと思うのです。

 なので、ドラマとかマンガで、この姿を見てみたいなーと考えています。


 他の明治の人々も仮装していたのですが、ただ、ほとんどが和の仮装でした。

 洋風の仮装をするのは似合わないという意識があったのかも知れません。


 山伏であったり、娘さんとコス合わせをしたりという人が多かったですが、その中でも、山縣有朋が奇兵隊時代の服装を持ち出したのは、見てみたい一つであります。


3.伊藤博文VS森有礼


『津田梅子~お札になった留学生~』では、田中圭さんが伊藤博文を、ディーン・フジオカさんが森有礼をという豪華キャストなので、二人の対決も見たいですね。


 伊藤は森有礼さんを自分の初代内閣の文部大臣にするくらいですので、仲は悪くありません。


 ただ、伊藤は仲がいいから議論しないというタイプではありません。

 仲が良くても、とことん議論するタイプです。


 伊藤と森有礼さんが激しい議論を繰り広げたのは明治憲法(大日本帝国憲法)の審議の時です。


「大日本帝国憲法は、伊藤博文とその部下である井上毅、伊東巳代治、金子堅太郎が作った」と教科書に端折って書かれ、「小人数だけで密室で作られた憲法だ!」と言われることがありますが、実際には四人が作ったのは憲法の草案で、その後に枢密院というものが作られ、そこで一つずつ審議がされたのです。


 その審議の中で『臣民の権利義務』の項目で、伊藤と森有礼さんはバトルすることになります。


 森有礼さんは『臣民の権利義務』を『国民の分際ぶんざい』とすべきで、国民の権利義務というのは、国の憲法に記載すべきものではないと言い、伊藤は憲法の精神は人民の権利を保障することにあると反論します。


 このあたりは伊藤博文の憲法に対する考えの見えるシーンなので、どこかで見ることが出来たらいいなと思ってます!







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